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社交界の華

伯爵一家の尋問

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なんて事でしょう。わたくしが調子に乗って赤裸々な相談をしていたお相手が、王弟閣下だったなんて!流石のわたくしもこの事実には驚かされましたわ。でも、わたくしの驚きとは別の驚きが、お父様達にはあったようですの。

デビュタントの舞踏会から屋敷に帰って、わたくしはクタクタだったのにも関わらず、怖い顔をしたアンソニーお兄様にファミリールームへ連れていかれました。そこには家族が、一家総出でわたくしを尋問にかけようと待ち構えていましたの。


最初に口火を切ったのはお父様でしたわ。

「ゴホン、まずマリーに聞きたいことがあるのだが。マリーは王弟閣下とは知り合いなのかい?」

皆の目がわたくしを突き刺します。わたくしは観念して正直に言うことにしましたわ。勿論言えるところ迄ですけれど。

「知り合いではありませんでしたが、潜在的には知り合いでしたわ。」

家族の皆の顔が理解不能な顔つきになりましたわ。流石流れる血が同じせいで、そんな表情もよく似てます。アンソニーお兄様がため息をついて言いました。

「アンナマリー、僕たちにも解るように話してくれ。」


わたくしはにっこり微笑むと言いました。

「王弟閣下はポータント伯爵の替え玉として、私と知り合いになったんですの。ですから、偽物のポータント伯爵とわたくしは文通相手ですが、王弟閣下とは知り合いではありませんでしたわ。ですから、わたくしは今日ダンスに誘われて、初めて文通相手が王弟閣下だと言う事を知ったのですわ。」

お父様は目を閉じて腕を組んで考え事をしているようでした。そしてボソボソとお母様や、お兄様だけに聞こえるように何か話をしていました。


『少し前に、ポータント伯爵が派手に遊び回っているという噂があった。ポータント伯爵と王弟閣下は従兄弟で仲が良い。替え玉として行動してたとすると辻褄が合うな。』

お母様が不思議な顔でわたくしに鋭い質問を浴びせました。

「ねぇ、マリー?ポータント伯爵とはどういった経緯で文通仲間になったのかしら?」

わたくしは今世紀最高の笑顔で、言いましたわ。


「ジークおじ様の秘密の夜会でお会いしましたの。わたくしがロビン様に口づけを強請っているところを見られて、危ない事をこれ以上するつもりなら、ポータント伯爵、いえ、王弟閣下がアドバイスをくださるとの事でしたので、口づけをする度に、手紙でご報告していただけですわ。」

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