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変わるもの、変わらないもの
我慢できない!※
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さっきとは違うその気持ち良さに、僕はエルの肩に回した指先に力を込めた。もう何も考えられない。僕に与えてくれるエルの繰り出す動きに、只々翻弄されていた。
小さく聞こえる水音は僕たちが出しているのだと気づくまではそう時間は掛からなかった。それに気づくと、のぼせる様な快感が僕を疼かせる。
「えるっ、あっ、いいっ、もっと!」
自分の喉から出る声は、掠れていて恥ずかしくなるくらい甘えている。けれどもエルはそんな僕の顔を真剣な表情で見つめていた。その怖い様な眼差しに、僕は思わず自分から首を伸ばして唇を吸った。
途端にピタリと動きが止まって、エルの舌が僕の口の中を蹂躙した。僕はその圧倒的な欲望なのか愛なのか、それとも両方なのか、もう考える事を放棄して、自分からもエルの舌に絡みついた。
脚の間に感じるエルの逸物がグッと大きく育った気がして、僕は待ちきれずに腰を揺らめかせた。エルは額から汗を滴らせてトロリとした銀色の瞳で僕の目を覗き込んだ。
「ああ、アルの中に入りたくて堪らないよ。こんなに欲しがっているのに、お預けなんて天国と地獄を一気に体験している様だ。」
そう苦し気に呟きながら、僕に腰を押し付けた。僕はビクンと自分が跳ねるのを感じながらどうして駄目なのかと思った。僕たちは婚約していて、近いうちに結婚するのに…!そのときの僕の頭の中は欲望が支配していて、それを手に入れなければ死んでしまう気がした。
「エル、何でダメなの?僕欲しいよ、エルのこれ。もっと気持ち良いでしょ?挿れて?ちょっとだけで良いから。」
僕は必死になってエルに頼んでいた。前に僕の中をなぞったエルの指を思い出して、あの時の気持ち良さを今感じたかった。エルは僕の首筋に顔をうずめて、大きく息を吸い込んで何かぶつぶつ言っていた。
そしてやおら顔を上げると、赤らんだ顔で僕に囁いた。
「まったく、アルはアルだ。他の誰でもない。私はあの時から君を愛する気持ちを止められない。‥ではお望み通り少しだけ、少しだけ挿れようか。」
そう言うと、少し身を起こして僕の胸の先端を甘やかに唇で引っ張ると、僕の腿を両手で抱え上げてゆっくりと自分のそれでなぞった。それはさっきと同じようで、何処か違っていた。
自分でも欲しがっている場所がひくつくのを感じて、僕の身体は無意識にエルを受け入れようと強請っているみたいだった。次の瞬間圧倒的な重量のそれが僕の中をこじ開けようとしているのが分かって、僕は一気に我に返った。
異物感に目を見開くと直ぐにエルの顔が僕に重なって、もう一度僕は蕩けるような口づけに気を散らした。さっきの気持ち良さと異物感とが交互に感じられて、でも興奮が僕をその先に進ませた。
「える、もっと、お願い!」
引きつれるような痛みとエルの圧倒的な力強さに、僕の中にエルが入ってきたのが分かった。エルが息を堪えてゆっくりとでも確実に僕の中で動き出した。僕はもう何が何だか分からなくて、でも僕たちが結ばれたのだと思った。
不意に圧迫感が無くなって、僕の敏感な場所を激しく擦り付けられて僕は痺れる様な快感に放り出された。同時にドクドクと脈打つエルの逸物から温かなものが僕の腹を濡らすのを感じた。
「える…。」
僕が目を閉じながら囁くと、やさしく頬に唇を寄せてエルが言った。
「アル、愛してる。」
僕は顔に触れる優しい唇にクスッと笑って、瞼を開けて僕を見つめるエルに尋ねた。
「僕もエルが好きだよ…。ね、僕たち結ばれたの?」
するとエルが苦笑して、残念そうに言った。
「そうとも言えるし、そうだとも言えない。アルの願い通り、ちょっとだけ挿れただけだから。」
僕はエルの言葉に目を大きく見開いて、言葉が出なかった。あれがちょっとだけなの!?えぇ!?
小さく聞こえる水音は僕たちが出しているのだと気づくまではそう時間は掛からなかった。それに気づくと、のぼせる様な快感が僕を疼かせる。
「えるっ、あっ、いいっ、もっと!」
自分の喉から出る声は、掠れていて恥ずかしくなるくらい甘えている。けれどもエルはそんな僕の顔を真剣な表情で見つめていた。その怖い様な眼差しに、僕は思わず自分から首を伸ばして唇を吸った。
途端にピタリと動きが止まって、エルの舌が僕の口の中を蹂躙した。僕はその圧倒的な欲望なのか愛なのか、それとも両方なのか、もう考える事を放棄して、自分からもエルの舌に絡みついた。
脚の間に感じるエルの逸物がグッと大きく育った気がして、僕は待ちきれずに腰を揺らめかせた。エルは額から汗を滴らせてトロリとした銀色の瞳で僕の目を覗き込んだ。
「ああ、アルの中に入りたくて堪らないよ。こんなに欲しがっているのに、お預けなんて天国と地獄を一気に体験している様だ。」
そう苦し気に呟きながら、僕に腰を押し付けた。僕はビクンと自分が跳ねるのを感じながらどうして駄目なのかと思った。僕たちは婚約していて、近いうちに結婚するのに…!そのときの僕の頭の中は欲望が支配していて、それを手に入れなければ死んでしまう気がした。
「エル、何でダメなの?僕欲しいよ、エルのこれ。もっと気持ち良いでしょ?挿れて?ちょっとだけで良いから。」
僕は必死になってエルに頼んでいた。前に僕の中をなぞったエルの指を思い出して、あの時の気持ち良さを今感じたかった。エルは僕の首筋に顔をうずめて、大きく息を吸い込んで何かぶつぶつ言っていた。
そしてやおら顔を上げると、赤らんだ顔で僕に囁いた。
「まったく、アルはアルだ。他の誰でもない。私はあの時から君を愛する気持ちを止められない。‥ではお望み通り少しだけ、少しだけ挿れようか。」
そう言うと、少し身を起こして僕の胸の先端を甘やかに唇で引っ張ると、僕の腿を両手で抱え上げてゆっくりと自分のそれでなぞった。それはさっきと同じようで、何処か違っていた。
自分でも欲しがっている場所がひくつくのを感じて、僕の身体は無意識にエルを受け入れようと強請っているみたいだった。次の瞬間圧倒的な重量のそれが僕の中をこじ開けようとしているのが分かって、僕は一気に我に返った。
異物感に目を見開くと直ぐにエルの顔が僕に重なって、もう一度僕は蕩けるような口づけに気を散らした。さっきの気持ち良さと異物感とが交互に感じられて、でも興奮が僕をその先に進ませた。
「える、もっと、お願い!」
引きつれるような痛みとエルの圧倒的な力強さに、僕の中にエルが入ってきたのが分かった。エルが息を堪えてゆっくりとでも確実に僕の中で動き出した。僕はもう何が何だか分からなくて、でも僕たちが結ばれたのだと思った。
不意に圧迫感が無くなって、僕の敏感な場所を激しく擦り付けられて僕は痺れる様な快感に放り出された。同時にドクドクと脈打つエルの逸物から温かなものが僕の腹を濡らすのを感じた。
「える…。」
僕が目を閉じながら囁くと、やさしく頬に唇を寄せてエルが言った。
「アル、愛してる。」
僕は顔に触れる優しい唇にクスッと笑って、瞼を開けて僕を見つめるエルに尋ねた。
「僕もエルが好きだよ…。ね、僕たち結ばれたの?」
するとエルが苦笑して、残念そうに言った。
「そうとも言えるし、そうだとも言えない。アルの願い通り、ちょっとだけ挿れただけだから。」
僕はエルの言葉に目を大きく見開いて、言葉が出なかった。あれがちょっとだけなの!?えぇ!?
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