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僕を取り巻く世界
夜は異世界
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今日の大聖堂は様子が違った。物々しい様子の騎士たちが周囲を警備していたんだ。僕は何が起きたのかと大聖堂を徘徊した。理由は直ぐに分かった。
大聖堂の天井付近のユニコーンのモチーフが変化していたんだ。それはもはや石像ではなかった。一部はまだ石像の様だったけれど、顔の部分は生きているかの様に息づいていた。
僕がじっとユニコーンの頭部を見つめていると、目の前のそれはパチリと目を開けた。その虹色に揺らめく瞳は僕をじっと見つめていた。
『…おや、こんなところにいたのか?人間。道理で私が自力で出現出来ない訳だな。お前はこちらで存在が薄れている。今は元の世界の方に力が寄っている。
私は竜が望んだとしても、お前の実態がこの世界になければ存在を出現するのは難しいのだ。今、ここまで私を呼んだあの竜の頑張りを褒めてやらないとな。
もう少し、あの竜が頑張って私をここに完全に呼び出せば、私もお前をこちらに呼ぶ事は可能だが…。お前はあちらの世界も、こちらの世界も選べるぞ?
お前の確かな気持がなければ、私もお前をここまで呼び寄せるのは難しい。お前はどこの世界で生きて行きたい?』
そう言ってユニコーンは僕の返事を待っているかの様だった。僕はユニコーンにそう問われて、でも自分の中では確かな気持ちがあるのを感じた。
『獣人の世界が、僕の世界です。』
ユニコーンは面白そうに目を潜ませると、ボソリと言った。
『…これであの竜の子も浮かばれると言うものだ。人間よ。そちらでお前に残された時間は後少しだ。準備しておけ。…ほらあいつが来たぞ。声ぐらい聴かせてやるんだな。』
大聖堂の入り口から皇太子とリチャード、それにロクシーが入ってくるのが見えた。僕は思わず勢いよく下降して、皆の前に立った。するとロクシーが僕の方を向いてギュイと鳴いて、トコトコと近寄って来た。
僕はロクシーをぎゅっと抱きしめると滑らかな鱗を撫でて言った。
『…ロクシー、ユニコーンから聞いたよ。僕のために頑張ってくれてるって。僕も早くロクシーの側に戻りたいよ。ありがとう、ロクシー。』
ロクシーはプスプスと泣いてるみたいだった。僕は視線を感じて目を上げると、目の前に殿下たちがこちらをキョロキョロと何かを探す様に見つめていた。
彼らもきっと、ロクシーの側に僕が来るって聞いてるのかもしれない。僕はふわりと浮かぶと二人の殿下の前に立って、それそれにハグして言った。
『僕、きっと帰りますから。』
まぁ、聞こえなくても気持だから、ね?
大聖堂の天井付近のユニコーンのモチーフが変化していたんだ。それはもはや石像ではなかった。一部はまだ石像の様だったけれど、顔の部分は生きているかの様に息づいていた。
僕がじっとユニコーンの頭部を見つめていると、目の前のそれはパチリと目を開けた。その虹色に揺らめく瞳は僕をじっと見つめていた。
『…おや、こんなところにいたのか?人間。道理で私が自力で出現出来ない訳だな。お前はこちらで存在が薄れている。今は元の世界の方に力が寄っている。
私は竜が望んだとしても、お前の実態がこの世界になければ存在を出現するのは難しいのだ。今、ここまで私を呼んだあの竜の頑張りを褒めてやらないとな。
もう少し、あの竜が頑張って私をここに完全に呼び出せば、私もお前をこちらに呼ぶ事は可能だが…。お前はあちらの世界も、こちらの世界も選べるぞ?
お前の確かな気持がなければ、私もお前をここまで呼び寄せるのは難しい。お前はどこの世界で生きて行きたい?』
そう言ってユニコーンは僕の返事を待っているかの様だった。僕はユニコーンにそう問われて、でも自分の中では確かな気持ちがあるのを感じた。
『獣人の世界が、僕の世界です。』
ユニコーンは面白そうに目を潜ませると、ボソリと言った。
『…これであの竜の子も浮かばれると言うものだ。人間よ。そちらでお前に残された時間は後少しだ。準備しておけ。…ほらあいつが来たぞ。声ぐらい聴かせてやるんだな。』
大聖堂の入り口から皇太子とリチャード、それにロクシーが入ってくるのが見えた。僕は思わず勢いよく下降して、皆の前に立った。するとロクシーが僕の方を向いてギュイと鳴いて、トコトコと近寄って来た。
僕はロクシーをぎゅっと抱きしめると滑らかな鱗を撫でて言った。
『…ロクシー、ユニコーンから聞いたよ。僕のために頑張ってくれてるって。僕も早くロクシーの側に戻りたいよ。ありがとう、ロクシー。』
ロクシーはプスプスと泣いてるみたいだった。僕は視線を感じて目を上げると、目の前に殿下たちがこちらをキョロキョロと何かを探す様に見つめていた。
彼らもきっと、ロクシーの側に僕が来るって聞いてるのかもしれない。僕はふわりと浮かぶと二人の殿下の前に立って、それそれにハグして言った。
『僕、きっと帰りますから。』
まぁ、聞こえなくても気持だから、ね?
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