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波乱の予感

とんでもない成果

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僕が諦めたように精霊の亡霊こと、スネークを受け入れると、テディが慌てたように言いつのった。

「いやいや、そんな簡単に受け入れないでよ!精霊の亡霊の正体が分からないのに、大丈夫なの!?」

焦るテディに僕はそういえばアレを忘れていたなと、マジックバックから宝箱を引っ張り出した。

「忘れていたんだけど、スネーク、あ、精霊の亡霊にこれ貰ったんだ。あの洞窟から出たかったみたいで。開けてみようよ。」


テントの中で車座になった皆の前に、僕はドスンとひと抱えのいかにもな宝箱を置いた。皆の顔が驚愕の表情で宝箱を食い入るように見ている。

「…凄い。何が入ってるんだろう。開けて見ようぜ、パトリック。」

直ぐに反応したのはミッキーだ。ミッキーは案外ノリが良い。いや、単純に何も考えてないだけかもしれないけどね。しかしテディとケルビンは腕を組んで言った。

「「ダメ!」だ。」


僕とミッキーは顔を見合わせて首を傾げた。

「お前たちは何も考えてなさすぎだ。精霊の亡霊がくれたんだろう?何が入ってるか…。やばいものだったらどうするんだ。」

ケルビンがいつに無く語気を強くして主張した。隣でテディも頷いている。

「えー?でも中身見たくない?確か僕らにとって良いものだって言ってたから、キラキラしたお宝だと思うんだよね!」

でもテディは首を縦に振らなかった。精霊の亡霊についてよく分からないのだから、用心深くやるべきだって。結局僕は折れて、もう一度マジックバックに宝箱をしまった。訓練所の先生と相談してから開封することにしたんだ。


「これって全部戻ってから結果報告するんだろ?俺たち楽勝で優勝じゃね?あー、パトリックのアレは言えないけどな。ていうか、その、スネークだっけ?スネークについては報告するのか?」

そう尋ねるケルビンに僕たちは顔を見合わせた。テディが難しい顔をして言った。

「でも宝箱のことも有るしね…。言わない訳にいかないだろうね。」


僕らがそんな事を話し合っていると、集合の号令が掛かった。結局僕たちは6チーム中4位に落ちてしまった。でもそれは成果とは別物だから、合算の結果がどうなるかは分からない。

明日はゴブリンを倒しながら訓練所へ戻るだけだ。そう、僕らは皆ある意味気が抜けていたんだ。実際疲れていたし。だから僕らを想像外のものが襲い掛かるなんて思いもしなかったんだ。

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