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友情の証

僕にも?

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リチャードは少し赤らんだ顔で大きくため息をつくと、手をすっかり温くなったお湯で流して、タオルで拭きながら言った。

「…とても気持ちが良かったよ。手を揉むことで身体がこんなにリラックスするとは思わなかった。マモルの国は随分と我々とは違うね。

マモルもこのマッサージが好きなんだろう?今度は見よう見まねだが、私がマモルにマッサージしてあげよう。さぁ、手を出して。」


なんと、リチャードが僕の手をマッサージしてくれるって言うんだ。良いのかな…。僕が言えた立場じゃないけど、伯爵に見つかったら怒られそう。

僕がチラッと温室の入り口を見ると、リチャードは口元を緩めて言った。

「伯爵なら、多分今急用で当分こちらには戻って来ないと思うよ?」


僕は少しだけ胡乱な眼差しでリチャードを見つめた。まさか、リチャードはわざと伯爵が忙しくなる様に図ったんじゃないよね?流石にリチャードにそこまでの力はないかな?

アボード家は子爵だから、いくら王族の影を司ると言ってもね…。僕は頭をよぎったあれこれをサッと振り払って、リチャードの誘惑に乗ることにした。


実際、僕もマッサージするよりされたい。あの気持ちよさは何とも言えないからね。特にリチャードの様に大きな手で揉み込まれたら、めちゃくちゃ気持ち良さそうだ。

もしかして痛いかもしれない。僕は一瞬不安になって、リチャードに頼んだ。

「あの、お願いします。僕、このマッサージは大好きなんです。…でも、リチャードさんのは大きくて逞しいから、僕、壊されちゃいそう…。

痛くない様に、優しくお願いしますね?」


僕がリチャードを見上げてお願いすると、リチャードは急に顔を赤らめたかと思うと、横を向いて何か呟いた。そして、今度は妙に目を光らせて選んだ薔薇のオイルを両手にたっぷりと垂らした。

時々、リチャードは瞳の色が変わるけど、今もいつもの明るい茶色ではなくて、金色に見える。僕はその美しい瞳に魅入られる様にぼうっとしていた。


リチャードの視線が下りると、僕も一緒に自分の手がリチャードに包まれるのをぼんやりと眺めた。きっとリチャードは仕事ができる男なんだろう。

見ていただけなのに、すっかりマッサージを習得していた。オイルの助けを借りて柔らかく、でも時々強くもみこまれて、僕は思わず気持ちよさに呻いてしまった。



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