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学院生活

ラファエルの頼み※

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ラファエルとの口づけでぼんやりとしていた僕に、ラファエルは僕の胸をドレスの上から指先でなぞりながら甘く囁いた。

『滅多に会えない私の慰めに、君の胸に口づけさせてくれないか、アンドレア。』

その言葉は僕を一気に熱くさせた。さっきから焦らされる様に与えられた気持ち良さは疼きを生み出していたし、僕はやっぱり令嬢としてのアンドレアである前にアルだった。この満たされない疼きを何とかして欲しいと強く願ったのはアルだったと思う。


そしてラファエルの言葉は僕に言い訳の余地も与えた。ラファエルにアルとしての学院生活を邪魔されないために願いを叶えてやるべきだって。もう欲望と好奇心しか残っていなかった僕は、思わず頷いてしまった。

するとラファエルは灰色のとろりとした色の瞳を光らせて僕と目を合わせながら、ボタンをひとつづつ外した。抑えられた胸が放たれると、自分でも小さいと知っている胸が何だか大きく張り詰めた気がして、一気に恥ずかしさが襲って来た。さっきまでの大胆な自分の行動が今となっては信じられない。


「アル…。君の可愛い胸は何て美しいんだ。」

そう優しくラファエルに名前を呼ばれて、僕は背けた顔をラファエルへ向けた。嬉しげにうっとりと僕の白い胸に唇を押し当てながら、それでも僕と目を逸らそうとしない。僕はじわじわと焼け付く様な疼きを感じた。

それはラファエルの指先が僕の胸のてっぺんに触れているせいかもしれないし、ラファエルの眼差しに囚われているせいかもしれなかった。


「ラファエル、恥ずかしい…よ。」

僕の無意識に出た言葉に、ラファエルは伸び上がって僕の唇をもう一度舌でなぞった。僕はなぜかそれに安心して自分からラファエルを欲しがった。ラファエルの喉の奥で鳴ったのは笑い声なのか、興奮した息遣いだったのか分からないけれど、僕たちはもう一度深く味わい合った。

素肌に触れるラファエルの指先が胸をなぞって、僕はますます疼きが収まらない。思わずラファエルの口の中で喘いでしまった。


すると顔を引き剥がしたラファエルが僕の首から胸へと唇を這わしながら、ついには胸のてっぺんへ甘やかに唇を押し当てた。自分でも初めてのはずなのに、その甘美な感覚に僕は甘くねだる様に声を立てた。

ラファエルが僕の胸に口づけ続けるせいで、僕は銀色のうねる髪に指先を差し込んで強く握って甘い息を吐き続けた。気づけば僕は抱き起こされていて、ドレスのボタンとリボンをラファエルの器用な指先で整えられていた。


ラファエルは僕のミルクティー色の巻き毛を掬い上げて口づけると、とろける様な眼差しで僕を見つめて言った。

「アル、私は可愛い君にますます溺れてしまいそうだよ。心配だな、こんなに簡単に印をつけさせるなんて。他の男にはさせちゃダメだよ?」

そう言ってラファエルは怖いくらい真剣な眼差しで僕を見つめた。








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