23 / 84
楽しい郊外演習
良いお知らせ
しおりを挟む
僕はテントの中に集まったチームの皆の顔を見回した。
「…パトリックがそんなにニコニコしてると、何か怖いんだけど。」
そうテディが言うから、僕はクスッと笑って言った。
「心配しないで?今から話すことはとっても良いことだからね?僕たちの今日の成果についてのご報告をしようと思っただけだよ?それでは発表します。
えー、皆さん今日はお疲れ様でした。少しハラハラした事もありましたけど、結果は素晴らしいものでした。」
ケルビンがチャチャを入れて呟いた。
「あれが少しのハラハラなら、命が幾つあっても足りないんじゃねーか?」
僕はゴホンと咳払いすると、マジックバックから四つの欠片を取り出した。それはひとつ20cmほどの大きさで、虹色に光る分厚い怪鳥ギャロスの古い卵の欠片だった。
テディがびっくりした顔で僕に渡された欠片を手にとって、食い入るように見つめた。
「これって!怪鳥の卵の殻だろう⁉︎こんなサイズ、商業ギルドでも扱ってるの見たこと無いよ⁉︎」
皆、珍しげに持ち上げて見ている。僕はニコッと笑って言った。
「ほら、崖の上の奥まった洞窟、結局あそこはギャロスの巣だったんだけど、卵の周囲に古いものが幾つか落ちてたんだ。あまり巣を荒らすとギャロスのご機嫌が悪くなると思って、僕たちの分だけとりあえず拾って来たんだ。
確かこれって魔法関係にも色々便利だった筈なんだけど。取り敢えず僕は一部加工して魔力増幅の魔法具でも作るつもりだよ。皆も自分で使っても良いし、もちろんかなりの高額でも売れると思うから、好きにしていいよ。
まずこれがひとつ目だよ。もう一つは皆で協力してゲットした、鬼蜂の毒針。これを見て。ケルビンとミッキーがあんな集中攻撃の状態だったのに上手くボコってくれたお陰で、潰れることなく綺麗に10個取れたんだ。
これ、1人2つずつ分けて、残り2つは商業ギルドに売って金貨にして皆で山分けにしようね?魔法具に加工するにしても色々お金は掛かるだろう?
多分貴婦人方の奪い合いになるだろうねぇ。ふふふ。僕は父様と母様にお土産でひとつ渡すつもりだけど、もうひとつはちょっと研究用にするかもしれない。」
ミッキーが不思議そうに尋ねて来た。
「研究ってなんだ?パトリックが若返りに使うには、お前は十分若いだろう?」
僕はクスッと笑って言った。
「確かこの手の毒には、若返りだけじゃなくて、痛みや、強張った筋肉を解す効能もあったはずなんだ。だからポーションを作ろうと思ってね?」
皆が顔を見合わせて、ケルビンが言った。
「なんか分かんないけど、俺の分もひとつ、その研究用に回してくれ。母上の若返りにはひとつで充分だからな。はぁ、何かパトリックと居ると感覚がおかしくなるって言うか。だって、この両方ともとんでもないレアものだろう?」
結局僕は三人から、ひとつづつ研究用として毒針を預かる事にして、にっこり笑って言った。
「では皆さん、明日も優勝目指して頑張りましょう!」
ん?なぜか皆の顔が引き攣ってるのは何でなんだろう。ま、いっか。
「…パトリックがそんなにニコニコしてると、何か怖いんだけど。」
そうテディが言うから、僕はクスッと笑って言った。
「心配しないで?今から話すことはとっても良いことだからね?僕たちの今日の成果についてのご報告をしようと思っただけだよ?それでは発表します。
えー、皆さん今日はお疲れ様でした。少しハラハラした事もありましたけど、結果は素晴らしいものでした。」
ケルビンがチャチャを入れて呟いた。
「あれが少しのハラハラなら、命が幾つあっても足りないんじゃねーか?」
僕はゴホンと咳払いすると、マジックバックから四つの欠片を取り出した。それはひとつ20cmほどの大きさで、虹色に光る分厚い怪鳥ギャロスの古い卵の欠片だった。
テディがびっくりした顔で僕に渡された欠片を手にとって、食い入るように見つめた。
「これって!怪鳥の卵の殻だろう⁉︎こんなサイズ、商業ギルドでも扱ってるの見たこと無いよ⁉︎」
皆、珍しげに持ち上げて見ている。僕はニコッと笑って言った。
「ほら、崖の上の奥まった洞窟、結局あそこはギャロスの巣だったんだけど、卵の周囲に古いものが幾つか落ちてたんだ。あまり巣を荒らすとギャロスのご機嫌が悪くなると思って、僕たちの分だけとりあえず拾って来たんだ。
確かこれって魔法関係にも色々便利だった筈なんだけど。取り敢えず僕は一部加工して魔力増幅の魔法具でも作るつもりだよ。皆も自分で使っても良いし、もちろんかなりの高額でも売れると思うから、好きにしていいよ。
まずこれがひとつ目だよ。もう一つは皆で協力してゲットした、鬼蜂の毒針。これを見て。ケルビンとミッキーがあんな集中攻撃の状態だったのに上手くボコってくれたお陰で、潰れることなく綺麗に10個取れたんだ。
これ、1人2つずつ分けて、残り2つは商業ギルドに売って金貨にして皆で山分けにしようね?魔法具に加工するにしても色々お金は掛かるだろう?
多分貴婦人方の奪い合いになるだろうねぇ。ふふふ。僕は父様と母様にお土産でひとつ渡すつもりだけど、もうひとつはちょっと研究用にするかもしれない。」
ミッキーが不思議そうに尋ねて来た。
「研究ってなんだ?パトリックが若返りに使うには、お前は十分若いだろう?」
僕はクスッと笑って言った。
「確かこの手の毒には、若返りだけじゃなくて、痛みや、強張った筋肉を解す効能もあったはずなんだ。だからポーションを作ろうと思ってね?」
皆が顔を見合わせて、ケルビンが言った。
「なんか分かんないけど、俺の分もひとつ、その研究用に回してくれ。母上の若返りにはひとつで充分だからな。はぁ、何かパトリックと居ると感覚がおかしくなるって言うか。だって、この両方ともとんでもないレアものだろう?」
結局僕は三人から、ひとつづつ研究用として毒針を預かる事にして、にっこり笑って言った。
「では皆さん、明日も優勝目指して頑張りましょう!」
ん?なぜか皆の顔が引き攣ってるのは何でなんだろう。ま、いっか。
21
お気に入りに追加
502
あなたにおすすめの小説

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜
みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。
魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。
目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた?
国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる