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期間限定不老不死

皇太子の尋問

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僕は皇太子の醸し出す甘い雰囲気に、心臓をドキドキさせながら羽織ものを取りにベッドへ戻った。羽織ものも、結局ドレスタイプだからあまり違わないけれど、ナイトドレスだけじゃスケスケで本当に心許ないんだ。

薄いものでも重なればなんとかなるだろう?と僕の思惑は上手くいったのか、どうなのか。鏡を見る暇もなく皇太子が近づいてきて、僕の手を引いて部屋のソファへ座らせられた。

皇太子は僕の方を向いて単刀直入に尋ねてきた。


「…それで?どうして令嬢のふりをして王宮に来たんだい?」

僕は何て言えばいいのか正直困った。実際結婚をしても良いとは思ったものの、その事を王子たちに告げるには僕の心の準備が足りなかった。それで王子たちを避けたかったからだと本人に言うのは気が引ける。

そもそも王様から婚姻の話は聞いてるだろうか?追い詰められた僕は皇太子にその事を聞いてみることにした。

「あの、王様から僕との事で何か聞いてますか?今回僕がエーデンへ出かけた事と関係があるんですけど…。」


すると皇太子は眉を顰めて、僕をじっと見つめると首を振った。

「…そう言えばマモルはエーデンへ家出したのだったな。怪生物に遭遇したとは聞いたが、忽然と消えた事もあり、それ以上詳しくはまだ聞いていないのだ。…それにリチャードとエーデンへ行ったのだろう?」

僕は自分で墓穴を景気良く掘った事に気がついた。何なら穴にダイナマイトをぶっ込んだくらいの墓穴だ。


僕は少し視線を彷徨わせて、僕をじっと見つめる皇太子から視線を外した。不味い。直視出来ない。目を合わせたら色々勘繰られてしまう。皇太子は王様になるだけあって、やっぱり色々手強いんだ。

僕の手がそっと皇太子に握られた。

「…マモル。私はマモルに何も無理強いはしないよ。それは私の望むものではないからね。ただ、マモルが私を信用してくれてないのかなと思うと辛いんだ。」


僕は不意に以前ディック先生が友人でもある皇太子について語った言葉を思い出した。

『彼が小さな望みを胸に抱いていることも知ってる。…彼は常に心から自分が愛し愛される相手を探している。私は王というのは、一見華やかだが、自分を押し殺して自由に生きられないという大きな代償を払うのだと思う。

だから望んでも普通には生きられないアスランにとって、本当の愛を得るという唯一の望みが叶うといいなと思っているんだよ。』


僕は目の前で僕をじっと見つめるアスラン皇太子は、僕に愛されたいと望んでいるのだろうかと、その答えが分かるかもしれないとじっと見つめ返したんだ。
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