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生活の変化

許嫁と対決、何で?

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オリバー兄様の無茶ぶりのせいで、僕と許嫁の侯爵令息のラファエルが剣を交えることになった話は、あっという間に周囲に広がって、ギャラリーが気のせいかどんどん増えていく。元々今日は昨日招待出来なかった人達への誕生日のお披露目日でもあった。

いつも僕と訓練していた仲間の顔も多いけれど、御令嬢たちも来てるのは一体どう言うことなんだろう。僕はいつもと違う騎士服に顔を顰めて、マリーと一つ年下の仲良しのマチルダに不満を言った。


「ねえ、これで戦うってマジで?」

そう言って着せられた服を見下ろした。いつもの令息達と同じ膝下の物ではなく、妙に短い腿までのズボンに、ふわりとしたヒラヒラ付きのベストを合わせてある。

「ゴホン。アンドレア様お言葉遣いも気をつけて下さいまし。これも奥様が用意してくださったのですよ。」

マチルダはうっとりと僕を見て言った。

「アンドレア様、素敵です!可愛いのにカッコいいなんて、ドキドキしちゃいます。」


僕は肩をすくめて、サラサラ黒髪のマチルダのニンマリした顔を見て呟いた。

「…まぁ、カッコいいなら良いけどね。マチルダが僕を面白がってるのが気になるけど。マリー、髪は留めてくれるでしょ?僕の、えーと私の髪ふわふわして邪魔だからお願い。」

ぶつぶつ小言のとまらないマリーに髪をひとつに縛ってもらいながら、僕は鏡に映る自分の姿を見つめた。見ようによっては少女騎士の様に見えないこともない。剣をさせてもらえないよりは、ここは妥協点なのかもしれないと、肩のふんわりしたブラウスを顔を顰めて眺めた。


「ふふふ。アンドレア様がこんなに女の子っぽいのって、何だか笑っちゃいます。とっても似合うのに、イメージが違うっていうか。シド兄様が昨日のアンドレア様に度肝を抜かれた顔を、アンドレア様に見せてあげたかったですわ。

今日も朝からソワソワしちゃって、許嫁との決闘の話を聞いたら、満面の笑みで飛び出して行ったんですよ?」

僕は辺境伯の騎士団長の息子であるシドが、そんなに僕の窮状を楽しんでいるのかと思って、口を尖らせて言った。


「まったく、シドは…私の事面白がりすぎだろう。あいつらに笑われるから、顔を合わせるのは嫌だな。」

僕がそう言うと、マチルダとマリーは顔を見合わせて、肩をすくませて同情めいた表情で僕を見た。

「本当にね?アンドレア様の側にいるのは双刃の剣というのは、言い当て妙ですわね。お兄様もお可哀想に。さぁ、アンドレア様、そろそろ行きましょう。皆様が首を長くしてお待ちですわ。」

そう言って、マチルダは可愛い顔に似合わないニンマリした笑みを浮かべた。マチルダの言う事は時々訳がわからないな。









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