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公開演習
秘密
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ディック先生が僕の種族を知らなかったら、伯爵が教えてないって事だ。でも先日、リットン伯爵はこう言ってたっけ。
『マモルが擬態してるパンダ族は、そもそもこの世界には存在しないんだ。もちろん人間もだが。だから信用できる獣人にならパンダ族と公にしても良いだろう。どうせ知ったとしてもどうにもならないだろうから。
ただ、あまり知れ渡ると変に関心を引く事になるから、教える獣人は選んだほうが良い。マモルにとって有益な相手ならば、教える事で色々味方になってもらえるだろう?』
伯爵は何だかやり手の業界人のような事を言ってて、ちょっと笑ってしまったけれど、今、目の前にいるディック先生は、信用できて有益な相手になるかもしれない。
僕はにっこり微笑むと口を開いた。
「ディック先生には教えてあげようかな…?実は僕は…。」
丁度その時、ドーンと空気を振動させる花火のようなものが空に上がった。僕はびっくりして思わずディック先生の腕にしがみついた。
「な、何⁉︎」
ディック先生はしがみついた僕の手に、自分の手を重ねると落ち着かせる様に優しく言った。
「公開演習の始まりの合図だ。先ずは競技場で前もってクジで引かれた相手同士を五組づつ戦わせる。それを全員が終わるまでやるんだ。勝った者がまたクジで闘う相手を決める。それの繰り返しで最終的に五組選んで、決勝だ。
…マモルの大事な話は、二人きりの時に聞こう。だいぶ観覧席に獣人が集まってきたからね?あまり聞かれると困るんだろう?」
僕はディック先生の顔を見上げながら、さすが博識な大人は洞察力が凄いなと感心して頷いた。そしてまだディック先生に手を握られてる事に気づくと慌てて身体を離した。
今気づいたけれど、何となく周囲の学生たちが僕たちのことをコソコソと噂してる気がした。僕、もしかしてディック先生に馴れ馴れしくしすぎて、迷惑をかけてしまったのかもしれない。
この世界にも未成年淫行みたいな事は有るのだろうか。はたから見たら、さっきの僕たちは妙にイチャイチャしてる様に見えたかもしれない。ああ、僕またやらかしたのかなぁ。
「先生、僕ご迷惑を掛けちゃいましたよね?ごめんなさい…。」
落ち込んだ僕に、ディック先生は微笑んで僕の頭を撫でなから言った。
「全然大丈夫。マモルは始まりの合図に驚いただけ、だろう?」
僕はホッとして頷いたけれど、競技場の方を見ながらふと思い出していた。合図の前に僕、ディック先生の身体を撫で回してたよね?もしかして不味かったかな…。その手のことに煩いロービンが見てないと良いけど…。
『マモルが擬態してるパンダ族は、そもそもこの世界には存在しないんだ。もちろん人間もだが。だから信用できる獣人にならパンダ族と公にしても良いだろう。どうせ知ったとしてもどうにもならないだろうから。
ただ、あまり知れ渡ると変に関心を引く事になるから、教える獣人は選んだほうが良い。マモルにとって有益な相手ならば、教える事で色々味方になってもらえるだろう?』
伯爵は何だかやり手の業界人のような事を言ってて、ちょっと笑ってしまったけれど、今、目の前にいるディック先生は、信用できて有益な相手になるかもしれない。
僕はにっこり微笑むと口を開いた。
「ディック先生には教えてあげようかな…?実は僕は…。」
丁度その時、ドーンと空気を振動させる花火のようなものが空に上がった。僕はびっくりして思わずディック先生の腕にしがみついた。
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ディック先生はしがみついた僕の手に、自分の手を重ねると落ち着かせる様に優しく言った。
「公開演習の始まりの合図だ。先ずは競技場で前もってクジで引かれた相手同士を五組づつ戦わせる。それを全員が終わるまでやるんだ。勝った者がまたクジで闘う相手を決める。それの繰り返しで最終的に五組選んで、決勝だ。
…マモルの大事な話は、二人きりの時に聞こう。だいぶ観覧席に獣人が集まってきたからね?あまり聞かれると困るんだろう?」
僕はディック先生の顔を見上げながら、さすが博識な大人は洞察力が凄いなと感心して頷いた。そしてまだディック先生に手を握られてる事に気づくと慌てて身体を離した。
今気づいたけれど、何となく周囲の学生たちが僕たちのことをコソコソと噂してる気がした。僕、もしかしてディック先生に馴れ馴れしくしすぎて、迷惑をかけてしまったのかもしれない。
この世界にも未成年淫行みたいな事は有るのだろうか。はたから見たら、さっきの僕たちは妙にイチャイチャしてる様に見えたかもしれない。ああ、僕またやらかしたのかなぁ。
「先生、僕ご迷惑を掛けちゃいましたよね?ごめんなさい…。」
落ち込んだ僕に、ディック先生は微笑んで僕の頭を撫でなから言った。
「全然大丈夫。マモルは始まりの合図に驚いただけ、だろう?」
僕はホッとして頷いたけれど、競技場の方を見ながらふと思い出していた。合図の前に僕、ディック先生の身体を撫で回してたよね?もしかして不味かったかな…。その手のことに煩いロービンが見てないと良いけど…。
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