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放浪記
王都でーと?
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バルトさんに抱っこされながら、色々な店を覗いて回っている。最初は手を繋いでいたのだけど、いかんせん僕がチビすぎて、雑踏にまみれて王都の人達をギョッとさせがちなので諦めて抱っこされてる。
僕としてはそぞろ歩きも楽しかったんだけどね…。
バルトさんは機嫌良く、僕に色々な店を指差して行きたいかどうか聞いてくれる。なんか凄い接待されてる気がするけど、バルトさんて僕の事好き過ぎない?バルトさんて小さい僕も好きなのかな。
「テディ、この店は美味しいお菓子が食べられるんだよ。入ろうか?」
店の中に入ると、大きな瓶に入ったクッキーみたいなものや、パウンドケーキの様なものが沢山並んでいた。何処かで見た事のあるクッキーをじっと見て、僕はバルトさんに言った。
「これ、僕に、送ってくれちゃ?」
バルトさんは嬉しそうに微笑んだ。定期便で僕に送ってくれたお菓子屋さんのひとつだったみたいだ。
目の前にケーキを並べて向かい合うと、バルトさんが食べやすく切って僕に差し出してくれた。僕が口に頬張るのを見て嬉しげに微笑むと、バルトさんは言った。
「テディが私の送ったお菓子を覚えていてくれて嬉しいよ。初めてテディに会った時に酷い事を言ってしまって、私はずっと胸が痛んで苦しかったんだ。
傷ついたのはテディだったのにおかしいだろう?でも、あんなに後悔したのは初めてだった。
だからお詫びになるかと思って王都のお菓子を贈ったんだけど、それは私の自己満足に過ぎなかったんだ。でもしばらく経って、テディがそれを喜んでくれてるって知ってどんなに嬉しかったか。
それからは王都に美味しいと評判の店を巡り歩くのが癖になってしまって、テディに贈るのが私の楽しみになったんだ。」
うーん、バルトさんの推し活が凄い。僕への課金が結構積み重なっているんじゃ無いのかな。
「ばるとしゃん、お金、なくなっちゃう、ねー?」
僕が心配になってそう言うと、バルトさんは楽しそうに笑った。
「どうして?テディの喜ぶ事にお金を払うのは、全然苦じゃ無いよ。それに私は案外お金持ちなんだ。心配いらないよ。」
お金持ちなの?じゃあいいか。でも一方的に貢がれるのは、何だか申し訳ない気持ちになっちゃうな。僕はバルトさんがせっせと僕の口元に運ぶケーキをムグムグ頬張りながら、何かお礼が出来ないかと考えた。
「ばるとしゃん、僕に、ちてほちい事、ある?」
僕がミルをゴクゴク飲み干してそう尋ねると、バルトさんは僕の口元を拭きながら、機嫌良く言った。
「こうして一緒に美味しいものを食べられるだけで十分だよ。今日は特に二人きりだしね。」
二人きりと言われても、僕みたいなおチビと一緒に過ごして大人のバルトさんにメリットはあるのかな。僕が大きくなったら、もっとデートっぽいだろうけど。ん?これってデートなのかな。
「ばるとしゃん、おおきくなっちゃ僕、すきでちょ?でも、僕おチビよ?ちょれでも良いの?」
するとバルトさんは少し目を見開いて、瞳の色を巡らせた。ピンクや紫色がよぎるのが興味深い。
「テディがどんな姿だとしても、テディの本質は変わらないだろう?もちろん成長した姿のテディはとても魅力的だと思うけどね。テディの今の姿もすごく可愛いらしいから、私は一緒にいるだけで嬉しいんだよ。」
そう言って微笑むバルトさんは、こうして見ると凄くカッコいい竜人なんだと改めて思った。以前は竜人はどの人も一括りに美形だと思っていたけれど、最近はそれぞれの違いが良くわかるようになって来たんだ。
そんな目で見るとバルトさんは他の竜人よりも冴え冴えとした一見冷たそうな美貌の持ち主なんだ。鋭い眼差しも相まって多分安易に話しかけられない雰囲気がある。
でも僕と一緒に居る時のバルトさんは、優しい表情で微笑む事が多くて、イケメンぶりが激上ってる。思わず見惚れていると、困った顔で僕に尋ねた。
「何だい?」
僕は何でもないと首を振って、お土産に買ってくれた瓶詰めのクッキーを眺めた。いつもの僕ならカッコいいって言うのに、何故だか言えなかった。
それから僕たちは広場のベンチに腰掛けて、王都の賑やかな様子を眺めて楽しんだ。
「おうとも楽ちいけど、僕、へんきょうもすきよ?ぱーかちゅとのんびりちゅるの、すきだから。」
僕がそう言うと、バルトさんが前を見つめながら呟いた。
「私はパーカス殿とテディの二人の様子を見ていると、何とも言えない気持ちになるんだ。二人は血が繋がっている訳じゃないのに、愛情に溢れているだろう?
私は両親とそんな関係ではないから、二人を見ていると酷く憧れを感じるのかもしれない。いくら血筋が良くても、そこに愛情が無ければ血筋を繋ぐ意味はあるのかと考えてしまうよ。」
僕はバルトさんのそんな葛藤を知って、何処の世界も親子の関係は喜びになる一方で、悩みにもなるのは変わらないのだと思った。
僕はにっこり笑ってバルトさんに言った。
「でも、ばるとしゃん、ここいるでちょ?いみ、あるでちょ?」
バルトさんは、僕をじっと見つめてしばらく黙っていた。僕、何か変な事言ってしまっただろうか。バルトさんはフフと少し笑うと、少し晴れやかな表情で僕に笑いかけた。
「ああ、本当だ。血統を繋ぐ事に囚われていたのは私の方だったのかもしれないね。何も親の真似をする必要はないのだから、私は彼らを反面教師にして、パーカス殿とテディの様な心が温かくなるような関係を築けば良いんだ。
…その前に私は自分の伴侶を得る事が先になるのだけれどね。パーカス殿の様に番いに出会えたらどんなに幸せな事だろう。
最近では竜人の間でも、番いなどと言うものは夢物語ではないかと思われ始めているんだ。でも私は自分の番いを見つけられる気がするよ。」
僕はバルトさんの話を聞きながら、人間には番いの概念は無いと思った。運命の相手と思って結ばれたカップルが、直ぐに別れていくのだから、運命とは随分軽くなっている。
番いというのは、その運命をも超越した関係なのだろうか。何百年もお互いに思い合うというのは、僕には全然想像もつかないよ。僕はバルトさんの何処かすっきりした横顔をチラッと見ると呟いた。
「にんげん、ちゅぐ好きになりゅ。でも、ちゅぐ嫌いになりゅ。ちょれって、いのち、少しのちぇいかもちれない。忙ちいでちょ?…つがい?ちょっと、うらやまちいねー。」
僕だって大きくなったら、誰かと唯一無二の存在になりたい。それってどんな気持ちになるんだろうな。
僕はベンチからよっこらせと注意深く降りると、広場の向こう側の美味しそうなドーナツの様なものが売っているお店を指差してバルトさんに言った。
「僕のおちごと、大きくなることよ?あれ食べて、大きくなりゅの、ねー。」
バルトさんは、そんな僕に微笑んで手を繋ぐと立ち上がった。
「ああ、そうだね。テディは大きくなるのが先だね。私もせいぜいテディに嫌われない様に頑張るよ。ハハハ。」
僕はバルトさんと手を繋いで歩きながら、僕はバルトさんの事がすっかり好きになっている事に気づいていた。もっともどんな種類の好きかどうかは僕にもよく分からなかったけどね?
僕としてはそぞろ歩きも楽しかったんだけどね…。
バルトさんは機嫌良く、僕に色々な店を指差して行きたいかどうか聞いてくれる。なんか凄い接待されてる気がするけど、バルトさんて僕の事好き過ぎない?バルトさんて小さい僕も好きなのかな。
「テディ、この店は美味しいお菓子が食べられるんだよ。入ろうか?」
店の中に入ると、大きな瓶に入ったクッキーみたいなものや、パウンドケーキの様なものが沢山並んでいた。何処かで見た事のあるクッキーをじっと見て、僕はバルトさんに言った。
「これ、僕に、送ってくれちゃ?」
バルトさんは嬉しそうに微笑んだ。定期便で僕に送ってくれたお菓子屋さんのひとつだったみたいだ。
目の前にケーキを並べて向かい合うと、バルトさんが食べやすく切って僕に差し出してくれた。僕が口に頬張るのを見て嬉しげに微笑むと、バルトさんは言った。
「テディが私の送ったお菓子を覚えていてくれて嬉しいよ。初めてテディに会った時に酷い事を言ってしまって、私はずっと胸が痛んで苦しかったんだ。
傷ついたのはテディだったのにおかしいだろう?でも、あんなに後悔したのは初めてだった。
だからお詫びになるかと思って王都のお菓子を贈ったんだけど、それは私の自己満足に過ぎなかったんだ。でもしばらく経って、テディがそれを喜んでくれてるって知ってどんなに嬉しかったか。
それからは王都に美味しいと評判の店を巡り歩くのが癖になってしまって、テディに贈るのが私の楽しみになったんだ。」
うーん、バルトさんの推し活が凄い。僕への課金が結構積み重なっているんじゃ無いのかな。
「ばるとしゃん、お金、なくなっちゃう、ねー?」
僕が心配になってそう言うと、バルトさんは楽しそうに笑った。
「どうして?テディの喜ぶ事にお金を払うのは、全然苦じゃ無いよ。それに私は案外お金持ちなんだ。心配いらないよ。」
お金持ちなの?じゃあいいか。でも一方的に貢がれるのは、何だか申し訳ない気持ちになっちゃうな。僕はバルトさんがせっせと僕の口元に運ぶケーキをムグムグ頬張りながら、何かお礼が出来ないかと考えた。
「ばるとしゃん、僕に、ちてほちい事、ある?」
僕がミルをゴクゴク飲み干してそう尋ねると、バルトさんは僕の口元を拭きながら、機嫌良く言った。
「こうして一緒に美味しいものを食べられるだけで十分だよ。今日は特に二人きりだしね。」
二人きりと言われても、僕みたいなおチビと一緒に過ごして大人のバルトさんにメリットはあるのかな。僕が大きくなったら、もっとデートっぽいだろうけど。ん?これってデートなのかな。
「ばるとしゃん、おおきくなっちゃ僕、すきでちょ?でも、僕おチビよ?ちょれでも良いの?」
するとバルトさんは少し目を見開いて、瞳の色を巡らせた。ピンクや紫色がよぎるのが興味深い。
「テディがどんな姿だとしても、テディの本質は変わらないだろう?もちろん成長した姿のテディはとても魅力的だと思うけどね。テディの今の姿もすごく可愛いらしいから、私は一緒にいるだけで嬉しいんだよ。」
そう言って微笑むバルトさんは、こうして見ると凄くカッコいい竜人なんだと改めて思った。以前は竜人はどの人も一括りに美形だと思っていたけれど、最近はそれぞれの違いが良くわかるようになって来たんだ。
そんな目で見るとバルトさんは他の竜人よりも冴え冴えとした一見冷たそうな美貌の持ち主なんだ。鋭い眼差しも相まって多分安易に話しかけられない雰囲気がある。
でも僕と一緒に居る時のバルトさんは、優しい表情で微笑む事が多くて、イケメンぶりが激上ってる。思わず見惚れていると、困った顔で僕に尋ねた。
「何だい?」
僕は何でもないと首を振って、お土産に買ってくれた瓶詰めのクッキーを眺めた。いつもの僕ならカッコいいって言うのに、何故だか言えなかった。
それから僕たちは広場のベンチに腰掛けて、王都の賑やかな様子を眺めて楽しんだ。
「おうとも楽ちいけど、僕、へんきょうもすきよ?ぱーかちゅとのんびりちゅるの、すきだから。」
僕がそう言うと、バルトさんが前を見つめながら呟いた。
「私はパーカス殿とテディの二人の様子を見ていると、何とも言えない気持ちになるんだ。二人は血が繋がっている訳じゃないのに、愛情に溢れているだろう?
私は両親とそんな関係ではないから、二人を見ていると酷く憧れを感じるのかもしれない。いくら血筋が良くても、そこに愛情が無ければ血筋を繋ぐ意味はあるのかと考えてしまうよ。」
僕はバルトさんのそんな葛藤を知って、何処の世界も親子の関係は喜びになる一方で、悩みにもなるのは変わらないのだと思った。
僕はにっこり笑ってバルトさんに言った。
「でも、ばるとしゃん、ここいるでちょ?いみ、あるでちょ?」
バルトさんは、僕をじっと見つめてしばらく黙っていた。僕、何か変な事言ってしまっただろうか。バルトさんはフフと少し笑うと、少し晴れやかな表情で僕に笑いかけた。
「ああ、本当だ。血統を繋ぐ事に囚われていたのは私の方だったのかもしれないね。何も親の真似をする必要はないのだから、私は彼らを反面教師にして、パーカス殿とテディの様な心が温かくなるような関係を築けば良いんだ。
…その前に私は自分の伴侶を得る事が先になるのだけれどね。パーカス殿の様に番いに出会えたらどんなに幸せな事だろう。
最近では竜人の間でも、番いなどと言うものは夢物語ではないかと思われ始めているんだ。でも私は自分の番いを見つけられる気がするよ。」
僕はバルトさんの話を聞きながら、人間には番いの概念は無いと思った。運命の相手と思って結ばれたカップルが、直ぐに別れていくのだから、運命とは随分軽くなっている。
番いというのは、その運命をも超越した関係なのだろうか。何百年もお互いに思い合うというのは、僕には全然想像もつかないよ。僕はバルトさんの何処かすっきりした横顔をチラッと見ると呟いた。
「にんげん、ちゅぐ好きになりゅ。でも、ちゅぐ嫌いになりゅ。ちょれって、いのち、少しのちぇいかもちれない。忙ちいでちょ?…つがい?ちょっと、うらやまちいねー。」
僕だって大きくなったら、誰かと唯一無二の存在になりたい。それってどんな気持ちになるんだろうな。
僕はベンチからよっこらせと注意深く降りると、広場の向こう側の美味しそうなドーナツの様なものが売っているお店を指差してバルトさんに言った。
「僕のおちごと、大きくなることよ?あれ食べて、大きくなりゅの、ねー。」
バルトさんは、そんな僕に微笑んで手を繋ぐと立ち上がった。
「ああ、そうだね。テディは大きくなるのが先だね。私もせいぜいテディに嫌われない様に頑張るよ。ハハハ。」
僕はバルトさんと手を繋いで歩きながら、僕はバルトさんの事がすっかり好きになっている事に気づいていた。もっともどんな種類の好きかどうかは僕にもよく分からなかったけどね?
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