50 / 197
オメガの自覚
尋問は避けられない
しおりを挟む
結局ジョンとは、俺もボール遊びで仲良くなった。それにしてもボールを咥えて戻ってくる時の嬉々としたジョンの顔の怖さったらない…。いや、ドーベルマン舐めてた。美しい犬には違いないけど、まだ怖いよ。ベルベットの様な毛並みは気持ち良いけどね。
俺は叶斗の部屋を見回した。お坊ちゃんらしい叶斗は部屋も豪華だった。20畳ほどの広さに専用シャワーブースやトイレも付いていて、まるでワンルームみたいだった。妙に大きなベッドと壁一面にPCや机、大きな液晶が備え付けられていた。
「へー、叶斗ん家って凄い金持ちなんだな。マイシャワーまであるなんて贅沢だ。」
俺がキョロキョロ部屋を彷徨いて感想を述べると、叶斗はニヤっと笑って言った。
「うちの親は番だからな。俺も部屋から出ない方が都合がいい時があるんだよ。」
納得した様子の高井とは違って、俺には何を意味しているのか分からなかった。眉を顰めていると、叶斗は笑いながら言った。
「親が番だと、子供が苦労するってことさ。Ωの発情期の時は両親が籠っちゃって、まぁ子供の頃から慣れたものだけど、それでも思春期の頃は微妙な気持ちになったからな。今は全然だけど。
微妙な気持ちの頃に、あまり家の中を彷徨かなくていい様にしてもらったらこんな部屋になった訳。ははは。」
俺はそもそも番になったαとΩに発情期が来ると具体的にどんな状態になるとかイメージ出来なかったので、曖昧に頷いた。すると高井が眉を顰めて俺に尋ねた。
「岳はレクチャー受けたんじゃないのか?」
その話は避けたかった…。こんな密室でしたくなかった。これだったら学校でした方が良かったのでは?そう俺が後悔する間も無く、叶斗が俺をベッドに引っ張りこんで、ボスンと弾んだ。
「そうそう。その話を今日聞こうと思って家に誘ったのもあるんだ。で?どんな話聞いたの?」
高井もベッドの前に座り心地の良さげな一人椅子を引っ張って来て、俺の脱走を阻止した。
「ど、どんなって?取り立ててお前たちに報告する様な話は無いけど…。」
すると高井は俺をじっと見つめて言った。
「いや、岳は変異Ωだ。一般的なΩとは違う事もあるんじゃないのか?それに分からない事は、俺たちのわかる範囲なら教えてやれるし。αの事もな。」
俺は、叶斗と高井の視線に耐えかねて白状する羽目になった。ああ、これって羞恥プレイじゃないのか?
俺は叶斗の部屋を見回した。お坊ちゃんらしい叶斗は部屋も豪華だった。20畳ほどの広さに専用シャワーブースやトイレも付いていて、まるでワンルームみたいだった。妙に大きなベッドと壁一面にPCや机、大きな液晶が備え付けられていた。
「へー、叶斗ん家って凄い金持ちなんだな。マイシャワーまであるなんて贅沢だ。」
俺がキョロキョロ部屋を彷徨いて感想を述べると、叶斗はニヤっと笑って言った。
「うちの親は番だからな。俺も部屋から出ない方が都合がいい時があるんだよ。」
納得した様子の高井とは違って、俺には何を意味しているのか分からなかった。眉を顰めていると、叶斗は笑いながら言った。
「親が番だと、子供が苦労するってことさ。Ωの発情期の時は両親が籠っちゃって、まぁ子供の頃から慣れたものだけど、それでも思春期の頃は微妙な気持ちになったからな。今は全然だけど。
微妙な気持ちの頃に、あまり家の中を彷徨かなくていい様にしてもらったらこんな部屋になった訳。ははは。」
俺はそもそも番になったαとΩに発情期が来ると具体的にどんな状態になるとかイメージ出来なかったので、曖昧に頷いた。すると高井が眉を顰めて俺に尋ねた。
「岳はレクチャー受けたんじゃないのか?」
その話は避けたかった…。こんな密室でしたくなかった。これだったら学校でした方が良かったのでは?そう俺が後悔する間も無く、叶斗が俺をベッドに引っ張りこんで、ボスンと弾んだ。
「そうそう。その話を今日聞こうと思って家に誘ったのもあるんだ。で?どんな話聞いたの?」
高井もベッドの前に座り心地の良さげな一人椅子を引っ張って来て、俺の脱走を阻止した。
「ど、どんなって?取り立ててお前たちに報告する様な話は無いけど…。」
すると高井は俺をじっと見つめて言った。
「いや、岳は変異Ωだ。一般的なΩとは違う事もあるんじゃないのか?それに分からない事は、俺たちのわかる範囲なら教えてやれるし。αの事もな。」
俺は、叶斗と高井の視線に耐えかねて白状する羽目になった。ああ、これって羞恥プレイじゃないのか?
39
お気に入りに追加
1,380
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
猫ばっかり構ってるからと宮廷を追放された聖女のあたし。戻ってきてと言われてももう遅いのです。守護結界用の魔力はもう別のところで使ってます!
友坂 悠
ファンタジー
あたし、レティーナ。
聖女だけど何もお仕事してないって追放されました。。
ほんとはすっごく大事なお仕事してたのに。
孤児だったあたしは大聖女サンドラ様に拾われ聖女として育てられました。そして特別な能力があったあたしは聖獣カイヤの中に眠る魔法結晶に祈りを捧げることでこの国の聖都全体を覆う結界をはっていたのです。
でも、その大聖女様がお亡くなりになった時、あたしは王宮の中にあった聖女宮から追い出されることになったのです。
住むところもなく身寄りもないあたしはなんとか街で雇ってもらおうとしますが、そこにも意地悪な聖女長さま達の手が伸びて居ました。
聖都に居場所の無くなったあたしはカイヤを連れて森を彷徨うのでした……。
そこで出会った龍神族のレヴィアさん。
彼女から貰った魔ギア、ドラゴンオプスニルと龍のシズクを得たレティーナは、最強の能力を発揮する!
追放された聖女の冒険物語の開幕デス!
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される

当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる