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人間降臨
僕の日常
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「よおっ、人間様!」
そう言って僕の側に座るのはアーチストだ。僕はじと目でアーチストを睨みながら言った。
「まったく、その呼び方やめてって言ったよね?」
アーチストはクスクス笑いながら、僕に茶目っ気な水色の瞳を光らせて答えた。
「悪い、悪い。ついマモルの顔を見ると口から言葉が飛び出しちゃってな。あれ?今日は見張りナシ?」
そう言って周囲をキョロキョロと見回した。僕はため息をついてアーチストを睨んだ。
「ロービンをそんな風にいうのはやめてよ。確かに最近のロービンはやばいくらい過保護だけどね。正直助かってる面もあるんだよ。あの称号の日から、前より皆の目が怖くて。」
アーチストは肩をすくめて言った。
「そりゃ、しょうがないよ。マモルは今や二人の王子の特別な相手だし。でも貴族の中じゃ随分ほっとされたみたいだぜ?今まで通りに、皇太子も第二王子も妃や側妃を娶るっていうからさ。
マモルはそれで良かったのか?…王子たちの事好きなんだろう?」
僕は目を伏せて答えた。
「実際どっちかと言うと、僕の我儘でそうなったんだ。僕は20年後には確実にロクシーと番うだろうから、無責任に妃になんてなれないと思ったし。王様の二人の王子のどちらかを選ばないでほしいという願いもあったしね。
僕、きっとこの国を混乱させてるんじゃないかな?何だか申し訳ないよね。」
するとアーチストは僕のほっぺたをぎゅっとツネって言った。
「まったく、マモルは大胆なのか、生真面目なのか、ほんと意味不明だよな。私に言えるのは、マモルは人間様だから、好きなようにして良いって事。それこそ、愛人100人作っても良いんだぜ?」
そう言って馬鹿みたいに笑ったんだ。僕はほっぺたを擦りながら、アーチストの軽口にちょっとモヤモヤが晴れた気がした。勿論愛人100人つくる気はないけれど、ただでさえキャパオーバーな王子たちやロービン、ロクシーの事を僕の持っている道徳に落とし込んで考えなくて済むと思った。
遅れてロービンが合流した時に相変わらずの甘々なロービンがちょっと可愛く思えて、自分から抱きついてキスしてしまったのは、そんな気持ちでいたせいかもしれないな。
驚いた顔のロービンの目がギラついて、アーチストが慌てて止めるまで激しくキスされたのは本当にヤバかった。ロービンを舐めてたよ、僕。
そう言って僕の側に座るのはアーチストだ。僕はじと目でアーチストを睨みながら言った。
「まったく、その呼び方やめてって言ったよね?」
アーチストはクスクス笑いながら、僕に茶目っ気な水色の瞳を光らせて答えた。
「悪い、悪い。ついマモルの顔を見ると口から言葉が飛び出しちゃってな。あれ?今日は見張りナシ?」
そう言って周囲をキョロキョロと見回した。僕はため息をついてアーチストを睨んだ。
「ロービンをそんな風にいうのはやめてよ。確かに最近のロービンはやばいくらい過保護だけどね。正直助かってる面もあるんだよ。あの称号の日から、前より皆の目が怖くて。」
アーチストは肩をすくめて言った。
「そりゃ、しょうがないよ。マモルは今や二人の王子の特別な相手だし。でも貴族の中じゃ随分ほっとされたみたいだぜ?今まで通りに、皇太子も第二王子も妃や側妃を娶るっていうからさ。
マモルはそれで良かったのか?…王子たちの事好きなんだろう?」
僕は目を伏せて答えた。
「実際どっちかと言うと、僕の我儘でそうなったんだ。僕は20年後には確実にロクシーと番うだろうから、無責任に妃になんてなれないと思ったし。王様の二人の王子のどちらかを選ばないでほしいという願いもあったしね。
僕、きっとこの国を混乱させてるんじゃないかな?何だか申し訳ないよね。」
するとアーチストは僕のほっぺたをぎゅっとツネって言った。
「まったく、マモルは大胆なのか、生真面目なのか、ほんと意味不明だよな。私に言えるのは、マモルは人間様だから、好きなようにして良いって事。それこそ、愛人100人作っても良いんだぜ?」
そう言って馬鹿みたいに笑ったんだ。僕はほっぺたを擦りながら、アーチストの軽口にちょっとモヤモヤが晴れた気がした。勿論愛人100人つくる気はないけれど、ただでさえキャパオーバーな王子たちやロービン、ロクシーの事を僕の持っている道徳に落とし込んで考えなくて済むと思った。
遅れてロービンが合流した時に相変わらずの甘々なロービンがちょっと可愛く思えて、自分から抱きついてキスしてしまったのは、そんな気持ちでいたせいかもしれないな。
驚いた顔のロービンの目がギラついて、アーチストが慌てて止めるまで激しくキスされたのは本当にヤバかった。ロービンを舐めてたよ、僕。
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