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期間限定不老不死
アスラン皇太子の恋
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僕の口は無意識に動いていた。
「アスラン皇太子、僕、肝心な事を知るべきだって今、分かったんです。皇太子は僕に何を望んでいるんですか?」
すると皇太子は一瞬虚を突かれたような顔をしたけれど、直ぐに気を取り直して僕に探るような眼差しを投げかけた。そしてぼくの手を両手で包んで言った。
「…ここは色々誤魔化さないで答えるべきなんだろうね。私は初めて夏の夜でマモルを遠目で発見した時から、マモルに恋焦がれている。その気持ちは日増しに強くなっていくんだ。
こんな気持ちは初めてで、自分でも戸惑っているよ。だからリチャードと一緒にエーデンへ行ったと聞いて、内心穏やかでは無かった。
でもマモルは人間だ。今回の令嬢騒ぎでもそうだったけれど、マモルはどんな姿でも我々獣人たちを魅了してしまう。それはマモルの業のようなものかもしれない。
だからきっと、私は何処かでマモルを独り占めする事を諦めている。ましてマモルには竜が執着しているだろう?…私の望みは私と一緒にいる時間は、私ひとり見つめて、愛してくれたらどんなに幸せかと思うよ。
私もまた、望む、望まないに関わらず皇太子、いや、いずれ王としての役割は果たさなければならないと知っているから。この王族の血筋を絶やさないという責任をね…。
だからこそマモルと一緒にいる間だけは、ただ純粋に私の真っ直ぐな愛だけを与えたい。そして愛されたいと願っているんだ。マモル、私を愛してくれないか?」
僕は王になる運命を持った皇太子が、複雑な事情を抱えながらも真っ直ぐに、柔らかな心を僕に差し出しているのを感じた。そして僕もまた今となっては、単純に好きだとか嫌いだとかそれだけではもう生きていけない事も。
僕は単なる人間ではなくて、期間限定の不老不死の人間なのだから。
僕は、皇太子の握る手を見下ろして言った。
「アスラン皇太子、手を離して下さい。」
皇太子は強張った顔で、苦しげな表情を浮かべると僕からそっと手を離した。僕は心臓がドキドキするのを感じながら、皇太子の揺れる金色の瞳を見つめて言った。
「…僕がアスランを抱きしめてあげたいから。僕もアスランと一緒で運命を背負ってしまったんです。だから、その時々なら僕はアスランを愛してあげられる。
…僕はアスランを切り離せないんだ。僕はまだ16歳でこれがどんな感情なのかははっきりしないけど、アスランの強くて孤独な魂を抱きしめたいって思うんだ。それでもいいなら、僕はアスランを愛したい。」
「アスラン皇太子、僕、肝心な事を知るべきだって今、分かったんです。皇太子は僕に何を望んでいるんですか?」
すると皇太子は一瞬虚を突かれたような顔をしたけれど、直ぐに気を取り直して僕に探るような眼差しを投げかけた。そしてぼくの手を両手で包んで言った。
「…ここは色々誤魔化さないで答えるべきなんだろうね。私は初めて夏の夜でマモルを遠目で発見した時から、マモルに恋焦がれている。その気持ちは日増しに強くなっていくんだ。
こんな気持ちは初めてで、自分でも戸惑っているよ。だからリチャードと一緒にエーデンへ行ったと聞いて、内心穏やかでは無かった。
でもマモルは人間だ。今回の令嬢騒ぎでもそうだったけれど、マモルはどんな姿でも我々獣人たちを魅了してしまう。それはマモルの業のようなものかもしれない。
だからきっと、私は何処かでマモルを独り占めする事を諦めている。ましてマモルには竜が執着しているだろう?…私の望みは私と一緒にいる時間は、私ひとり見つめて、愛してくれたらどんなに幸せかと思うよ。
私もまた、望む、望まないに関わらず皇太子、いや、いずれ王としての役割は果たさなければならないと知っているから。この王族の血筋を絶やさないという責任をね…。
だからこそマモルと一緒にいる間だけは、ただ純粋に私の真っ直ぐな愛だけを与えたい。そして愛されたいと願っているんだ。マモル、私を愛してくれないか?」
僕は王になる運命を持った皇太子が、複雑な事情を抱えながらも真っ直ぐに、柔らかな心を僕に差し出しているのを感じた。そして僕もまた今となっては、単純に好きだとか嫌いだとかそれだけではもう生きていけない事も。
僕は単なる人間ではなくて、期間限定の不老不死の人間なのだから。
僕は、皇太子の握る手を見下ろして言った。
「アスラン皇太子、手を離して下さい。」
皇太子は強張った顔で、苦しげな表情を浮かべると僕からそっと手を離した。僕は心臓がドキドキするのを感じながら、皇太子の揺れる金色の瞳を見つめて言った。
「…僕がアスランを抱きしめてあげたいから。僕もアスランと一緒で運命を背負ってしまったんです。だから、その時々なら僕はアスランを愛してあげられる。
…僕はアスランを切り離せないんだ。僕はまだ16歳でこれがどんな感情なのかははっきりしないけど、アスランの強くて孤独な魂を抱きしめたいって思うんだ。それでもいいなら、僕はアスランを愛したい。」
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