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誰を選ぶ?
ご褒美は待てば待つほど
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新の貪る様な口づけに、俺は只々絡め取られていた。あっという間に疼いて熱くなる身体は新の旨そうなフェロモンに刺激されて止まらなくなる。けれども不意に力づくで剥がされて、俺は欲求不満に呻いた。
指先が震えるのを感じながら、俺は引き剥がした叶斗を睨んだ。けれども、叶斗は肩をすくめて言った。
「はいはい、そこまで。こんな所で盛ったら勿体ないからね。俺たちの記念すべき番の誓約記念なんだから、空き教室で手取り早くするのはごめんだよ。俺はじっくり岳を味わいたいし。それに俺、まだ聞かなきゃいけない事あるんだけど。」
妙に冷静な叶斗に、すっかり興奮してしまった俺と新は顔を見合わせた。なんかいつもと立場が違うんだけど…。俺たちのそんな気持ちが伝わったのか、叶斗は咳払いして言った。
「…俺だって、そりゃ岳と目眩くイチャイチャぶっ込みたいよ。でもさ、番になるなら色々考えなくちゃいけない事あるだろ?岳はラビットケースって事で、番対象は一人って訳じゃないんだろ。
それって実際どういう事なの?具体的にどうするのか岳は桂木先生に聞いてるのか?俺たち絶対聞いておかなきゃ。」
そう言われてみれば、具体的な方法を聞いたわけじゃなかった。と言っても普通の番契約も首を噛んでというくらいのぼんやりとしたものしかイメージ出来てないけど。俺も思わず眉を顰めていると、新がぼそっと言った。
「…二人同時に噛むのは可能でも、射精しながらは無理だろ。いや、いけるか?」
俺は思わずブルリと震えて首を振った。無理無理無理!絶対無理!思わず二人から一歩後ずさって距離を取ってしまった。同時に二人が俺を見るから、俺は顔を強張らせて言った。
「確か、先生は複数の番って言ってた!二人以上だと思う!だからさ、ちゃんと話聞いてくるから!怖い事考えるのやめよ?」
思わず泣きが入ったのはしょうがないだろう。二人も肩をすくめて俺のことを壊したくないから何なら俺たちも一緒に話を聞くけどって言ってくれたけれど、流石に俺は一人で先に聞きたかった。思いもしない事を言われたら、ほんと命の危険もあり得るだろう?
叶斗は急にスッキリした顔でニンマリ笑うと、俺に楽しげに言った。
「良かった。それだけすげぇ気になってたから。‥じゃあ、選ばれし番の誓約記念のえっちは特別なものにしような?あと岳の発情期がそんな遠くない事だとすると、その時に番うのかどうかも岳によく考えてもらいたいし。
…俺は今すぐにでも岳と番いたいよ。」
そう急に真面目な顔をして叶斗が言うから、俺はドクンと心臓が震えた。すると俺の耳元に新が優しく口づけながら、甘く囁いた。
「ああ、俺もいつでもいいぜ。俺はお前のものだ。」
指先が震えるのを感じながら、俺は引き剥がした叶斗を睨んだ。けれども、叶斗は肩をすくめて言った。
「はいはい、そこまで。こんな所で盛ったら勿体ないからね。俺たちの記念すべき番の誓約記念なんだから、空き教室で手取り早くするのはごめんだよ。俺はじっくり岳を味わいたいし。それに俺、まだ聞かなきゃいけない事あるんだけど。」
妙に冷静な叶斗に、すっかり興奮してしまった俺と新は顔を見合わせた。なんかいつもと立場が違うんだけど…。俺たちのそんな気持ちが伝わったのか、叶斗は咳払いして言った。
「…俺だって、そりゃ岳と目眩くイチャイチャぶっ込みたいよ。でもさ、番になるなら色々考えなくちゃいけない事あるだろ?岳はラビットケースって事で、番対象は一人って訳じゃないんだろ。
それって実際どういう事なの?具体的にどうするのか岳は桂木先生に聞いてるのか?俺たち絶対聞いておかなきゃ。」
そう言われてみれば、具体的な方法を聞いたわけじゃなかった。と言っても普通の番契約も首を噛んでというくらいのぼんやりとしたものしかイメージ出来てないけど。俺も思わず眉を顰めていると、新がぼそっと言った。
「…二人同時に噛むのは可能でも、射精しながらは無理だろ。いや、いけるか?」
俺は思わずブルリと震えて首を振った。無理無理無理!絶対無理!思わず二人から一歩後ずさって距離を取ってしまった。同時に二人が俺を見るから、俺は顔を強張らせて言った。
「確か、先生は複数の番って言ってた!二人以上だと思う!だからさ、ちゃんと話聞いてくるから!怖い事考えるのやめよ?」
思わず泣きが入ったのはしょうがないだろう。二人も肩をすくめて俺のことを壊したくないから何なら俺たちも一緒に話を聞くけどって言ってくれたけれど、流石に俺は一人で先に聞きたかった。思いもしない事を言われたら、ほんと命の危険もあり得るだろう?
叶斗は急にスッキリした顔でニンマリ笑うと、俺に楽しげに言った。
「良かった。それだけすげぇ気になってたから。‥じゃあ、選ばれし番の誓約記念のえっちは特別なものにしような?あと岳の発情期がそんな遠くない事だとすると、その時に番うのかどうかも岳によく考えてもらいたいし。
…俺は今すぐにでも岳と番いたいよ。」
そう急に真面目な顔をして叶斗が言うから、俺はドクンと心臓が震えた。すると俺の耳元に新が優しく口づけながら、甘く囁いた。
「ああ、俺もいつでもいいぜ。俺はお前のものだ。」
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