66 / 67
変わるもの、変わらないもの
想像より甘い初夜※
しおりを挟む
透けるベッド周りのドレープの向こうに照らされたランプの灯りが揺らめいて、今夜を美しく彩っている様な気がする。僕は今夜を楽しみにしていた。エルに目覚めさせられた身体は、この結婚を待ち望むものにさせた。
それはエルの策略だったのかもしれないし、僕はまんまと罠に嵌ったのかも知れなかった。けれどもありのままの僕で良いと言ってくれるエルをいつの間にか愛してしまっていたし、エルの瞳の中に燃える様な僕への感情を目にすると、ゾクゾクする様な興奮も感じた。
薄いナイトドレスのまま、かき抱かれてベッドに横たわると、エルと僕は馬鹿みたいに口づけにのめり込んだ。もう、ここが何処だとか、時間を気にする事もなく、真っ直ぐにお互いを求め合って良いんだ。
呻く様な口づけをされてぼんやりとしてしまった僕からエルが顔を引き剥がすと、ゆっくりとナイトドレスのリボンを解いた。リボン二箇所で止まっていたこのドレスは、まさにこんな夜の為のドレスなんだろう。
すっかり張り詰めた胸はいつもより重く感じたし、僕をギラついた眼差しでゆっくりと視姦するエルを見ているだけで、僕は口の中に唾液が溜まってしまう。
「…綺麗だ。アルの裸を見る度にこんなに美しかっただろうかと思ってしまう。君の全てが私だけのものだと思うと、なんて言うか、そう、感動する。」
僕はコクリと喉を鳴らして肘を立てて起き上がるとエルに手を伸ばした。
「いつまで待たせるつもり?僕にもエルを見せて?」
するとニヤリと笑ったエルが、ゆっくりとベッドに膝立つと滑らかな生地のローブを脱いだ。美しくも逞しい身体はなめらかな上質の革の様で艶があった。そして臍に伸び上がる髪より濃い色の柔らかな体毛が、まるで美しい装飾の様に張り詰めた昂りを際立たせていた。
触れても大きかったけれど、こうして見てみると大きくてびっくりする。そしてなんていやらしいんだろう。僕はお腹の奥がギュッと締め付けられる気がした。
知らず腿を擦りつけた様子を見ていたエルが僕に言った。
「アルが私を欲しがっているのが分かると、私も流石に余裕がない。裸の鑑賞会はまたの機会にしよう。」
そう言ってベッドの上の僕にのしかかってきた。それからエルが僕にしたのは何だっただろう。エルの繰り出す指や舌は僕を追い詰めて焦らした。
感じやすい胸の先がジンジンするくらい虐められると、僕の内腿にはヌルヌルとエルの指先を濡らした。舌と指でバカみたいに喘がされて、僕はも一瞬でも耐えられなかった。
「アル、私を見るんだ。今からアルの処女を私のものにする。春の空を持つアルは私のもの。私はアルのものだ。」
そう蕩けるような星の入った濃灰色の瞳で見つめられて、僕は少し開けたエルの唇を舌で舐めて言った。
「して…。もう待たせないで。」
直ぐに圧迫感が僕のあそこを征服してきた。何度もゆっくり容赦なくエルに出し挿れされると、僕は抱き付かなくては居られない。エルのくれる激しい口づけが、少しの痛みを散らしてくれた。
それから一気に挿れられた気がして、僕は大きく呻いた。
「私達はひとつになったよ、アル。愛してる。…でもこれからが本番なんだ。ちょっと頑張ってくれ。」
そう言われてからの僕は、只々エルに翻弄されて、そして圧倒される気持ち良さに引き立てられて甘く叫ぶしか出来なかった。しかもその絶頂はエルの指先で何度も引っ張られて、結局僕は息も絶え絶えになってしまった。
エルが大きく吠えて僕の中に子種を出すのを感じると、僕は愛しさというものがこういうものなのだと、胸を満たすその愛に微笑んだ。汗ばんだエルが僕に倒れ込むと、僕はエルの肩に唇を押し当てて囁いた。
「エル、…後でもう一度してくれる?」
それはエルの策略だったのかもしれないし、僕はまんまと罠に嵌ったのかも知れなかった。けれどもありのままの僕で良いと言ってくれるエルをいつの間にか愛してしまっていたし、エルの瞳の中に燃える様な僕への感情を目にすると、ゾクゾクする様な興奮も感じた。
薄いナイトドレスのまま、かき抱かれてベッドに横たわると、エルと僕は馬鹿みたいに口づけにのめり込んだ。もう、ここが何処だとか、時間を気にする事もなく、真っ直ぐにお互いを求め合って良いんだ。
呻く様な口づけをされてぼんやりとしてしまった僕からエルが顔を引き剥がすと、ゆっくりとナイトドレスのリボンを解いた。リボン二箇所で止まっていたこのドレスは、まさにこんな夜の為のドレスなんだろう。
すっかり張り詰めた胸はいつもより重く感じたし、僕をギラついた眼差しでゆっくりと視姦するエルを見ているだけで、僕は口の中に唾液が溜まってしまう。
「…綺麗だ。アルの裸を見る度にこんなに美しかっただろうかと思ってしまう。君の全てが私だけのものだと思うと、なんて言うか、そう、感動する。」
僕はコクリと喉を鳴らして肘を立てて起き上がるとエルに手を伸ばした。
「いつまで待たせるつもり?僕にもエルを見せて?」
するとニヤリと笑ったエルが、ゆっくりとベッドに膝立つと滑らかな生地のローブを脱いだ。美しくも逞しい身体はなめらかな上質の革の様で艶があった。そして臍に伸び上がる髪より濃い色の柔らかな体毛が、まるで美しい装飾の様に張り詰めた昂りを際立たせていた。
触れても大きかったけれど、こうして見てみると大きくてびっくりする。そしてなんていやらしいんだろう。僕はお腹の奥がギュッと締め付けられる気がした。
知らず腿を擦りつけた様子を見ていたエルが僕に言った。
「アルが私を欲しがっているのが分かると、私も流石に余裕がない。裸の鑑賞会はまたの機会にしよう。」
そう言ってベッドの上の僕にのしかかってきた。それからエルが僕にしたのは何だっただろう。エルの繰り出す指や舌は僕を追い詰めて焦らした。
感じやすい胸の先がジンジンするくらい虐められると、僕の内腿にはヌルヌルとエルの指先を濡らした。舌と指でバカみたいに喘がされて、僕はも一瞬でも耐えられなかった。
「アル、私を見るんだ。今からアルの処女を私のものにする。春の空を持つアルは私のもの。私はアルのものだ。」
そう蕩けるような星の入った濃灰色の瞳で見つめられて、僕は少し開けたエルの唇を舌で舐めて言った。
「して…。もう待たせないで。」
直ぐに圧迫感が僕のあそこを征服してきた。何度もゆっくり容赦なくエルに出し挿れされると、僕は抱き付かなくては居られない。エルのくれる激しい口づけが、少しの痛みを散らしてくれた。
それから一気に挿れられた気がして、僕は大きく呻いた。
「私達はひとつになったよ、アル。愛してる。…でもこれからが本番なんだ。ちょっと頑張ってくれ。」
そう言われてからの僕は、只々エルに翻弄されて、そして圧倒される気持ち良さに引き立てられて甘く叫ぶしか出来なかった。しかもその絶頂はエルの指先で何度も引っ張られて、結局僕は息も絶え絶えになってしまった。
エルが大きく吠えて僕の中に子種を出すのを感じると、僕は愛しさというものがこういうものなのだと、胸を満たすその愛に微笑んだ。汗ばんだエルが僕に倒れ込むと、僕はエルの肩に唇を押し当てて囁いた。
「エル、…後でもう一度してくれる?」
9
お気に入りに追加
338
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
オレの愛しい王子様
瑞原唯子
恋愛
ずっと翼のそばにいて、翼を支える——。
幼いころ創真はひとりの少女とそう約束を交わした。
少女はいつしか麗しい男装で王子様と呼ばれるようになるが、
それでも創真の気持ちはあのころのまま変わらない。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる