獣人てやつは本能に抗えない問題

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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楽しい郊外演習

陣地設置しよう

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僕たちは一番に乗り込んだ特権で、水場に近い一番安全な場所にテントを張った。僕とテディは流石に魔法を使って疲れていたので、ほとんどケルビンとミッキーがやってくれることになった。

僕とテディはテントの前に簡易な炊事場を設営していた。

「パトリック、それってどこに売ってるの?」

僕が折り畳み式の三角ポールの吊り下げ式のかまどを設置していると、感心したようにテディが尋ねた。


僕はしっかり脚立が伸びているか確認しながら答えた。

「これ?これはお祖父様のヨードル領で売ってる新発売の商品なんだ。夏休みに散々試作品を試したから、僕はテントの炊事は得意になったよ。」

テディが感心したように周囲を回りながら頷いた。

「出すのも簡単だったし、元々は小さな筒だもんね。これって絶対便利だよ。ここ数年のヨードル印の装備の充実ぶりには目を離せないって王都の店でも評判だったよ。」


僕は苦笑しながらテディの感心した顔を見つめた。うん、まぁ最近の商品は僕の記憶を頼りにアイデアを出しまくって、お祖父様や、次男の兄様が張り切りまくって試作したり商品化したりしてるんだよね。

お祖父様は僕が5歳の時に変なことを言いだしたのにいち早く気づいて、子供の言う事だって馬鹿にしないで真剣に聞いてくれた。それがこの結果になってるんだから、流石というか、商魂逞しいというか…。


お祖父様に性格がそっくりのゾーイ兄様が、やる気満々だから、過保護から逃れるようになったのはいいけど、反対に色々聞いてきて気が休まらなかった。まぁ、試作品試すのは楽しかったけどね。

僕は夏休みに散々作った料理のひとつ、ピザもどきをテディに手伝ってもらって作り始めた。生地は昨日寮室で10個作って来たし、半加工してあるトッピングは切って混ぜたものを袋に分けて来た。ソースは僕のオリジナルを小瓶に詰めてある。


熱を与えると溶け出す乾燥乳の塊は、チーズ代わりになるしね。薄い鉄板の上に、伸ばした生地を張り付けてソースを塗ると、テディにトッピングをしてもらった。野次馬に来ていた先生に味見の代わりに乾燥乳をパラパラ撒くのを手伝ってもらった。

「このチームは随分到着が早かったが、また面白いものを作るんだなぁ。この簡易式かまどは私も購入しようかな。高いのかね?」

ボウでお世話になっている仲良しの先生が尋ねてきたので、僕はにっこり笑って言った。


「夏休み明けにヨードル印の店舗で売り出すって言ってましたよ。先生には僕のコネでお安くしておきますよ。いつもお世話になってますから。今度パンフレットを先生の執務室にお持ちしますから、注文してください。結構新商品が出るんです。」

先生は、楽しそうに笑いながら言ったんだ。

「それは楽しみだ。これまたパトリックは商売上手だな。沢山買わせてもらうよ。最近はヨードル印のものは品薄だって話だからね。私もこのチャンスを逃したくないよ。」


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