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僕を成すもの
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「そんな事になってたなんてな…。」
引き攣った顔を見せて弦太は僕の前でコーヒーを飲んでいる。僕が案外早々にヒートを抜けたおかげで、こうして弦太に事の顛末を帰省前に話すことができた。
「急だったから、弦太に連絡も出来なくて。ごめんね。」
すると弦太はコーヒーを苦そうに飲むと呟いた。
「いや、俺は連絡が全然つかなくなったから、また何かあったかとあの眼鏡にメッセージ送ったんだ。そしたらヒート起こしたって言うだろ?しかも相手は先輩だって言うから、ちょっと正直混乱した。
てっきりあの中川って奴に頼むのかと思ってたからな。…結局陽太は先輩が良いんだな。」
僕は誠との一件を弦太に話すつもりは無かった。まだ誠と直接話しをしていないし、僕が誠の行動をどう考えて良いか判断できないでいるからだ。しかも冬休みに入ったせいで会う機会も無い。
[休み明けに話したい。]
謝罪のメッセージに僕が返したのはこれだけ。結局僕は誠を嫌いになり切れない。騙し討ちの様に僕を番にしようと考えたのはありえないけど、実際にそうしたかどうかは不明だし、僕の側でずっと親切にしてくれていた事実は変わらないからだ。
あの時しらばっくれて誤魔化すことも出来ただろうに、誠が自白したのも僕を迷わせる。
「僕と先輩はずっとこんがらがった糸の両端を握っていたんだ。僕はその糸を切ってもう一度結び直したんだ。だから一気に目の前に先輩が近づいた。僕も案外やけになってたからね。」
弦太は呆れた様に大きくため息をつくと、頭の後ろに両手を組んだ。
「はぁ、そうだった。…陽太って普段は全然なのに変なところ男気があるんだよ。ほら、子供の頃の河川敷の広場に蛇が出た時もそうだったろ?みんなでギャーギャー言ってたのに、陽太はスタスタと蛇に近づいて首根っこ掴むと草むらにポイって事も無げに放り出してさ。
しかもめちゃくちゃ笑顔でドロけいの続きしようって言うから、俺らぽかーんってなってさ。いや、蛇は!?ってなったよな。」
「えー?だってみんな怖がって遊べないし、蛇は首掴めば簡単だって知ってたから。それにあれは毒蛇じゃ無いって分かってたからね?」
僕が懐かしくなってそう言うと、弦太はツボったのか笑い続けながら言った。
「ふふ、俺あの時陽太がますます好きになったんだ。只々カッコよかったし。可愛い顔のヒーローって感じでさ。だからこんな風にオメガになって、すったもんだの結末が先輩とか悔しいなって。…付き合うんだろう?」
最後は真剣な表情で僕に尋ねる弦太に、僕は頷いた。
「うん。今度はセフレじゃなくて恋人として付き合う事になった。」
他人に宣言するのは恥ずかしくもくすぐったい。先輩が恋人か…。ふふ。
「あーあ、そんな締まらない顔しちゃって。まぁ、初恋なんだろ?初恋成就とか甘酸っぱいにも程があるな。それより年始年末はどんな予定?親元に行くならカミングアウトもするんだろ?」
僕は先日の電話を思い出しながら弦太にぼやいた。
「実は電話で一応話はしたんだ。もう絶句してたよ。いや、そうだよねって自分でも思うけど、親としては青天の霹靂じゃない?しかもヒートも済ませてるとか、どう言う事って思うよね。」
「まぁ、おじさんとおばさんには同情するけどな。かと言ってオメガになるかもで連絡してたら、それはそれで心配だっただろうから。知らせなかったのはある意味親孝行だったかもな。
田中家ってオメガの人居るのか?」
僕は顔を顰めて首を振った。
「ううん。いないと思う。田中家の方じゃない、母方の祖父と伯父さんがアルファだけどね。あまり付き合いが無かったからよく知らないけど。うちは転勤族であまり母方の親戚とは交流が無かったから。」
「そっか。まぁ元々陽太は可愛かったから、ちょっとそれが増したってだけだから受け止めるのは楽なんじゃないか?飛行機で行くんだろう?ああ、オメガ席取らなくちゃダメだぞ。」
僕はキョトンとして弦太を見た。オメガ席?初耳だ。
「普段自分と関係ないと目に入ってなかったのかもな。一般料金でSシートが取れるんだ。危機管理みたいなもんだ。ある意味オメガは保護の対象なのさ。」
目を大きくして頷きながら、世の中にはその手の優遇措置がある事に僕は気づき始めていた。大学でもオメガ用の別室があるみたいに。
「ああ、そろそろ行かなくちゃ。色々ありがとう。…弦太とこうやって昔みたいに何でも話せるの有り難いって思ってるよ。これからも僕の一番の親友でいてね。」
弦太は少し寂しそうな表情を浮かべると、店の入り口をチラッと見てから僕の頭に手を伸ばして髪をくしゃくしゃにして言った。
「ああ。少なくともそうなると俺たちは離れることはないもんな。」
「…おい、気安く触るな。」
何処から現れたのか先輩が立っていて、僕の頭から弦太の手を振り払った。
「陽太、幼馴染だか知らないが、こいつもアルファだからな。あんまり気を許すなよ。」
睨み合っている二人にすっかり呆れて、僕は荷物を手に立ち上がった。
「何馬鹿なこと言ってるの?急がないと、飛行機乗れなくなっちゃう。僕、オメガ席知らなくて一般席しか取ってなくて。まぁ大丈夫だよね?」
「オメガ席?ファーストクラス取ってあるから大丈夫だ。車で送って行くから余裕だ。」
僕らの様子を見ながら、弦太は手を上げて言った。
「ほら、行った行った。じゃあ陽太休み明けにな?…桐生さん、俺の大事な幼馴染の陽太を頼みますよ。」
僕は自分のキャリーバックを転がすのに忙しくて内容まで聞こえなかったけれど、先輩と弦太が何か話したみたいだった。
「…取り敢えずマッチョは戦線離脱したみたいだな。陽太、やっぱり向こうまで着いて行こうか?」
「急に先輩みたいなアルファが顔を出したらうちの親もびっくりするから、それはやめて。大体僕がオメガだってところからの顔合わせなんだかからね?ハードルどんどん上げないでよ。」
まだ納得していない先輩は、顔を顰めて車に荷物を乗せると運転席に乗り込んだ。僕はシートベルトを付ける前に身体を伸ばして先輩の頬にキスをした。ちょっと機嫌を直して欲しいんだけど…。
先輩は自分のシートベルトを持ったままじっと僕を見て、ギラついた眼差しで僕をじっと見つめた。あ、やばい?
案の定先輩は僕に覆い被さって僕の唇を割ってきた。甘くて刺激的な先輩の舌に翻弄されて、僕はあっという間に息が上がってしまう。
「はぁ、やっぱり一緒に行こうか…。」
「もう!先輩車出して!流石に遅れたらまずいでしょう?」
「…陽太は結構ツレないな。俺たち晴れて恋人になったってのに、なんか全然あっさりだし。」
先輩が恋人にこんなにベタベタするタイプだなんて僕も知らなかったよ。僕はこれ以上言ってもやっても、結局ベタベタが酷くなるだけな気がして、笑顔で先輩に言った。
「先輩?車出して?」
小さくため息をついた先輩は、ようやく空港に向かって車を走らせた。
「先輩、送ってくれてありがとう。お土産買ってきますから。…今度は何処か一緒に旅行でも行きましょうよ。僕、バイト代結構残ってるから温泉ぐらいなら行けますよ。」
「温泉…。良いな、それ。浴衣か…。露天風呂付き離れとか最高だな…。」
ニヤニヤしながら呟く先輩の機嫌が良くなったのに少し笑って、僕はあっという間に空港へのルートに乗ったのを眺めた。はぁ、僕のこの状況を親に説明するのは中々にハードルが高いよ。
でもいつかはカミングアウトしなくちゃいけないんだから…。
僕がそう考えながら黙っていると、先輩が僕の手を握って唇を動かした。
「大丈夫さ。陽太はどう考えても愛されし子供だ。どんな状況であろうとも子供を受け止めるのが親の愛だからな。」
僕は胸がいっぱいになって先輩の手の温かさを味わった。
…先輩お利口さんで待っててね。僕も頑張るから。
引き攣った顔を見せて弦太は僕の前でコーヒーを飲んでいる。僕が案外早々にヒートを抜けたおかげで、こうして弦太に事の顛末を帰省前に話すことができた。
「急だったから、弦太に連絡も出来なくて。ごめんね。」
すると弦太はコーヒーを苦そうに飲むと呟いた。
「いや、俺は連絡が全然つかなくなったから、また何かあったかとあの眼鏡にメッセージ送ったんだ。そしたらヒート起こしたって言うだろ?しかも相手は先輩だって言うから、ちょっと正直混乱した。
てっきりあの中川って奴に頼むのかと思ってたからな。…結局陽太は先輩が良いんだな。」
僕は誠との一件を弦太に話すつもりは無かった。まだ誠と直接話しをしていないし、僕が誠の行動をどう考えて良いか判断できないでいるからだ。しかも冬休みに入ったせいで会う機会も無い。
[休み明けに話したい。]
謝罪のメッセージに僕が返したのはこれだけ。結局僕は誠を嫌いになり切れない。騙し討ちの様に僕を番にしようと考えたのはありえないけど、実際にそうしたかどうかは不明だし、僕の側でずっと親切にしてくれていた事実は変わらないからだ。
あの時しらばっくれて誤魔化すことも出来ただろうに、誠が自白したのも僕を迷わせる。
「僕と先輩はずっとこんがらがった糸の両端を握っていたんだ。僕はその糸を切ってもう一度結び直したんだ。だから一気に目の前に先輩が近づいた。僕も案外やけになってたからね。」
弦太は呆れた様に大きくため息をつくと、頭の後ろに両手を組んだ。
「はぁ、そうだった。…陽太って普段は全然なのに変なところ男気があるんだよ。ほら、子供の頃の河川敷の広場に蛇が出た時もそうだったろ?みんなでギャーギャー言ってたのに、陽太はスタスタと蛇に近づいて首根っこ掴むと草むらにポイって事も無げに放り出してさ。
しかもめちゃくちゃ笑顔でドロけいの続きしようって言うから、俺らぽかーんってなってさ。いや、蛇は!?ってなったよな。」
「えー?だってみんな怖がって遊べないし、蛇は首掴めば簡単だって知ってたから。それにあれは毒蛇じゃ無いって分かってたからね?」
僕が懐かしくなってそう言うと、弦太はツボったのか笑い続けながら言った。
「ふふ、俺あの時陽太がますます好きになったんだ。只々カッコよかったし。可愛い顔のヒーローって感じでさ。だからこんな風にオメガになって、すったもんだの結末が先輩とか悔しいなって。…付き合うんだろう?」
最後は真剣な表情で僕に尋ねる弦太に、僕は頷いた。
「うん。今度はセフレじゃなくて恋人として付き合う事になった。」
他人に宣言するのは恥ずかしくもくすぐったい。先輩が恋人か…。ふふ。
「あーあ、そんな締まらない顔しちゃって。まぁ、初恋なんだろ?初恋成就とか甘酸っぱいにも程があるな。それより年始年末はどんな予定?親元に行くならカミングアウトもするんだろ?」
僕は先日の電話を思い出しながら弦太にぼやいた。
「実は電話で一応話はしたんだ。もう絶句してたよ。いや、そうだよねって自分でも思うけど、親としては青天の霹靂じゃない?しかもヒートも済ませてるとか、どう言う事って思うよね。」
「まぁ、おじさんとおばさんには同情するけどな。かと言ってオメガになるかもで連絡してたら、それはそれで心配だっただろうから。知らせなかったのはある意味親孝行だったかもな。
田中家ってオメガの人居るのか?」
僕は顔を顰めて首を振った。
「ううん。いないと思う。田中家の方じゃない、母方の祖父と伯父さんがアルファだけどね。あまり付き合いが無かったからよく知らないけど。うちは転勤族であまり母方の親戚とは交流が無かったから。」
「そっか。まぁ元々陽太は可愛かったから、ちょっとそれが増したってだけだから受け止めるのは楽なんじゃないか?飛行機で行くんだろう?ああ、オメガ席取らなくちゃダメだぞ。」
僕はキョトンとして弦太を見た。オメガ席?初耳だ。
「普段自分と関係ないと目に入ってなかったのかもな。一般料金でSシートが取れるんだ。危機管理みたいなもんだ。ある意味オメガは保護の対象なのさ。」
目を大きくして頷きながら、世の中にはその手の優遇措置がある事に僕は気づき始めていた。大学でもオメガ用の別室があるみたいに。
「ああ、そろそろ行かなくちゃ。色々ありがとう。…弦太とこうやって昔みたいに何でも話せるの有り難いって思ってるよ。これからも僕の一番の親友でいてね。」
弦太は少し寂しそうな表情を浮かべると、店の入り口をチラッと見てから僕の頭に手を伸ばして髪をくしゃくしゃにして言った。
「ああ。少なくともそうなると俺たちは離れることはないもんな。」
「…おい、気安く触るな。」
何処から現れたのか先輩が立っていて、僕の頭から弦太の手を振り払った。
「陽太、幼馴染だか知らないが、こいつもアルファだからな。あんまり気を許すなよ。」
睨み合っている二人にすっかり呆れて、僕は荷物を手に立ち上がった。
「何馬鹿なこと言ってるの?急がないと、飛行機乗れなくなっちゃう。僕、オメガ席知らなくて一般席しか取ってなくて。まぁ大丈夫だよね?」
「オメガ席?ファーストクラス取ってあるから大丈夫だ。車で送って行くから余裕だ。」
僕らの様子を見ながら、弦太は手を上げて言った。
「ほら、行った行った。じゃあ陽太休み明けにな?…桐生さん、俺の大事な幼馴染の陽太を頼みますよ。」
僕は自分のキャリーバックを転がすのに忙しくて内容まで聞こえなかったけれど、先輩と弦太が何か話したみたいだった。
「…取り敢えずマッチョは戦線離脱したみたいだな。陽太、やっぱり向こうまで着いて行こうか?」
「急に先輩みたいなアルファが顔を出したらうちの親もびっくりするから、それはやめて。大体僕がオメガだってところからの顔合わせなんだかからね?ハードルどんどん上げないでよ。」
まだ納得していない先輩は、顔を顰めて車に荷物を乗せると運転席に乗り込んだ。僕はシートベルトを付ける前に身体を伸ばして先輩の頬にキスをした。ちょっと機嫌を直して欲しいんだけど…。
先輩は自分のシートベルトを持ったままじっと僕を見て、ギラついた眼差しで僕をじっと見つめた。あ、やばい?
案の定先輩は僕に覆い被さって僕の唇を割ってきた。甘くて刺激的な先輩の舌に翻弄されて、僕はあっという間に息が上がってしまう。
「はぁ、やっぱり一緒に行こうか…。」
「もう!先輩車出して!流石に遅れたらまずいでしょう?」
「…陽太は結構ツレないな。俺たち晴れて恋人になったってのに、なんか全然あっさりだし。」
先輩が恋人にこんなにベタベタするタイプだなんて僕も知らなかったよ。僕はこれ以上言ってもやっても、結局ベタベタが酷くなるだけな気がして、笑顔で先輩に言った。
「先輩?車出して?」
小さくため息をついた先輩は、ようやく空港に向かって車を走らせた。
「先輩、送ってくれてありがとう。お土産買ってきますから。…今度は何処か一緒に旅行でも行きましょうよ。僕、バイト代結構残ってるから温泉ぐらいなら行けますよ。」
「温泉…。良いな、それ。浴衣か…。露天風呂付き離れとか最高だな…。」
ニヤニヤしながら呟く先輩の機嫌が良くなったのに少し笑って、僕はあっという間に空港へのルートに乗ったのを眺めた。はぁ、僕のこの状況を親に説明するのは中々にハードルが高いよ。
でもいつかはカミングアウトしなくちゃいけないんだから…。
僕がそう考えながら黙っていると、先輩が僕の手を握って唇を動かした。
「大丈夫さ。陽太はどう考えても愛されし子供だ。どんな状況であろうとも子供を受け止めるのが親の愛だからな。」
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