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心境の変化

ラファエルの尋問

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「やあ、私の可愛い許嫁は顔色も良くて元気そうだね。」

僕はラファエルが白々しく学院へ潜入した僕の事を、知らぬふりを決め込んでいる事に眉を上げて言った。

「ええ。ラファエル様のおかげで今やジェイクと恋仲なんですわ。」

するとラファエルは眉を顰めて呟いた。

「…なるほど?ジェイクは指令をやり過ぎた様だな。」


僕はラファエルの空気がガラリと変わるのを感じて慌てて言った。

「ジェイクは僕がアンドレアだって知らないでしょう?ラファエル様にを守る様に命じられたから、リカルド様から自分の身を犠牲にして僕と恋人のフリをして守ってるだけです。おかげで自分にはもう見合い話は来ないとぼやいてます。」

思わず学院用の言葉使いになって口を押さえた僕に、ラファエルは微笑んで言った。


「そうなのか?…そんな口ぶりをしていると、初めて出会った頃の君を思い出すね。私は最初君が男の子だと思ったんだ。自分の失敗で雛を巣から落としてショックを受けていた私のために、君はスルスルと木に登って雛を巣に返してくれた。

あの時君は輝く様な笑顔で私に言った。『エル、大丈夫だよ、もう笑って?』と。私は君のその笑顔に心臓を掴まれた気分だった。それから一緒に過ごすうちにその気持ちは恋だと思ったし、男の子に恋した自分にショックを受けたんだ。

大人になれば、性別など愛の前に無意味だと分かったけれど、少年だった自分には超えられない壁だった。だから帰り際に君の兄上のフレッドからアルはアンドレアで妹だと聞いてどんな気持ちになったか分かるかい?

私は絶対君を手に入れようと決めたんだ。そしてこうして目の前に君がいる。私にとっては性別関係なく、君であるから愛しているんだ、アンドレア。…それともアルかな?」


僕は呆然とラファエルを見つめていた。…僕がアルでもいいって事?混乱した僕にラファエルは近づいて来て腰に手を回して言った。

「けれど君に会う度に美しさが増していくのを見ると、このままアルとして学院に通わせておくべきか迷うね。ジェイクとも恋仲なんだろう?」

僕はとろりとした灰色の瞳に囚われて、口が聞けなかった。今知った事実がじわじわと身体に沁みていた。僕は頑張って目を逸らすと、ポツリと呟いた。


「ジェイクとはフリをしてるだけです。何もしてません。」

すると僕の頬に柔らかく唇を押し当てて囁いた。

「…口づけも?」

僕はぎこちなく頷いた。するとラファエルが僕をグッと引き寄せて言った。

「では、その証拠を調べてみようか。」

僕を甘い眼差しで見つめたラファエルが、思わず顔を戻した僕の顎を上に向けると柔らかく唇を押し当てた。




★お知らせ★

『カワウソの僕、異世界を無双する』本日本編完結いたしました♡コツメカワウソの可愛さが書きたかっただけの(笑)このほのぼのBL、ワクワクとニヤニヤが沢山詰まって、15万字で長編ですがサクサク読めます♪

番外編も引き続き書きますのでよろしくお願いします♡

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