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寮生活
恐るべき魔物
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息を殺していた僕らの前に現れたのは、見るからに恐ろしい魔物だった。毛むくじゃらのぶっとい脚は何本もあって、酷い臭いがした。赤い身体が毒蜘蛛を思わせるけれど、この魔物には恐ろしい性質があった筈だ。
僕はこの魔物を見た事があった。と言っても死骸だったけれど、チビテディの僕にとっては忘れられない記憶だ。
パーカスと討伐応援に行った先で、討伐隊が持ち帰ったひとつにこの蜘蛛を思わせる魔物があった。
「ぱーかちゅ、こわいねー。…これ食べられう?」
そんな僕にパーカスは苦笑して言った。
「流石にこれは食べられんのう。じゃがこの魔物は大型魔物並みの珍しくて貴重な魔石を持っておるんじゃ。それにあの口元にある黄色い牙の様なものが見えるじゃろう?あれも中々手に入らないものじゃよ。」
僕が蜘蛛の魔物の口元を見ると右側に小さなと言っても15cmほどの筒状の牙が生えていた。でもあの感じから言ってもう一本左側にあってもおかしくない。
「ぱーかちゅ、もういっぽん、どこいっちゃ?」
僕が毛むくじゃらの口元を掻き分けて覗き込んでいると、側に居た騎士が笑いながら僕に言った。
「パーカス殿のご子息はさっきまで怖がってしがみ付いて居たのに、もう好奇心を出して並みの騎士よりも頼もしいですなぁ。おい、坊主。その黄色いのに触るなよ?さっき森で一人が打ち込まれて酷い目に遭ってるからな。
俺もあんなのは見た事ないですよ、パーカス殿。大丈夫ですか奴は。」
するとパーカスは首を振って言った。
「…時間は掛かるじゃろう。しかし酷いもんじゃ。あれは毒気が抜けても死んだも同然じゃ。」
すると騎士も険しい顔で腕を組んで頷いて、居心地悪そうに頷いた。
「…まったく。正直自分じゃなくて良かったと思ってしまいましたが、あの状況では呼ばれそうですね…。」
僕は二人を交互に見上げながら、歯切れの悪さを感じていた。
「ちぬの?これあぶにゃい?」
僕が顔を顰めて黄色い牙を指差すと、パーカスが咳払いしておもむろに手袋をした手で黄色い牙をへしり折った。それを皮袋に入れると腰に下げていった。
「ああ、危険じゃ。これは私が直接領主に渡した方が良いじゃろう。」
それから僕は魔石の場所や討伐の方法を聞いたけれど、皆が一様にその魔物を見て嫌な顔をするので、相当手強い魔物なのだと強い印象を受けた。
そんな記憶が一瞬で蘇って、僕はパーカスも居ないこの新人だらけの今の状況に詰んだと思ってしまった。
上級生が間髪入れずに救援花火を打ち上げたのを感じながら、僕らは魔物から目を離す事ができなかった。ギョロギョロと大小の4つの目が僕らを発見したからだ。
僕は思わず手を突き出して火炎放射器の様に炎を魔物に向かって浴びせ掛けた。
毛むくじゃらの割に燃えにくいのか、予想外に火が効かない。とは言え一瞬の足止めが出来た隙を見て、騎士の魔剣が魔物の足を切り刻んだ。
硬い衝撃音と光が炸裂して多少はダメージを与えられたものの、地面に転がった足の一部を見ると、硬い足を切断するには確実に節の間に剣を入れないと無理そうだった。
「口から吐き出す液体に気をつけろ!溶けるぞ!」
今や上級生の騎士も全面に出て剣を振るっている。僕は後方に下がってこの魔物の弱点を思い出そうと頭を巡らせた。どう考えても今の状況じゃ致命傷を負わせられない。
騎士団の救援隊が到着するまで僕らの魔力が持つのを祈るしかなかった。
「脚を切って動きを止めるんだ!」
魔物の稼働域を狭める上級生の作戦の指示に、魔剣が飛び交った。囮となって魔物の注意を引きつけている、魔剣を持たない総合科の二人に僕は頼んだ。
「僕が合図をしたらサッと飛び退いてくれる!?行くよ、3、2、1!」
ケドナー達が合図でサッと横へ逃れた。僕は魔物の注目が僕に向いたのを感じて、口から粘液を吐き出そうとするその瞬間に水魔法を浴びせた。
高等学院でピンポイントにコントロール出来るようになったお陰で、水魔法が鋭い剣のように魔物の口めがけて吸い込まれていく。
次の瞬間、魔物の顔面で熱い飛沫と白い蒸気がモクモクと反応して、魔物の咆哮が聞こえた。
「今だ!脚の付け根の間に魔剣を刺すんだ!」
リーダーの叫びに、彼らが力を振り絞っているのが分かった。僕は多過ぎない水分を休みなく魔物の顔目掛けて送り続けた。粘液と反応した熱い水蒸気で魔物が苦しそうにもがいている。
僕は自分の役割に夢中だったし、注意を払えていなかった。
誰かの僕の名前を呼ぶ声で、残っていた大きな前脚が僕の頭上目掛けて降り掛かってくるのに気づいた。逃げ遅れた僕は、まるでその尖った鎌のような足先が僕に振り下ろされるのを、まるで他人事のように感じながらぼんやり見上げていた。
あ、ヤバい。
次の瞬間、僕はグンっと誰かに抱えられてその魔物からの襲撃から逃れた。地面に突き刺さった鋭い鎌足が力強い魔剣の一振りで切り離されるのを、まるでスローモーションの様に感じながら耳元で懐かしい声を聞いた。
「テディ、私を殺す気か。」
その怒りを滲ませた声の相手を確認する暇もなく、僕は魔物から離れた場所に放り出された。再び魔物に向かう青いマントの後ろ姿を呆然と見つめながら、僕は魔物の鎌足から逃れられた安堵と、久しぶりに顔を合わせたバルトさんを見て心臓が忙しなく動くのを感じていた。
とは言えいつまでも尻餅をついてもいられない。僕は震える膝を両手で叩きながら、動きの止まり始めた魔物の身体が地面に着くのを見逃さなかった。
『この魔物は腹に呼吸器官があるのじゃ。そこを水魔法で埋めれば溺れ死ぬのじゃよ。』
さっきまで思い浮かばなかったパーカスの言葉に導かれる様に、僕は地面に着いた魔物の下腹を包む様に水の膜を作った。呼吸をしようと身体を捻るけれど、支える脚が無くなってしまった魔物はもはや大きな岩同然だった。
地面に染み込む以上の水をどんどんと集めて動きの弱くなった魔物の首の付け根に、騎士科のメンバーが魔剣を突き立てたのが決め手になって、魔物は動かなくなった。
僕たちは思い思いに地面に力尽きて座り込んだ。バルトさん達王国騎士団が数人、上級生と話し込んでるのを横目に、僕はケドナー達が魔石の回収に向かうのを見て渋々立ち上がった。
演習はまだ終わっていない。やるべき事を終わらせないと。
僕は騎士科の一人に頼んで、黄色い牙を二本回収する事にした。根元で切って貰った一本を腕に挟んで、もう一本を受け取ろうとした時、僕の手を滑り落ちた黄色い牙は足元目掛けて落ちて行った。
いつもなら避けられただろうに、疲れ切った身体は動きが悪かった。腕にもう一本挟んで居たのも良くなかったかもしれない。牙はマントをなぞって、僕のズボンを切り裂いて地面に落ちた。
「ディー、大丈夫か!?」
仲間の声を耳にしながら、僕は裂けたズボンの下に見える自分の足から血が滲んでいるのを見た。少し切れてしまった。
「大丈夫。ちょっと切れちゃただけだから…。」
そう言葉にしながら、僕は身体に異変を感じ始めていた。大丈夫じゃないかも…。
「どうした?何かあったのか?」
顔を顰めたバルトさんが、僕らのところにやって来た。
「ちょっと牙が当たって切れちゃったんです。でも大丈夫…じゃないかも。」
僕はもう身体がどくどくと脈打って、立って居られなくなっていた。僕の様子を見てサッと抱き上げてくれたバルトさんが、仲間の騎士に呼びかけた。
「ガルシア、ここを頼む。私は負傷したこの子を家に連れていく。…黄色い牙に傷つけられたんだ。私はこの子の知り合いだ。パーカス殿には連絡をしておいてくれ。」
バルトさんの言葉に妙な緊張感を滲ませて、王国騎士団員達が顔を見合わせた。
「バルトさん…?僕死ぬの…?」
バルトさんは僕の額に唇を押し当てて、安心させる様に微笑んだ。
「少しだけだからそこまで苦しくはないだろう。大丈夫だ。テディ、私に任せてくれるね?」
僕はじわじわと感じるこの覚えのある感覚に戸惑いながらも、頷いて目を閉じた。ああ、不味い。僕は昔パーカスが言った言葉の本当の意味を悟ったんだ。
パーカスの言った死んだも同然という言葉は、社会的な死を意味してたんだって。ああ、僕も早く皆から離れたいよ!早く!
僕はこの魔物を見た事があった。と言っても死骸だったけれど、チビテディの僕にとっては忘れられない記憶だ。
パーカスと討伐応援に行った先で、討伐隊が持ち帰ったひとつにこの蜘蛛を思わせる魔物があった。
「ぱーかちゅ、こわいねー。…これ食べられう?」
そんな僕にパーカスは苦笑して言った。
「流石にこれは食べられんのう。じゃがこの魔物は大型魔物並みの珍しくて貴重な魔石を持っておるんじゃ。それにあの口元にある黄色い牙の様なものが見えるじゃろう?あれも中々手に入らないものじゃよ。」
僕が蜘蛛の魔物の口元を見ると右側に小さなと言っても15cmほどの筒状の牙が生えていた。でもあの感じから言ってもう一本左側にあってもおかしくない。
「ぱーかちゅ、もういっぽん、どこいっちゃ?」
僕が毛むくじゃらの口元を掻き分けて覗き込んでいると、側に居た騎士が笑いながら僕に言った。
「パーカス殿のご子息はさっきまで怖がってしがみ付いて居たのに、もう好奇心を出して並みの騎士よりも頼もしいですなぁ。おい、坊主。その黄色いのに触るなよ?さっき森で一人が打ち込まれて酷い目に遭ってるからな。
俺もあんなのは見た事ないですよ、パーカス殿。大丈夫ですか奴は。」
するとパーカスは首を振って言った。
「…時間は掛かるじゃろう。しかし酷いもんじゃ。あれは毒気が抜けても死んだも同然じゃ。」
すると騎士も険しい顔で腕を組んで頷いて、居心地悪そうに頷いた。
「…まったく。正直自分じゃなくて良かったと思ってしまいましたが、あの状況では呼ばれそうですね…。」
僕は二人を交互に見上げながら、歯切れの悪さを感じていた。
「ちぬの?これあぶにゃい?」
僕が顔を顰めて黄色い牙を指差すと、パーカスが咳払いしておもむろに手袋をした手で黄色い牙をへしり折った。それを皮袋に入れると腰に下げていった。
「ああ、危険じゃ。これは私が直接領主に渡した方が良いじゃろう。」
それから僕は魔石の場所や討伐の方法を聞いたけれど、皆が一様にその魔物を見て嫌な顔をするので、相当手強い魔物なのだと強い印象を受けた。
そんな記憶が一瞬で蘇って、僕はパーカスも居ないこの新人だらけの今の状況に詰んだと思ってしまった。
上級生が間髪入れずに救援花火を打ち上げたのを感じながら、僕らは魔物から目を離す事ができなかった。ギョロギョロと大小の4つの目が僕らを発見したからだ。
僕は思わず手を突き出して火炎放射器の様に炎を魔物に向かって浴びせ掛けた。
毛むくじゃらの割に燃えにくいのか、予想外に火が効かない。とは言え一瞬の足止めが出来た隙を見て、騎士の魔剣が魔物の足を切り刻んだ。
硬い衝撃音と光が炸裂して多少はダメージを与えられたものの、地面に転がった足の一部を見ると、硬い足を切断するには確実に節の間に剣を入れないと無理そうだった。
「口から吐き出す液体に気をつけろ!溶けるぞ!」
今や上級生の騎士も全面に出て剣を振るっている。僕は後方に下がってこの魔物の弱点を思い出そうと頭を巡らせた。どう考えても今の状況じゃ致命傷を負わせられない。
騎士団の救援隊が到着するまで僕らの魔力が持つのを祈るしかなかった。
「脚を切って動きを止めるんだ!」
魔物の稼働域を狭める上級生の作戦の指示に、魔剣が飛び交った。囮となって魔物の注意を引きつけている、魔剣を持たない総合科の二人に僕は頼んだ。
「僕が合図をしたらサッと飛び退いてくれる!?行くよ、3、2、1!」
ケドナー達が合図でサッと横へ逃れた。僕は魔物の注目が僕に向いたのを感じて、口から粘液を吐き出そうとするその瞬間に水魔法を浴びせた。
高等学院でピンポイントにコントロール出来るようになったお陰で、水魔法が鋭い剣のように魔物の口めがけて吸い込まれていく。
次の瞬間、魔物の顔面で熱い飛沫と白い蒸気がモクモクと反応して、魔物の咆哮が聞こえた。
「今だ!脚の付け根の間に魔剣を刺すんだ!」
リーダーの叫びに、彼らが力を振り絞っているのが分かった。僕は多過ぎない水分を休みなく魔物の顔目掛けて送り続けた。粘液と反応した熱い水蒸気で魔物が苦しそうにもがいている。
僕は自分の役割に夢中だったし、注意を払えていなかった。
誰かの僕の名前を呼ぶ声で、残っていた大きな前脚が僕の頭上目掛けて降り掛かってくるのに気づいた。逃げ遅れた僕は、まるでその尖った鎌のような足先が僕に振り下ろされるのを、まるで他人事のように感じながらぼんやり見上げていた。
あ、ヤバい。
次の瞬間、僕はグンっと誰かに抱えられてその魔物からの襲撃から逃れた。地面に突き刺さった鋭い鎌足が力強い魔剣の一振りで切り離されるのを、まるでスローモーションの様に感じながら耳元で懐かしい声を聞いた。
「テディ、私を殺す気か。」
その怒りを滲ませた声の相手を確認する暇もなく、僕は魔物から離れた場所に放り出された。再び魔物に向かう青いマントの後ろ姿を呆然と見つめながら、僕は魔物の鎌足から逃れられた安堵と、久しぶりに顔を合わせたバルトさんを見て心臓が忙しなく動くのを感じていた。
とは言えいつまでも尻餅をついてもいられない。僕は震える膝を両手で叩きながら、動きの止まり始めた魔物の身体が地面に着くのを見逃さなかった。
『この魔物は腹に呼吸器官があるのじゃ。そこを水魔法で埋めれば溺れ死ぬのじゃよ。』
さっきまで思い浮かばなかったパーカスの言葉に導かれる様に、僕は地面に着いた魔物の下腹を包む様に水の膜を作った。呼吸をしようと身体を捻るけれど、支える脚が無くなってしまった魔物はもはや大きな岩同然だった。
地面に染み込む以上の水をどんどんと集めて動きの弱くなった魔物の首の付け根に、騎士科のメンバーが魔剣を突き立てたのが決め手になって、魔物は動かなくなった。
僕たちは思い思いに地面に力尽きて座り込んだ。バルトさん達王国騎士団が数人、上級生と話し込んでるのを横目に、僕はケドナー達が魔石の回収に向かうのを見て渋々立ち上がった。
演習はまだ終わっていない。やるべき事を終わらせないと。
僕は騎士科の一人に頼んで、黄色い牙を二本回収する事にした。根元で切って貰った一本を腕に挟んで、もう一本を受け取ろうとした時、僕の手を滑り落ちた黄色い牙は足元目掛けて落ちて行った。
いつもなら避けられただろうに、疲れ切った身体は動きが悪かった。腕にもう一本挟んで居たのも良くなかったかもしれない。牙はマントをなぞって、僕のズボンを切り裂いて地面に落ちた。
「ディー、大丈夫か!?」
仲間の声を耳にしながら、僕は裂けたズボンの下に見える自分の足から血が滲んでいるのを見た。少し切れてしまった。
「大丈夫。ちょっと切れちゃただけだから…。」
そう言葉にしながら、僕は身体に異変を感じ始めていた。大丈夫じゃないかも…。
「どうした?何かあったのか?」
顔を顰めたバルトさんが、僕らのところにやって来た。
「ちょっと牙が当たって切れちゃったんです。でも大丈夫…じゃないかも。」
僕はもう身体がどくどくと脈打って、立って居られなくなっていた。僕の様子を見てサッと抱き上げてくれたバルトさんが、仲間の騎士に呼びかけた。
「ガルシア、ここを頼む。私は負傷したこの子を家に連れていく。…黄色い牙に傷つけられたんだ。私はこの子の知り合いだ。パーカス殿には連絡をしておいてくれ。」
バルトさんの言葉に妙な緊張感を滲ませて、王国騎士団員達が顔を見合わせた。
「バルトさん…?僕死ぬの…?」
バルトさんは僕の額に唇を押し当てて、安心させる様に微笑んだ。
「少しだけだからそこまで苦しくはないだろう。大丈夫だ。テディ、私に任せてくれるね?」
僕はじわじわと感じるこの覚えのある感覚に戸惑いながらも、頷いて目を閉じた。ああ、不味い。僕は昔パーカスが言った言葉の本当の意味を悟ったんだ。
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