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放浪記
ただいま
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「テディ!久しぶりだね!」
そう声を掛けてきたのはジェシーのお兄ちゃんだ。相変わらずスマートなお兄さんは優しい笑顔を浮かべている。僕はキョロキョロ周囲を見回してお兄ちゃんに尋ねた。
「じぇちーは?」
いつも僕にぶつかる勢いで走ってくるジェシーの姿が見当たらない。するとお兄ちゃんは苦笑して言った。
「ちょっと風邪ひいちゃったんだ。でもテディが帰ってきたって知ったら直ぐに治っちゃいそうだね。」
僕はあのジェシーが風邪とか引く様なタイプだと思っていなかったので目を丸くして眉を顰めた。
「…だいじょぶ?じぇちー、お熱ある?」
お兄ちゃんは心配そうに顔を曇らせて頷いた。
「しばらく前から、熱が上がったり下がったりで、僕も心配なんだよ。本人は案外元気そうなんだけどね。今は熱がないんだけど…。」
僕は一緒に話を聞いていたパーカスを見上げて頼んだ。
「じぇちー、おみまい、いく!」
パーカスは僕にうつるかもしれないと言ってたけど、熱が下がっているのならと頷いてくれた。一緒にいたメダはジェシーが小さな獣人の男の子だと知ると興味を失ったみたいで、先に帰るとさっさと戻っていってしまった。
本当あの神さまは自由人だ。別にいいけど。神さまが居ない方が、ジェシー一家も安全だろう。
お兄ちゃんに連れられて、手土産を手に懐かしのケント家にお邪魔すると、耳の大きなジェシーのお母さんが僕らを迎えてくれた。
「まぁ、テディに隠者様。お見舞いに来てくれたんですか?丁度今目が覚めているので、会ってやって下さいな。何だかすっきりしなくて私も心配してるんですけど、薬師様は軽い風邪だとおっしゃるばかりで。」
僕は想像よりジェシーが長く寝込んでいる事を知って、急に心配になった。案内されてジェシーの部屋に入ると、ジェシーは枕に埋もれて天井を見上げていた。
「じぇちー、おみまい、来ちゃよ?」
僕がそう言ってジェシーに近づくと、ジェシーは目を丸くして次の瞬間にっこりと笑った。
「…テディ!帰ってきたの!?随分いないから、俺心配してたんだ。おみまい?あー、ありがと。俺元気なのに、直ぐ熱出ちゃうんだ。困ったよ。」
ジェシーは顔色はそこまで悪くはなかった。どちらかと言うと元気そうだ。パーカスがお母さんに尋ねた。
「食欲はどうじゃの?見たところ元気そうじゃ。」
するとお母さんは困った様に言った。
「食欲はあるんですが、食べると熱が出てしまうんです。だからって食べさせない訳にもいかなくて。」
ジェシーが遊び回れないなんて可哀想だ。僕はジェシーのベッドに座って、早く治る様に祈りながら僕より少し大きな手をぎゅっと握った。急に血の気が引いた気がして、僕はパッと手を離した。この感覚には覚えがある。
僕はパーカスを見上げた。
「じぇちー、僕のまそ、すったみたい…。」
途端にお腹が空いた気がして、僕はお腹を撫でながらジェシーを見た。ジェシーは目を見開きながら手をにぎにぎしている。
「何か俺、治った!元気なった!」
僕たちが呆然としていると、ジェシーはベッドから飛び出して部屋の中を駆けずり回った。うん、いつものジェシーだ。一体どう言う事なんだろう。するとパーカスは目を見開いているお母さんに向かって言った。
「もしかしたら、ジェシーは体質が変化したのかもしれんのう。稀に後天性で魔素を貯める体質のものがおるんじゃよ。大人になってから意識的に魔素を増やすのとは違って、小さな身体で急に魔素が蓄積されると、あちこち不調になるんじゃ。
食事の度に熱が出ていたのは、魔素が急に増えて身体に負担になっていたのかもしれんの。普通は食事で取り込める魔素は僅かじゃが、ジェシーは食事に含まれる魔素のほとんどを貯めてしまっておったのじゃ。」
パーカスは僕の頭を撫でて呟いた。
「テディの魔素は特別じゃ。テディの魔素が僅かに流れ込んで、ジェシーの身体の中のバランスが整ったのかもしれんの。
とは言え、魔素を貯める体質になったのは多分そうなのじゃから、一度薬師に見せて管理してもらう方が良いじゃろう。必要なら魔力の使い方を早めに覚えて、多過ぎる魔素を身体の外に出すことじゃ。」
ジェシー、魔素体質になったんだ。僕の魔素が吸われた気がしたけど、まぁそれはジェシーが元気になったから目を瞑ろう。
すっかりはしゃぐジェシーに引っ張られて僕らが部屋を出ると、やっぱり目を丸くしてるお兄ちゃんにちょっと笑ってしまった。でも皆がジェシーがいつも通りになった姿を見て、安堵して喜んでいるのが感じられて僕まで嬉しくなった。
「じぇちー、まそいっぱい?じゃあ、きちなれる、ねー。」
僕がそう言うと、ジェシー一家は顔を見合わせた。
「そうか、魔力が増える事になったら、魔剣が使える様になるんだね。ジェシー、王国騎士団になれるかもしれないよ?」
お兄ちゃんがそう言うとジェシーは分かりやすく張り切った。椅子から飛び降りて自分のおもちゃの剣を手にして、部屋を走り回るから、僕らはジェシーが元気になった姿が嬉しくて馬鹿みたいに笑ったんだ。
「本当にありがとうございました。ジェシーがこんなに元気だった事、すっかり忘れていましたわ。テディお見舞いに来てくれてありがとう。この子が元気になったのはテディのお陰ですもの。」
僕がジェシーに魔素をあげたのか、吸われたのか、実際はどうなのか分からないけど、結果良ければ全て良しだ。僕はケント一家にバイバイすると、歩き出した。…主に歩くのは僕を抱っこしてるパーカスだけど。
「ぱーかちゅ、じぇちーは、僕のまそ、すった?僕が、じぇちーにまそ、わたちた?」
パーカスはしばらく黙っていたけれど、首を傾げた。
「さて、どうじゃろうの。メダ様なら分かるかもしれんが。それより早く戻って食事を取らねばな。…少し顔色が悪い様じゃ。」
ああ、一瞬だったけれど、結構一気に魔素が無くなった気がしたもんね。さっきミルも飲んだけど、まだ足りない。僕、魔素の沢山入った特別仕様の魔素クッキーとか作った方が良いんじゃないかな。こんな時のために。
そんな事を考えながら抱っこで揺れていると、あっという間に睡魔に襲われて眠ってしまった。
気がつけば、僕は辺境のお家の結界の外に到着していた。
『ほれ、テディ。到着したぞ?』
黒い竜のパーカスにそう言われて、のそのそ手の中から這い出ると、玄関からメダがこちらに歩いてくるのが見えた。お迎えに来てくれたのかな。
メダはパーカスに安全ベルトを外してもらう僕を見下ろしながら、ボソリと呟いた。
「なんだ、また魔素が少なくなってるな。濁りはない様だが…。お前は目を離すと直ぐこれだ。まったく。食事が必要だな。」
そう言うと僕をヒョイと抱き上げてお家まで運んでくれたけど、これってメダが優しいのか、それとも自分のデザートが減って増やさなきゃと私利私欲に走ってるのか、一体どちらなんだろうね?
そう声を掛けてきたのはジェシーのお兄ちゃんだ。相変わらずスマートなお兄さんは優しい笑顔を浮かべている。僕はキョロキョロ周囲を見回してお兄ちゃんに尋ねた。
「じぇちーは?」
いつも僕にぶつかる勢いで走ってくるジェシーの姿が見当たらない。するとお兄ちゃんは苦笑して言った。
「ちょっと風邪ひいちゃったんだ。でもテディが帰ってきたって知ったら直ぐに治っちゃいそうだね。」
僕はあのジェシーが風邪とか引く様なタイプだと思っていなかったので目を丸くして眉を顰めた。
「…だいじょぶ?じぇちー、お熱ある?」
お兄ちゃんは心配そうに顔を曇らせて頷いた。
「しばらく前から、熱が上がったり下がったりで、僕も心配なんだよ。本人は案外元気そうなんだけどね。今は熱がないんだけど…。」
僕は一緒に話を聞いていたパーカスを見上げて頼んだ。
「じぇちー、おみまい、いく!」
パーカスは僕にうつるかもしれないと言ってたけど、熱が下がっているのならと頷いてくれた。一緒にいたメダはジェシーが小さな獣人の男の子だと知ると興味を失ったみたいで、先に帰るとさっさと戻っていってしまった。
本当あの神さまは自由人だ。別にいいけど。神さまが居ない方が、ジェシー一家も安全だろう。
お兄ちゃんに連れられて、手土産を手に懐かしのケント家にお邪魔すると、耳の大きなジェシーのお母さんが僕らを迎えてくれた。
「まぁ、テディに隠者様。お見舞いに来てくれたんですか?丁度今目が覚めているので、会ってやって下さいな。何だかすっきりしなくて私も心配してるんですけど、薬師様は軽い風邪だとおっしゃるばかりで。」
僕は想像よりジェシーが長く寝込んでいる事を知って、急に心配になった。案内されてジェシーの部屋に入ると、ジェシーは枕に埋もれて天井を見上げていた。
「じぇちー、おみまい、来ちゃよ?」
僕がそう言ってジェシーに近づくと、ジェシーは目を丸くして次の瞬間にっこりと笑った。
「…テディ!帰ってきたの!?随分いないから、俺心配してたんだ。おみまい?あー、ありがと。俺元気なのに、直ぐ熱出ちゃうんだ。困ったよ。」
ジェシーは顔色はそこまで悪くはなかった。どちらかと言うと元気そうだ。パーカスがお母さんに尋ねた。
「食欲はどうじゃの?見たところ元気そうじゃ。」
するとお母さんは困った様に言った。
「食欲はあるんですが、食べると熱が出てしまうんです。だからって食べさせない訳にもいかなくて。」
ジェシーが遊び回れないなんて可哀想だ。僕はジェシーのベッドに座って、早く治る様に祈りながら僕より少し大きな手をぎゅっと握った。急に血の気が引いた気がして、僕はパッと手を離した。この感覚には覚えがある。
僕はパーカスを見上げた。
「じぇちー、僕のまそ、すったみたい…。」
途端にお腹が空いた気がして、僕はお腹を撫でながらジェシーを見た。ジェシーは目を見開きながら手をにぎにぎしている。
「何か俺、治った!元気なった!」
僕たちが呆然としていると、ジェシーはベッドから飛び出して部屋の中を駆けずり回った。うん、いつものジェシーだ。一体どう言う事なんだろう。するとパーカスは目を見開いているお母さんに向かって言った。
「もしかしたら、ジェシーは体質が変化したのかもしれんのう。稀に後天性で魔素を貯める体質のものがおるんじゃよ。大人になってから意識的に魔素を増やすのとは違って、小さな身体で急に魔素が蓄積されると、あちこち不調になるんじゃ。
食事の度に熱が出ていたのは、魔素が急に増えて身体に負担になっていたのかもしれんの。普通は食事で取り込める魔素は僅かじゃが、ジェシーは食事に含まれる魔素のほとんどを貯めてしまっておったのじゃ。」
パーカスは僕の頭を撫でて呟いた。
「テディの魔素は特別じゃ。テディの魔素が僅かに流れ込んで、ジェシーの身体の中のバランスが整ったのかもしれんの。
とは言え、魔素を貯める体質になったのは多分そうなのじゃから、一度薬師に見せて管理してもらう方が良いじゃろう。必要なら魔力の使い方を早めに覚えて、多過ぎる魔素を身体の外に出すことじゃ。」
ジェシー、魔素体質になったんだ。僕の魔素が吸われた気がしたけど、まぁそれはジェシーが元気になったから目を瞑ろう。
すっかりはしゃぐジェシーに引っ張られて僕らが部屋を出ると、やっぱり目を丸くしてるお兄ちゃんにちょっと笑ってしまった。でも皆がジェシーがいつも通りになった姿を見て、安堵して喜んでいるのが感じられて僕まで嬉しくなった。
「じぇちー、まそいっぱい?じゃあ、きちなれる、ねー。」
僕がそう言うと、ジェシー一家は顔を見合わせた。
「そうか、魔力が増える事になったら、魔剣が使える様になるんだね。ジェシー、王国騎士団になれるかもしれないよ?」
お兄ちゃんがそう言うとジェシーは分かりやすく張り切った。椅子から飛び降りて自分のおもちゃの剣を手にして、部屋を走り回るから、僕らはジェシーが元気になった姿が嬉しくて馬鹿みたいに笑ったんだ。
「本当にありがとうございました。ジェシーがこんなに元気だった事、すっかり忘れていましたわ。テディお見舞いに来てくれてありがとう。この子が元気になったのはテディのお陰ですもの。」
僕がジェシーに魔素をあげたのか、吸われたのか、実際はどうなのか分からないけど、結果良ければ全て良しだ。僕はケント一家にバイバイすると、歩き出した。…主に歩くのは僕を抱っこしてるパーカスだけど。
「ぱーかちゅ、じぇちーは、僕のまそ、すった?僕が、じぇちーにまそ、わたちた?」
パーカスはしばらく黙っていたけれど、首を傾げた。
「さて、どうじゃろうの。メダ様なら分かるかもしれんが。それより早く戻って食事を取らねばな。…少し顔色が悪い様じゃ。」
ああ、一瞬だったけれど、結構一気に魔素が無くなった気がしたもんね。さっきミルも飲んだけど、まだ足りない。僕、魔素の沢山入った特別仕様の魔素クッキーとか作った方が良いんじゃないかな。こんな時のために。
そんな事を考えながら抱っこで揺れていると、あっという間に睡魔に襲われて眠ってしまった。
気がつけば、僕は辺境のお家の結界の外に到着していた。
『ほれ、テディ。到着したぞ?』
黒い竜のパーカスにそう言われて、のそのそ手の中から這い出ると、玄関からメダがこちらに歩いてくるのが見えた。お迎えに来てくれたのかな。
メダはパーカスに安全ベルトを外してもらう僕を見下ろしながら、ボソリと呟いた。
「なんだ、また魔素が少なくなってるな。濁りはない様だが…。お前は目を離すと直ぐこれだ。まったく。食事が必要だな。」
そう言うと僕をヒョイと抱き上げてお家まで運んでくれたけど、これってメダが優しいのか、それとも自分のデザートが減って増やさなきゃと私利私欲に走ってるのか、一体どちらなんだろうね?
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