57 / 104
カップルの定義
キヨくんの話
しおりを挟む
「何で、そんな離れた所に居るんだ?」
キヨくんは少し笑いを含んだ声で僕に尋ねた。僕の部屋にキヨくんが居ることにテンパってる僕は、当然の様にベッドへ座ったキヨくんに対して、どこに座るのが正解か分からなくて、結局窓際のデスクチェアに座ったんだ。
狭い部屋には、年の離れた親戚からのお下がりのセミダブルのベッドのせいで、勉強机しか置けない。父さんが壁につけてくれた棚に沢山置いていたフィギュアや小物も少し残して片付けたので、殺風景だ。
キヨくん部屋を見回して言った。
「もっと色々置いてあるかと思った。玲って細々したもの好きだったろ?ぬいぐるみとかも。俺、そんな玲、子供心に可愛いなって思ってたんだ。…ね、こっち来て。俺たち付き合ってるんじゃないの?」
僕はコクコク頷くと、立ち上がって、キヨくんの隣に座った。するとキヨくんがよっこらせとベッドの奥へとずって行き、脚を開いて壁際に寄りかかった。そして両手を広げて僕に言った。
「やっぱり、こっちかな。普段玲とくっつけないから、二人きりだけの時はくっついていたい。ダメ?」
そう言って、僕をじっと見つめるから、僕は黙ってベッドに乗り上がると、キヨくんの脚の間に前を向いて座った。キヨくんに後ろからぎゅっと抱きしめられると、もう何だかドキドキで死にそう。
キヨくんは僕の首筋に唇を押し付けてささやいた。
「なんか濡れてる…。さっきシャワー浴びたの?」
僕は頷いた。するとキヨくんは大きくため息をついて、少し横へずれた。僕は何か気になったんだろうかと、不安な気持ちでキヨくんに振り返った。するとキヨくんが顔を赤らめて言った。
「やっぱりこの格好じゃ話するの無理だから、話し終えるまでちょっと離れてていい?玲の匂いドキドキするから。」
僕はキヨくんの顔が赤いのを見て、多分釣られたんだろう。顔が熱い。僕は両手で頬を覆いながら、キヨくんが話出すのを待った。
「話ってのはさ、出来たら一緒の大学行けたらいいなって思って。どうかな。」
それから僕たちは、お互いが考えていた大学のリストを書き出した。結構共通する進学希望先があったけど、僕はふと顔を上げて言った。
「でも、キヨくんて理系でしょ。同じ大学になっても、そもそも校舎とか全然別な大学もあるよね?」
僕がそう言うと、キヨくんはそっかとため息をついた。そして僕をじっと見て言った。
「うちの姉貴が大学行った時、家出たの知ってる?ここって、家から無理くり通えなくはないけど、下手すると大学によっては二時間近く掛かるだろ?だから、俺たち敢えてそういう大学選んで、一緒に住むのはどうかなって思ったんだ。
親もシェアハウス、玲とするって言ったら絶対反対しないだろうし。」
僕はキヨくんの大胆な提案に、只々呆然としてしまった。するとキヨくんはにっこり笑って言った。
「俺はそう考えてるってこと。玲も考えてみて。俺の話はそれだけ。…ね、さっきみたいに、こっち来てくっつこう?」
キヨくんは少し笑いを含んだ声で僕に尋ねた。僕の部屋にキヨくんが居ることにテンパってる僕は、当然の様にベッドへ座ったキヨくんに対して、どこに座るのが正解か分からなくて、結局窓際のデスクチェアに座ったんだ。
狭い部屋には、年の離れた親戚からのお下がりのセミダブルのベッドのせいで、勉強机しか置けない。父さんが壁につけてくれた棚に沢山置いていたフィギュアや小物も少し残して片付けたので、殺風景だ。
キヨくん部屋を見回して言った。
「もっと色々置いてあるかと思った。玲って細々したもの好きだったろ?ぬいぐるみとかも。俺、そんな玲、子供心に可愛いなって思ってたんだ。…ね、こっち来て。俺たち付き合ってるんじゃないの?」
僕はコクコク頷くと、立ち上がって、キヨくんの隣に座った。するとキヨくんがよっこらせとベッドの奥へとずって行き、脚を開いて壁際に寄りかかった。そして両手を広げて僕に言った。
「やっぱり、こっちかな。普段玲とくっつけないから、二人きりだけの時はくっついていたい。ダメ?」
そう言って、僕をじっと見つめるから、僕は黙ってベッドに乗り上がると、キヨくんの脚の間に前を向いて座った。キヨくんに後ろからぎゅっと抱きしめられると、もう何だかドキドキで死にそう。
キヨくんは僕の首筋に唇を押し付けてささやいた。
「なんか濡れてる…。さっきシャワー浴びたの?」
僕は頷いた。するとキヨくんは大きくため息をついて、少し横へずれた。僕は何か気になったんだろうかと、不安な気持ちでキヨくんに振り返った。するとキヨくんが顔を赤らめて言った。
「やっぱりこの格好じゃ話するの無理だから、話し終えるまでちょっと離れてていい?玲の匂いドキドキするから。」
僕はキヨくんの顔が赤いのを見て、多分釣られたんだろう。顔が熱い。僕は両手で頬を覆いながら、キヨくんが話出すのを待った。
「話ってのはさ、出来たら一緒の大学行けたらいいなって思って。どうかな。」
それから僕たちは、お互いが考えていた大学のリストを書き出した。結構共通する進学希望先があったけど、僕はふと顔を上げて言った。
「でも、キヨくんて理系でしょ。同じ大学になっても、そもそも校舎とか全然別な大学もあるよね?」
僕がそう言うと、キヨくんはそっかとため息をついた。そして僕をじっと見て言った。
「うちの姉貴が大学行った時、家出たの知ってる?ここって、家から無理くり通えなくはないけど、下手すると大学によっては二時間近く掛かるだろ?だから、俺たち敢えてそういう大学選んで、一緒に住むのはどうかなって思ったんだ。
親もシェアハウス、玲とするって言ったら絶対反対しないだろうし。」
僕はキヨくんの大胆な提案に、只々呆然としてしまった。するとキヨくんはにっこり笑って言った。
「俺はそう考えてるってこと。玲も考えてみて。俺の話はそれだけ。…ね、さっきみたいに、こっち来てくっつこう?」
1
お気に入りに追加
701
あなたにおすすめの小説
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
全寮制男子高校生活~行方不明になってた族の総長が王道学園に入学してみた~
雨雪
BL
スイマセン、腐男子要素どこいった状態になりそうだったんでタイトル変えました。
元、腐男子が王道学園に入学してみた。腐男子設定は生きてますがあんま出てこないかもです。
書いてみたいと思ったから書いてみただけのお話。駄文です。
自分が平凡だと本気で思っている非凡の腐男子の全寮制男子校での話。
基本思いつきなんでよくわかんなくなります。
ストーリー繋がんなくなったりするかもです。
1話1話短いです。
18禁要素出す気ないです。書けないです。
出てもキスくらいかなぁ
*改稿終わって再投稿も終わったのでとりあえず完結です~
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
子悪党令息の息子として生まれました
菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!?
ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。
「お父様とお母様本当に仲がいいね」
「良すぎて目の毒だ」
ーーーーーーーーーーー
「僕達の子ども達本当に可愛い!!」
「ゆっくりと見守って上げよう」
偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。
[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます
はな
BL
佐藤雪には恋人がいる。だが、その恋人はどうやら周りに女の子がたくさんいるハーレム状態らしい…どうにか、自分だけを見てくれるように頑張る雪。
果たして恋人とはどうなるのか?
主人公 佐藤雪…高校2年生
攻め1 西山慎二…高校2年生
攻め2 七瀬亮…高校2年生
攻め3 西山健斗…中学2年生
初めて書いた作品です!誤字脱字も沢山あるので教えてくれると助かります!
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる