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人間の魔法使い
友人の困りごと
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「そんな事考えてるの、ディーくらいだぞ。随分と生き急いでるんだな。」
そう呆れた様に僕に言い放つゲオルグを睨みながら、僕は小さくため息をついた。僕も好きで生き急いでいる訳じゃない。ただロバートの願いをひしひしと感じるせいで無視できないだけだ。
「まぁ夫を複数持つことの責任みたいなものでしょ、しょうがないんじゃない?」
魔肉バーガーを頬張りながらシンディは訳知り顔で僕を諭した。僕はシンディをジトっと見つめながら尋ねてみる。
「シンディだっていつも付き合ってる相手は複数人でしょ。将来的にはどうするつもりなのさ。」
するとシンディは何でも無い顔をして言った。
「私は多分お祖父様の選んだ相手と結婚するはずだから、どうこうって事はないよ。まぁ先が決まってるから今は自由にやってるだけだしね?…それに多分自分よりお祖父様の方が見る目あると思うし。」
何だか最後の方は歯切れが悪い気がしてゲオルグの方を見ると、ゲオルグが笑いを噛み殺している。
「…なんか酷い目に遭ったような言い方だね、シンディ。一体何があったのさ。」
僕が好奇心を止められずに思わず追求すると、シンディは顔を顰めてため息をついた。すかさずゲオルグが口を挟んだ。
「こいつ、ブレーベルでお姉様の一人に監禁され掛かったんだ。シンディはモテるが配慮が有るとは言えないからな。自業自得と言えばそうだ。どうせ無神経な事でもしたんじゃ無いか?」
僕がシンディに詳細を話す様水を向けると、シンディは渋々と言った具合で話し出した。
「そんな複雑な話でも無いよ。私は最初から特別な一人を作る気は無いって話してたんだ。だから相手も承知してると思うでしょ?複数人と付き合うなら楽しく複数人で楽しむ事もありだと思うし。ただその彼女が独占欲が強かったってこと。
まぁ付き合ってるうちに考えも変わるんだろうってのは良い勉強になったよ。」
シンディは思考が浅いものの、美人だし凄腕の騎士だからモテる。昔よりアホっぽいところは上手く隠されて来て、余計にシンディに期待して夢見てしまうのかもしれない。
「シンディの粗忽さを隠さなきゃ良いだけじゃないの?」
思わず僕がそう言うと、ゲオルグがゲラゲラと笑い出した。するとシンディが僕の顎を掴んで綺麗な顔を寄せて細目で見つめる。
「ディー、私も成長したんだよ。まったく、可愛い顔にチューしちゃうぞ!」
シンディの冗談が冗談になってない気がして、僕が顔を強張らせるとゲオルグがすかさず僕たちを引き剥がした。
「…シンディ、命が惜しくないのか。」
シンディはどさりとカフェの椅子に寄り掛かると、両手を頭の後ろに組んで大袈裟な態度で言った。
「ちぇ、昔からディーは可愛かったのに、今も可愛いなんて詐欺だよ。一回くらいチューしたって減るもんじゃなし。」
僕はシンディが妙にやさぐれているのを感じてゲオルグに目配せした。肩をすくめたゲオルグはシンディに同情めいた眼差しを送りながら言った。
「入学してからシンディへの当たりがきついからな。俺と一緒の時は全然だけど、一人の時は女子にモテるせいもあって一部の男どもの嫉妬があるみたいだ。」
僕は思わず眉を顰めてシンディに尋ねた。
「…シンディ、大丈夫?いくらシンディが強いっていっても、僕心配だよ。」
シンディは薄く笑うと、少し凄みのある表情を浮かべて答えた。
「やられたらやり返すさ。あーでもあいつら面倒くさいんだよ。ネチネチしててさ。」
僕はシンディを見つめながら、何か上手い方法は無いか考えていた。シンディが嫌がらせのターゲットになるのは心配だし、シンディは腕力で解決するタチだから余計に火に油を注ぎそうだ。何か嫉妬をかわす方法は無いだろうか。
「…僕もちょっと解決策を考えてみるよ。シンディに手を出すと嫌な目に遭えば良いって事でしょ。何か方法があるはずなんだ。親友の困り事を放っては置けないしね?」
「おいおい、ディーが本気出したらやばく無いか?」
ゲオルグが慌てた様に僕とシンディを見たけれど、シンディはニヤリとして僕の手を握った。
「ディー、期待してるよ。絡むのが嫌になる様な目に合わせてやってよ。あとディーの家族計画だけど、その若さでどんどん産んでたらあっという間に老け込むんじゃ無い?
結局ディーの身体に負担がある話だからさ、よく話し合った方がいいと思うよ?」
シンディが案外現実的な視点を与えてくれた所で、僕は苦笑いをしながら二人と別れた。確かに生き急いでいると言われたらそうかもしれない。寿命が短い人間としてはそうでも無いけど、取り敢えず僕の寿命については考えなくても良いものになったのだし。
結局なる様にしかならないとため息をつくと、シンディへの嫌がらせ対策を考える事を優先させる事にした。実はもう何となく思いついたことがあった。
以前僕に襲って来た黒い呪いの様なもの、あれに似た構造のものを魔法で添加出来れば上手いこといくんじゃ無いだろうか。僕はウキウキしながら魔法学科の校舎へと急いだ。取り敢えずマードックに相談しよう。
「何だって?呪いを生成したいだって?」
マードックが仰天するのを見つめながら、僕はクスクス笑って首を振った。
「呪いじゃないよ。呪いもどきさ。ちょっとしたいたずらみたいなものだよ。僕の友達が嫌がらせに遭っていて、困ってるんだ。だから嫌がらせした相手にちょっとしたいたずらを発生させる魔法みたいなものを開発しようと思ってさ。」
「いたずらの程度で本物の呪いにもなりそうだけど…。ディーは言い出したら止まらないからなぁ。じゃあそのいたずらの程度は私に決めさせてくれるって条件なら一緒に考えても良いよ。」
そう言ってマードックは急に目を輝かせて、前のめりで嫌がらせ魔法についてアイデアを出し合った。常識的な彼も新しい魔法について考えるのは研究肌タイプのマードックにはワクワクすることなんだろう。
僕らはクスクス笑いながら、腕輪タイプの呪い魔法を作るのに成功した。
「本当はもっとおどろおどろしい方が効果がありそうだけど、まぁこれくらいで勘弁してやろうか。」
僕がそう言うと、マードックは呆れた様に肩をすくめた。
「…私はディーを敵に回したくないね。全身が痒くなるとか、意志に反して全裸になるとかえげつなかっただろう?まぁ、幻想くらいなら可愛げがあるよ。」
「それこそ呪いっぽくて良いでしょ。早くシンディに渡したいな。でもさ、この呪いの腕輪、仕込む内容によっては応用が効くよね。ふふふ。」
マードックは首を振って僕に釘を刺した。
「ディーは使っちゃ駄目だぞ。発想が酷すぎる。可愛い顔して、やろうとする事が怖いんだよ。」
随分な言われようだと思いながら、僕自身はやり返したい相手もいないしこの腕輪を使う機会は無さそうだった。早速シンディに腕輪を渡しながら、僕は使い方を説明した。
「いい?シンディ。絡まれたら腕輪をはめた方の手で相手の手を掴んで、魔剣を使う時の様に魔力を腕輪に流すんだ。そしたら腕輪に仕込んだ魔法が発動する仕組みだよ。」
「仕込んだ魔法ってどんなものなの?」
「それは楽しみにしてて。でも相手の戦意喪失は間違いないよ。」
それから騎士科ではこんな噂が流れる様になった。一年の女騎士を揶揄うと触手の様なものに取り憑かれる。その長くてニョロついた影の様なものは時を選ばずに取り憑いた相手に絡みつくので、場合によっては人前で恥をかく事になると言う恐ろしい噂だった。
「ディー!この腕輪、効果覿面だったよ。私にちょっかい掛ける奴が居なくなってマジでスッキリした!でもあの呪いって何かに似てるよね。何だろ。」
僕はクスクス笑いながらシンディからゲオルグに視線を移してウインクした。
「ああ、ゲオルグなら被害にあった事あるからわかるでしょ?魔鳥の触手を参考にしたんだ。でも実態はそこまでないから被害は軽いと思うけどね?」
顰めた顔をしたゲオルグは、シンディの腕輪を恐ろしげに見つめて呟いた。
「実態がなくても影の様なものに巻き付かれるのは、それはそれで中々ヤバい絵面だったけどな。シンディももうそれ外したらどうだ?万が一側に居る俺に誤作動を起こされたら堪らないからな。」
僕とシンディは顔を見合わせて声を立てて笑った。いつもクールなゲオルグが怖がる姿をちょっと見てみたいと思ったからだ。そしてそれは近いうちに絶対起きそうだと予想して僕は笑ったんだ。
そう呆れた様に僕に言い放つゲオルグを睨みながら、僕は小さくため息をついた。僕も好きで生き急いでいる訳じゃない。ただロバートの願いをひしひしと感じるせいで無視できないだけだ。
「まぁ夫を複数持つことの責任みたいなものでしょ、しょうがないんじゃない?」
魔肉バーガーを頬張りながらシンディは訳知り顔で僕を諭した。僕はシンディをジトっと見つめながら尋ねてみる。
「シンディだっていつも付き合ってる相手は複数人でしょ。将来的にはどうするつもりなのさ。」
するとシンディは何でも無い顔をして言った。
「私は多分お祖父様の選んだ相手と結婚するはずだから、どうこうって事はないよ。まぁ先が決まってるから今は自由にやってるだけだしね?…それに多分自分よりお祖父様の方が見る目あると思うし。」
何だか最後の方は歯切れが悪い気がしてゲオルグの方を見ると、ゲオルグが笑いを噛み殺している。
「…なんか酷い目に遭ったような言い方だね、シンディ。一体何があったのさ。」
僕が好奇心を止められずに思わず追求すると、シンディは顔を顰めてため息をついた。すかさずゲオルグが口を挟んだ。
「こいつ、ブレーベルでお姉様の一人に監禁され掛かったんだ。シンディはモテるが配慮が有るとは言えないからな。自業自得と言えばそうだ。どうせ無神経な事でもしたんじゃ無いか?」
僕がシンディに詳細を話す様水を向けると、シンディは渋々と言った具合で話し出した。
「そんな複雑な話でも無いよ。私は最初から特別な一人を作る気は無いって話してたんだ。だから相手も承知してると思うでしょ?複数人と付き合うなら楽しく複数人で楽しむ事もありだと思うし。ただその彼女が独占欲が強かったってこと。
まぁ付き合ってるうちに考えも変わるんだろうってのは良い勉強になったよ。」
シンディは思考が浅いものの、美人だし凄腕の騎士だからモテる。昔よりアホっぽいところは上手く隠されて来て、余計にシンディに期待して夢見てしまうのかもしれない。
「シンディの粗忽さを隠さなきゃ良いだけじゃないの?」
思わず僕がそう言うと、ゲオルグがゲラゲラと笑い出した。するとシンディが僕の顎を掴んで綺麗な顔を寄せて細目で見つめる。
「ディー、私も成長したんだよ。まったく、可愛い顔にチューしちゃうぞ!」
シンディの冗談が冗談になってない気がして、僕が顔を強張らせるとゲオルグがすかさず僕たちを引き剥がした。
「…シンディ、命が惜しくないのか。」
シンディはどさりとカフェの椅子に寄り掛かると、両手を頭の後ろに組んで大袈裟な態度で言った。
「ちぇ、昔からディーは可愛かったのに、今も可愛いなんて詐欺だよ。一回くらいチューしたって減るもんじゃなし。」
僕はシンディが妙にやさぐれているのを感じてゲオルグに目配せした。肩をすくめたゲオルグはシンディに同情めいた眼差しを送りながら言った。
「入学してからシンディへの当たりがきついからな。俺と一緒の時は全然だけど、一人の時は女子にモテるせいもあって一部の男どもの嫉妬があるみたいだ。」
僕は思わず眉を顰めてシンディに尋ねた。
「…シンディ、大丈夫?いくらシンディが強いっていっても、僕心配だよ。」
シンディは薄く笑うと、少し凄みのある表情を浮かべて答えた。
「やられたらやり返すさ。あーでもあいつら面倒くさいんだよ。ネチネチしててさ。」
僕はシンディを見つめながら、何か上手い方法は無いか考えていた。シンディが嫌がらせのターゲットになるのは心配だし、シンディは腕力で解決するタチだから余計に火に油を注ぎそうだ。何か嫉妬をかわす方法は無いだろうか。
「…僕もちょっと解決策を考えてみるよ。シンディに手を出すと嫌な目に遭えば良いって事でしょ。何か方法があるはずなんだ。親友の困り事を放っては置けないしね?」
「おいおい、ディーが本気出したらやばく無いか?」
ゲオルグが慌てた様に僕とシンディを見たけれど、シンディはニヤリとして僕の手を握った。
「ディー、期待してるよ。絡むのが嫌になる様な目に合わせてやってよ。あとディーの家族計画だけど、その若さでどんどん産んでたらあっという間に老け込むんじゃ無い?
結局ディーの身体に負担がある話だからさ、よく話し合った方がいいと思うよ?」
シンディが案外現実的な視点を与えてくれた所で、僕は苦笑いをしながら二人と別れた。確かに生き急いでいると言われたらそうかもしれない。寿命が短い人間としてはそうでも無いけど、取り敢えず僕の寿命については考えなくても良いものになったのだし。
結局なる様にしかならないとため息をつくと、シンディへの嫌がらせ対策を考える事を優先させる事にした。実はもう何となく思いついたことがあった。
以前僕に襲って来た黒い呪いの様なもの、あれに似た構造のものを魔法で添加出来れば上手いこといくんじゃ無いだろうか。僕はウキウキしながら魔法学科の校舎へと急いだ。取り敢えずマードックに相談しよう。
「何だって?呪いを生成したいだって?」
マードックが仰天するのを見つめながら、僕はクスクス笑って首を振った。
「呪いじゃないよ。呪いもどきさ。ちょっとしたいたずらみたいなものだよ。僕の友達が嫌がらせに遭っていて、困ってるんだ。だから嫌がらせした相手にちょっとしたいたずらを発生させる魔法みたいなものを開発しようと思ってさ。」
「いたずらの程度で本物の呪いにもなりそうだけど…。ディーは言い出したら止まらないからなぁ。じゃあそのいたずらの程度は私に決めさせてくれるって条件なら一緒に考えても良いよ。」
そう言ってマードックは急に目を輝かせて、前のめりで嫌がらせ魔法についてアイデアを出し合った。常識的な彼も新しい魔法について考えるのは研究肌タイプのマードックにはワクワクすることなんだろう。
僕らはクスクス笑いながら、腕輪タイプの呪い魔法を作るのに成功した。
「本当はもっとおどろおどろしい方が効果がありそうだけど、まぁこれくらいで勘弁してやろうか。」
僕がそう言うと、マードックは呆れた様に肩をすくめた。
「…私はディーを敵に回したくないね。全身が痒くなるとか、意志に反して全裸になるとかえげつなかっただろう?まぁ、幻想くらいなら可愛げがあるよ。」
「それこそ呪いっぽくて良いでしょ。早くシンディに渡したいな。でもさ、この呪いの腕輪、仕込む内容によっては応用が効くよね。ふふふ。」
マードックは首を振って僕に釘を刺した。
「ディーは使っちゃ駄目だぞ。発想が酷すぎる。可愛い顔して、やろうとする事が怖いんだよ。」
随分な言われようだと思いながら、僕自身はやり返したい相手もいないしこの腕輪を使う機会は無さそうだった。早速シンディに腕輪を渡しながら、僕は使い方を説明した。
「いい?シンディ。絡まれたら腕輪をはめた方の手で相手の手を掴んで、魔剣を使う時の様に魔力を腕輪に流すんだ。そしたら腕輪に仕込んだ魔法が発動する仕組みだよ。」
「仕込んだ魔法ってどんなものなの?」
「それは楽しみにしてて。でも相手の戦意喪失は間違いないよ。」
それから騎士科ではこんな噂が流れる様になった。一年の女騎士を揶揄うと触手の様なものに取り憑かれる。その長くてニョロついた影の様なものは時を選ばずに取り憑いた相手に絡みつくので、場合によっては人前で恥をかく事になると言う恐ろしい噂だった。
「ディー!この腕輪、効果覿面だったよ。私にちょっかい掛ける奴が居なくなってマジでスッキリした!でもあの呪いって何かに似てるよね。何だろ。」
僕はクスクス笑いながらシンディからゲオルグに視線を移してウインクした。
「ああ、ゲオルグなら被害にあった事あるからわかるでしょ?魔鳥の触手を参考にしたんだ。でも実態はそこまでないから被害は軽いと思うけどね?」
顰めた顔をしたゲオルグは、シンディの腕輪を恐ろしげに見つめて呟いた。
「実態がなくても影の様なものに巻き付かれるのは、それはそれで中々ヤバい絵面だったけどな。シンディももうそれ外したらどうだ?万が一側に居る俺に誤作動を起こされたら堪らないからな。」
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