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修羅場ですか
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ロービンとアーチストが待っているカフェに向かっていたはずだけど、僕は先輩らしい獣人三人に囲まれている。僕は同じ学年の学生達とは随分仲良くなったけれど、さすがに先輩達とはまだそこまでじゃない。
目の前の三人は見た事はあるけれど、話した事は無かった。三人がひと言も発しないで僕のことを見つめるばかりなので、僕は思い切って言った。
「…あの、僕に何か用ですか?」
僕が喋ると三人は顔を見合わせてから、僕に話し始めた。
「君さ、王族の誰かとお付き合いをしているの?」
僕は考えもしなかった事を尋ねられたので、呆気に取られた。もちろんお付き合いなど…、ん?この世界のお付き合いってどんな事をいうのか聞いた方が良いだろうか。
僕の考えるお付き合いと内容が違ったら問題勃発だ。
「…あの、お付き合いってどんな事をしたらお付き合いになりますか?僕はパンダ族で、この国とは常識が少し違うので誤解があったら困ると思ってお尋ねしているんですけど。
あと、どうしてそんな事を僕に訊ねるんですか?」
すると腕を組んでいた、すらりとした綺麗な顔の先輩が苦々しく僕を睨んで言った。
「君さ、目障りなんだよ。夏の夜で皇太子に目をかけられたっていうのに、第二王子のリチャード殿下とも一緒に居るのを見たって彼が言うものだから、確認しようと思ったんだ。
私たちは将来的に、王妃はダメでも側妃になれる様に日々努力してるんだ。それなのに、ポッと出の、何処の誰とも分からない君に邪魔されたんじゃ、全くかなわない。
…大体、君って、ちょっと可愛い子供っぽい顔をしてるだけで、色気もないし、プロポーションも悪い。貧相な奴じゃないか。図々しいんだよ。」
僕は今、どうも先輩達に突き上げをくらってるらしい。これがよくある校舎の裏での修羅場的なものかな。ここは結構目立つ場所だけど。僕たちをチラチラ見ながら、さっきから学生達がヒソヒソしながら通り過ぎて行く。
僕は、何とかこの場を落ち着かせようと、先輩達をなだめるように言った。
「先輩、あの、僕は別に誰とも付き合っていません。王族とはたまたま領地でのある件で関わりがあっただけなんです。」
うん、嘘は言ってない。実際誰とも恋人な訳じゃないし。…キスとかはしたけど。あれってスキンシップでしょ。僕が困っていると、カフェの方からロービン達が急いでやって来るのが見えた。
あ、助けがきたみたいだ。僕がホッとしてそちらを見たのが悪かったのか、気づけば僕はその綺麗な先輩に平手打ちを浴びていたんだ。何でだ。
目の前の三人は見た事はあるけれど、話した事は無かった。三人がひと言も発しないで僕のことを見つめるばかりなので、僕は思い切って言った。
「…あの、僕に何か用ですか?」
僕が喋ると三人は顔を見合わせてから、僕に話し始めた。
「君さ、王族の誰かとお付き合いをしているの?」
僕は考えもしなかった事を尋ねられたので、呆気に取られた。もちろんお付き合いなど…、ん?この世界のお付き合いってどんな事をいうのか聞いた方が良いだろうか。
僕の考えるお付き合いと内容が違ったら問題勃発だ。
「…あの、お付き合いってどんな事をしたらお付き合いになりますか?僕はパンダ族で、この国とは常識が少し違うので誤解があったら困ると思ってお尋ねしているんですけど。
あと、どうしてそんな事を僕に訊ねるんですか?」
すると腕を組んでいた、すらりとした綺麗な顔の先輩が苦々しく僕を睨んで言った。
「君さ、目障りなんだよ。夏の夜で皇太子に目をかけられたっていうのに、第二王子のリチャード殿下とも一緒に居るのを見たって彼が言うものだから、確認しようと思ったんだ。
私たちは将来的に、王妃はダメでも側妃になれる様に日々努力してるんだ。それなのに、ポッと出の、何処の誰とも分からない君に邪魔されたんじゃ、全くかなわない。
…大体、君って、ちょっと可愛い子供っぽい顔をしてるだけで、色気もないし、プロポーションも悪い。貧相な奴じゃないか。図々しいんだよ。」
僕は今、どうも先輩達に突き上げをくらってるらしい。これがよくある校舎の裏での修羅場的なものかな。ここは結構目立つ場所だけど。僕たちをチラチラ見ながら、さっきから学生達がヒソヒソしながら通り過ぎて行く。
僕は、何とかこの場を落ち着かせようと、先輩達をなだめるように言った。
「先輩、あの、僕は別に誰とも付き合っていません。王族とはたまたま領地でのある件で関わりがあっただけなんです。」
うん、嘘は言ってない。実際誰とも恋人な訳じゃないし。…キスとかはしたけど。あれってスキンシップでしょ。僕が困っていると、カフェの方からロービン達が急いでやって来るのが見えた。
あ、助けがきたみたいだ。僕がホッとしてそちらを見たのが悪かったのか、気づけば僕はその綺麗な先輩に平手打ちを浴びていたんだ。何でだ。
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