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僕を取り巻く世界

憲吾sideこの気持ちは

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俺はベッドに転がりながらスマホを眺めていた。まーちゃんとのナインのやりとりは、ほとんど俺のひとり言だ。辛うじてまーちゃんがスタンプで一応答えてくれている。

俺はこのやり取りが、元カノとのやり取りのまんまだと思った。俺はあの時面倒くさくて、スタンプ押しとけばいいか的な発想だったはずだ。


俺はため息をついた。あの時の元カノの気持ちが今なら良く分かる。あまりしつこくしない様に、でも自分から連絡しなければきっと俺からは連絡してこないって分かってたんだ。

俺はまーちゃんからまさに俺のしていたまんま、やられてる。俺が元カノにどれだけ冷たくしてたのか今になって反省した。反省したところで、まーちゃんからのスタンプ以外のものが貰えるとは思えないけどね…。


まーちゃんは男だ。俺はまーちゃんと再会してから、何度同じことを自分に言い聞かせたか分からない。まーちゃんが俺の初恋だったせいなのか、俺は男でも十分に綺麗で可愛いまーちゃんにもう一度恋をしてしまったんだ。

ちょっと呆れた顔で俺を見るまーちゃんに、俺は顔がにやけてしまう。心臓はドキドキしてるし、でもそれを気付かせないために何でもない風に話しかけて…。あー、もう限界。


それにまーちゃんが水泳部に入ったのがモヤモヤするんだ。まーちゃんが更衣室で野郎どもの前で水着に着替えるとか…。羨ましい。いや、けしからん。

俺は昨日教室で水泳部のやつが、妙にうっとりとした顔で話していたのを思い出した。

『一年の風間ってさ、水着に着替える時に全裸になるんだぜ?全然恥ずかしがらなくて、こっちが恥ずかしくなっちゃうんだ。だってあいつ、顔は女子より可愛いし、色も真っ白だろ?綺麗な筋肉はついてるけど、基本細っこいし。

なんか見ちゃいけないものって感じがするんだよ。最近は部長に日焼け止め塗ってくれって毎回頼んでてさ。いや、俺が塗ってやるよって言いたい!』


俺はその話を隣のグループで耳をダンボにして聞いてたんだ。その状況を想像すると、本当にヤバい事になりそうで俺は教室で深呼吸したほどだ。

俺は自分の股間がズクリと息づいてしまったのを感じて、思わず声に出していた。

「あー、マジかよ。俺ヤバいよ!」

そう言いながらも、俺はまーちゃんの肩を掴んだ時の感触やら、横から眺める唇やら、妄想をフル動員して、結局一人遊びに励んでしまった。

まーちゃん、おかずにしてごめんね。おれ、やっぱりまーちゃんが好きみたいだ。

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