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トラブルメーカー
語り部
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僕は手首を撫でながら教室に入った。僕が入っていくと、一際大きくザワザワした気がしたけど気のせいだろうか。
後ろの自分の席に座ると、やっぱりチラチラと僕の方を見るけど、一体どうしたっていうんだろう。けれど、そんな疑問は興奮気味のシンディが教室に入ってくると途端に解決した。
「ディー!おはよぅ!ね、パーカス様が死の沼に囚われたって本当なの!?」
皆もシンディと僕を交互に興味津々で見ている。…ああ、そう言うこと。死の沼はこの国ではセンセーショナルな出来事だったみたいだ。実際150年ぶりなのだから、子供達にとってもそうだろう。
僕は重々しく頷いた。
「ああ、その事。僕も助けに行ったからね。実際大変だったよ。」
途端に僕の周囲に生徒達が詳細を教えてくれと集まってきた。僕よりガタイの大きな生徒達が集まって来られると圧が凄い…。すると急に視界が開けて、ぬっとゲオルグが顔を出した。
「…ここでなくとも話は聞こえるだろ。自分の席につけよ。」
皆渋々ゲオルグの顔色を窺いながら自分の席に戻って行った。僕がゲオルグに挨拶していると、ブツブツ文句を言いながらようやく席に辿り着いたシンディが僕ににっこり笑って言った。
「辺境の町で死の沼が出現したって聞いて、確かディーの可愛い親戚が住んでるなって思ったんだよね。あの子随分心配してたでしょう。パーカス様にベッタリだったもんね?」
…僕、そんなにパーカスにくっついてるだろうか。改めて言われるとちょっと恥ずかしい。あの時はシンディに窒息させられるかと思って焦ってたからだな。うん。
僕は咳払いして周囲を見回した。すると先生が教室に入ってきて、開口一番僕を見つめて言った。
「ディー、パーカス殿の親戚なんだって?死の沼でパーカス殿はどうやって助かったのか教えてくれないか。騎士団長が調査に来たと言うのは本当かい?」
途端にクラスが大騒ぎになった。僕は周囲を見回してシンディに声を潜めて尋ねた。
「…白い竜人って、随分人気があるんだね。」
するとシンディは僕を可哀想な子でも見る様にして言った。
「…まぁディーは騎士志望じゃないからしょうがないけど、騎士団長といえば逸話揃いの大変なお方なんだよ。もちろんパーカス殿もね。はぁ、案外身内の方が偉大さが判らないものなのかもねぇ。」
僕はクスッと笑って、今朝も支度が間に合わなくて、そのパーカスに髪を梳かしてもらった事を思い出した。うん、僕にとっては偉大なるパーカスも優しいお父さんだよ。
急にクラスが静かになって、僕の話待ちみたいになっていた。僕は諦めて立ち上がると、簡単に話をする事にした。
「…あの日、パーカスは辺境の町の定期行事である魔肉狩りに参加していました。辺境の町は砦も近いですから、砦の王国騎士団員も2名ほど一緒に行動を共にしていました。
夕方僕は、親戚の子供とパーカスを迎えに行ったんです。けれども町の人達と途中で別行動したらしい彼らは戻ってきませんでした。」
そこまで話すと、皆がごくりと息を飲み込むのが分かった。んー、なんか語り部は癖になりそうだ。僕は気持ち鎮痛な表情を顔に貼り付けると、深刻そうに話の続きをした。
「翌朝捜索隊が組まれて、僕は親戚であるパーカスの魔力を感じることが出来るので、特別にメンバーに入れてもらいました。森を進むと突然ぽっかりとした空き地に出ました。僕はパーカスの魔力を感じたので、慌てて走り出しました。
けれど砦の騎士が僕を捕まえてこう言ったんです。『この空き地は変だ!鬱蒼とした森に突然現れるのは不自然だ』って。
結局彼の言う通り、その変哲もない空き地こそが、一歩足を踏み入れたらズブズブと沈み込んで抜け出すことの叶わない死の沼だったんです。
彼が止めてくれなかったら僕も死の沼にハマってしまったと思います。」
途端に皆がザワザワと興奮した様に周囲の生徒達と話し出した。なかなか上手く話せているみたいだ。僕は内心ニンマリとしていたけれど、表情は変えなかった。また教室が静かになると僕は話の続きを始めた。
「パーカスと砦の騎士二人は、胸や肩まですっぽりと死の沼に埋もれていました。少しでも動くとズブズブと沈んでいくので、彼らは青ざめた顔をしていました。
助けに行った僕らは長い木を森から突き出すと、彼らの身体の周りに水魔法で水分を多くして身動き出来るようにしました。この時が一番皆が緊張したと思います。
死の沼のバランスは一度崩れると硬くなりすぎて抜け出せなくなるか、緩くなりすぎて永遠に沈んでしまうかどちらかだからです。…そしてどちらも死を意味します。」
僕がクラスメイトを見回すと、皆手を口で覆ったり、喉に手を当てて、まるで自分が死の沼にハマってしまったかのように悲痛な表情をうかべていた。ちょっと怖がらせすぎたかな。僕はにっこり笑って言った。
「でも結局皆の協力があって、パーカスと二人の騎士は無事助け出されました。僕はこの時つくづく水魔法が多少なりとも出来て本当に良かったと思いました。そして僕を止めてくれた騎士のように、違和感を感じたら立ち止まって考える事もとても大事だと知りました。以上です。」
僕が話し終えると何故か拍手喝采だった。僕は多分上手く話せたんだろう。まぁ肝心な所は誤魔化したけれど、次の死の沼の発生は150年先だろうから、彼らには関係なさそうだ。
僕が微笑んで席に座ると、先生が前回の死の沼の犠牲者の多さを参考に、今回の死の沼の早期発見がどんなに素晴らしい事なのか説明した。
僕はそう言えばと、手を上げて補足する事にした。
「先生のおっしゃる通り、今回は死の沼の発生直後だったようです。何故なら、パーカス達が死の沼に引き寄せられた理由があったからです。」
僕がそこまで言って周囲を見渡すと、皆息を呑んで僕の言葉を待った。
「…パーカス達は何か無視できない声のようなものを聞いたんです。それは死の沼の中心から発生した恐ろしい声です。そしてパーカス達を呑み込んでからはひと言も発せられなくなりました…。」
女生徒の誰かが小さく悲鳴を上げた途端、クラス中が叫び声で大騒ぎになった。ありゃ、どうしよう。凄い盛り上がっちゃった。僕がニマニマしながら席に座ると、ゲオルグが僕に顔を近づけて言った。
「ディーも人が悪いな。今のわざとだろ。」
僕は微笑んだ。
「でも事実だよ。ちょっとみんなを楽しませてあげようと思ったのは本当だけど、あの時はとんでもない緊張感で大変だったんだよ。良かったよ、こうやって皆に話せるくらいの出来事になって。」
僕があの時の事を思い出してそう言うと、ゲオルグは頭を掻いた。
「なんか悪かったな。実際ディーは現場にいたんだから、必死だったよな。何か簡単そうに言うから、悪ふざけしてるみたいに思って。ごめん。」
うん、ちょっとふざけたのも本当だ。ゲオルグは本当勘がいいんだから。シンディが少し青ざめた顔で僕に詰め寄った。
「ね、今度私に水魔法の特訓して!」
あはは、ちょっと効き目ありすぎた?
後ろの自分の席に座ると、やっぱりチラチラと僕の方を見るけど、一体どうしたっていうんだろう。けれど、そんな疑問は興奮気味のシンディが教室に入ってくると途端に解決した。
「ディー!おはよぅ!ね、パーカス様が死の沼に囚われたって本当なの!?」
皆もシンディと僕を交互に興味津々で見ている。…ああ、そう言うこと。死の沼はこの国ではセンセーショナルな出来事だったみたいだ。実際150年ぶりなのだから、子供達にとってもそうだろう。
僕は重々しく頷いた。
「ああ、その事。僕も助けに行ったからね。実際大変だったよ。」
途端に僕の周囲に生徒達が詳細を教えてくれと集まってきた。僕よりガタイの大きな生徒達が集まって来られると圧が凄い…。すると急に視界が開けて、ぬっとゲオルグが顔を出した。
「…ここでなくとも話は聞こえるだろ。自分の席につけよ。」
皆渋々ゲオルグの顔色を窺いながら自分の席に戻って行った。僕がゲオルグに挨拶していると、ブツブツ文句を言いながらようやく席に辿り着いたシンディが僕ににっこり笑って言った。
「辺境の町で死の沼が出現したって聞いて、確かディーの可愛い親戚が住んでるなって思ったんだよね。あの子随分心配してたでしょう。パーカス様にベッタリだったもんね?」
…僕、そんなにパーカスにくっついてるだろうか。改めて言われるとちょっと恥ずかしい。あの時はシンディに窒息させられるかと思って焦ってたからだな。うん。
僕は咳払いして周囲を見回した。すると先生が教室に入ってきて、開口一番僕を見つめて言った。
「ディー、パーカス殿の親戚なんだって?死の沼でパーカス殿はどうやって助かったのか教えてくれないか。騎士団長が調査に来たと言うのは本当かい?」
途端にクラスが大騒ぎになった。僕は周囲を見回してシンディに声を潜めて尋ねた。
「…白い竜人って、随分人気があるんだね。」
するとシンディは僕を可哀想な子でも見る様にして言った。
「…まぁディーは騎士志望じゃないからしょうがないけど、騎士団長といえば逸話揃いの大変なお方なんだよ。もちろんパーカス殿もね。はぁ、案外身内の方が偉大さが判らないものなのかもねぇ。」
僕はクスッと笑って、今朝も支度が間に合わなくて、そのパーカスに髪を梳かしてもらった事を思い出した。うん、僕にとっては偉大なるパーカスも優しいお父さんだよ。
急にクラスが静かになって、僕の話待ちみたいになっていた。僕は諦めて立ち上がると、簡単に話をする事にした。
「…あの日、パーカスは辺境の町の定期行事である魔肉狩りに参加していました。辺境の町は砦も近いですから、砦の王国騎士団員も2名ほど一緒に行動を共にしていました。
夕方僕は、親戚の子供とパーカスを迎えに行ったんです。けれども町の人達と途中で別行動したらしい彼らは戻ってきませんでした。」
そこまで話すと、皆がごくりと息を飲み込むのが分かった。んー、なんか語り部は癖になりそうだ。僕は気持ち鎮痛な表情を顔に貼り付けると、深刻そうに話の続きをした。
「翌朝捜索隊が組まれて、僕は親戚であるパーカスの魔力を感じることが出来るので、特別にメンバーに入れてもらいました。森を進むと突然ぽっかりとした空き地に出ました。僕はパーカスの魔力を感じたので、慌てて走り出しました。
けれど砦の騎士が僕を捕まえてこう言ったんです。『この空き地は変だ!鬱蒼とした森に突然現れるのは不自然だ』って。
結局彼の言う通り、その変哲もない空き地こそが、一歩足を踏み入れたらズブズブと沈み込んで抜け出すことの叶わない死の沼だったんです。
彼が止めてくれなかったら僕も死の沼にハマってしまったと思います。」
途端に皆がザワザワと興奮した様に周囲の生徒達と話し出した。なかなか上手く話せているみたいだ。僕は内心ニンマリとしていたけれど、表情は変えなかった。また教室が静かになると僕は話の続きを始めた。
「パーカスと砦の騎士二人は、胸や肩まですっぽりと死の沼に埋もれていました。少しでも動くとズブズブと沈んでいくので、彼らは青ざめた顔をしていました。
助けに行った僕らは長い木を森から突き出すと、彼らの身体の周りに水魔法で水分を多くして身動き出来るようにしました。この時が一番皆が緊張したと思います。
死の沼のバランスは一度崩れると硬くなりすぎて抜け出せなくなるか、緩くなりすぎて永遠に沈んでしまうかどちらかだからです。…そしてどちらも死を意味します。」
僕がクラスメイトを見回すと、皆手を口で覆ったり、喉に手を当てて、まるで自分が死の沼にハマってしまったかのように悲痛な表情をうかべていた。ちょっと怖がらせすぎたかな。僕はにっこり笑って言った。
「でも結局皆の協力があって、パーカスと二人の騎士は無事助け出されました。僕はこの時つくづく水魔法が多少なりとも出来て本当に良かったと思いました。そして僕を止めてくれた騎士のように、違和感を感じたら立ち止まって考える事もとても大事だと知りました。以上です。」
僕が話し終えると何故か拍手喝采だった。僕は多分上手く話せたんだろう。まぁ肝心な所は誤魔化したけれど、次の死の沼の発生は150年先だろうから、彼らには関係なさそうだ。
僕が微笑んで席に座ると、先生が前回の死の沼の犠牲者の多さを参考に、今回の死の沼の早期発見がどんなに素晴らしい事なのか説明した。
僕はそう言えばと、手を上げて補足する事にした。
「先生のおっしゃる通り、今回は死の沼の発生直後だったようです。何故なら、パーカス達が死の沼に引き寄せられた理由があったからです。」
僕がそこまで言って周囲を見渡すと、皆息を呑んで僕の言葉を待った。
「…パーカス達は何か無視できない声のようなものを聞いたんです。それは死の沼の中心から発生した恐ろしい声です。そしてパーカス達を呑み込んでからはひと言も発せられなくなりました…。」
女生徒の誰かが小さく悲鳴を上げた途端、クラス中が叫び声で大騒ぎになった。ありゃ、どうしよう。凄い盛り上がっちゃった。僕がニマニマしながら席に座ると、ゲオルグが僕に顔を近づけて言った。
「ディーも人が悪いな。今のわざとだろ。」
僕は微笑んだ。
「でも事実だよ。ちょっとみんなを楽しませてあげようと思ったのは本当だけど、あの時はとんでもない緊張感で大変だったんだよ。良かったよ、こうやって皆に話せるくらいの出来事になって。」
僕があの時の事を思い出してそう言うと、ゲオルグは頭を掻いた。
「なんか悪かったな。実際ディーは現場にいたんだから、必死だったよな。何か簡単そうに言うから、悪ふざけしてるみたいに思って。ごめん。」
うん、ちょっとふざけたのも本当だ。ゲオルグは本当勘がいいんだから。シンディが少し青ざめた顔で僕に詰め寄った。
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