獣人てやつは本能に抗えない問題

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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波乱の予感

バートsideパトリックの発情

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俺は湖の岸に、スッポンポンで濡れた尻尾を揺らしながら這い上がって行くパトリックを、呆然としながら眺めた。少し登った場所には沢山のギャラリーが鈴なりになってこっちを見ている。

それなのにパトリックは意に介せず、しなやかな裸体を見せつける様に、一度ブルリと身体を震わせると水気を飛ばしたんだ。それは何て言うか、まるで本に出てくる女神の様で…。


慌てて飛び出してきたテディがパトリックにタオルを手渡すと、パトリックは耳や髪を拭いてばかりで全然身体を隠そうともしていない。

隣で同じように見つめていたケルビンが喉を鳴らすのを聞いて、俺は思わず自分の口いっぱいに唾液が溜まっていたのを自覚してしまった。ああ、まさにパトリックは旨そうなんだ。


俺たちの視線など気にもしないで尻尾をフリフリと、ぎりぎりの所が見えそうで見えない着替えが終わると、俺たちの方を振り向きもせずに散り散りになるギャラリーの方へと歩いて行くパトリックに、俺はハッと我に返った。

その時にはもうケルビンが岸の方に泳いで行くところで、俺はケルビンに呼び掛けた。

「ケルビン!…あいつ、パトリック、もしかして発情したのか?」


するとケルビンは岸に這い上がりながら俺の方を見もせずに言ったんだ。

「それは俺からは何も言えないよ。パトリックのプライバシーだからな。」

そう言いながらも、ケルビンの声には少し勝ち誇った声音を感じて、俺は罵りながら拳で水面を叩いた。やっぱり、ケルビンから匂ったのは、パトリックの発情の匂いだったのか。それって…。


俺はムカムカしながら、岸に泳ぎ着くと仲間が投げてくれたタオルでざっと拭うと脱ぎ散らかした服を着込んだ。チームの仲間が俺を揶揄ったけれど、今はそれどころじゃなかった。

どう考えてもケルビンに一歩先んじられてしまっていたのは明白だったからだ。だからと言って、今の俺に何が出来る?パトリックを追求するのは簡単だ。あいつは俺に嘘をつけないから。


でも、その先は?パトリックはやっぱりまだ子供で、この時期の一年という歳の差が大きな違いだって俺は改めて感じたんだ。多分俺が大人の獣人としての姿を見せつけたら、あいつはびびって一目散に逃げ出してしまうに違いない。

俺はズキズキする股間と、胸のドキドキを感じながら、大きなため息をついたんだ。






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