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限定成長de学院生活
剣の授業
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僕は集まった生徒達の前に立ち塞がるロバートから、落ち着き無く目を逸らした。やばい、めちゃくちゃ見てくる。何でロバートが学校に居るのさ。ロバートは先生に声を掛けられて、ハッとした様に気を取り直すと咳払いした。体格は良いけど、見た感じ年嵩の老先生が集まった生徒達に声を掛けた。
「今日もこの領内の騎士団からお二人、剣術の指導に助っ人として来てくれた。前回も来て貰ったが良い機会なので、騎士希望者は彼らに色々聞いてみてはどうかね。では、お二人ともよろしく頼みます。」
先生の言葉に、ロバートともう一人の猫科的獣人、ジャンがそれぞれ自己紹介した。領内での騎士の仕事などをざっくり僕らに説明すると、ロバートが僕の方を見つめながら言った。
「今日は軽く打ち合いをしましょう。経験者は私たちが相手をします。未経験者、及び初心者はそちらの人形で型の稽古をして下さい。…後で指導に行きます。」
僕はロバートがすっかり僕をロックオンした事に気がついて、あの夜会の夜にやっぱり見られていたのだと思った。まぁ、パーカスもロバートは気づくかもしれないって言ってたけどね。
とは言え、騒ぎになるのは困るな。そんな事を考えながら、僕はすっかりボディガードの様になってしまったシンディとゲオルグに首を傾げて尋ねた。
「二人は剣術は経験あるの?」
するとゲオルグが腰に刺した剣を叩いて言った。
「ああ、俺は騎士になりたいからな。小さい頃から訓練しているんだ。」
ぽいわ…。剣を持つ姿が様になっているもんね。僕がシンディの方を見ると、シンディはにっこり微笑んで言った。
「私は今日は初心者よ?まさか、お尻に穴の空いたディーを一人放って置けるわけないでしょ!」
僕はシンディの言い草に、恥ずかしさより面白過ぎて、思わず吹き出してしまった。
「ふっ、シンディ、誰でもお尻に穴は空いてるでしょ?ふふふ、あー可笑しい。」
そんな僕にゲオルグとシンディがなぜか困った様に顔を見合わせていた。僕が眉を上げて二人を見つめると、ゲオルグが肩をすくめて言った。
「…確かに、俺も今日は初心者になった方が安心な気がして来たけど、流石に無理だろうな。シンディ、ディーを頼むな。」
何だか保護者の様な事を言って、ゲオルグはロバートの居る、経験者のグループへ歩き去った。そんな彼の後ろ姿を僕とシンディで見送りながら、シンディがボソッと呟いた。
「ゲオルグがこんな風に誰かに干渉するなんて事、あんまり見た事ないんだけど。まぁ、ディーならしょうがないわね?可愛いだけじゃなくて、放っておいたら危なっかしいんだもん。じゃあ、あっちに行きましょ。ほら、皆待ってるわ。」
そう言いながら、僕の手を掴んで歩きだした。イケメン女子のシンディは僕より10cmほど背も高いし、バランスの良い筋肉質の身体は僕より立派だ。しかも腰に剣もぶら下げているから、本当は経験者なんだろう。
僕の面倒を見てくれているシンディに、僕は手をぎゅっと握ってニッコリ笑って言った。
「シンディ、ありがとう。急に見学に来た様な僕の面倒を見てくれて。凄い嬉しいよ。」
すると、シンディは僕をじっと見つめると、大きくため息をついて言った。
「あー、本当食べちゃいたいくらい可愛い!でも何て言うか庇護欲の方が強いのよねぇ。ゲオルグはどうか知らないけどね?」
そう言えばシンディは草食だけど肉食なんだっけ。でも今の言い方からすると、僕にはそっちの食指は湧かないってことかな。はは。…くそ、どうもこの異世界では、マッチョでない僕は可愛い止まり。分かってたけど、何か男として悲しい…。
初心者グループに到着すると、未経験の男子も数人居てホッとした。先生がシンディを見て眉を上げたけど、僕の側に立っているのを見ると何も言わなかった。僕のお世話係として、今回は見逃してくれたっぽい。
「では皆、そこから重過ぎない剣を選んで一列に並びなさい。まず、前回にやった型の復習をしよう。シンディ、見学の彼の面倒を見てくれるか。」
僕はシンディに言われるままに、細身の長い剣を選んで列に並んだ。シンディは面倒見が良いのか、他の初心者にも剣の持ち方を教えてあげてた。本当イケメン女子だ。心なしか、シンディに注がれる女の子達の眼差しが熱い気がして来た。
「ディー、風を切る感じで、身体の重心を移動させて威力を乗せて。そう、その調子。」
すっかりシンディが皆の見本の動きをしていて、先生は任せてしまったみたいだ。イケメン女子かっこよ過ぎだろ。僕は剣を振り回すと言う、正に異世界モードのイベントにすっかりご機嫌だった。
しかしよちよちテディから張りぼてディークになった僕は、鍛錬しているわけでもないので、筋肉なんて最低限しか無かった。あっという間に剣が恐ろしい勢いで重く感じ始めて、僕は何度目かに剣を地面に取り落としてしまった。
地面に転がった剣を見つめながら、僕は情けなさに何だか泣けて来た。結局僕は獣人みたいにマッチョになれない、ヒョロヒョロの人間なんだ。
丁度僕の剣を拾う逞しい手が見えて、僕はハッとして顔を上げた。虎獣人のロバートが何を考えているのか分からない金色の眼差しを向けながら僕に剣を手渡して言った。
「初めて剣を持つと、誰でも慣れなくて力が抜けるんだ。案外剣は重いからね。見学者なんだってね、君の名前は…。」
僕は慌ててお礼を言うと名前を名乗った。
「ディーク ブラック?君は僕の知っている人にとても良く似てるね。…さぁ、お喋りが過ぎたね。シンディ、今日はあっちの組じゃないのかい?ディーのガード?…穴?」
目を見開いたロバートが、みるみる険しい顔をして僕を見た。それからシンディに何か呟くと、経験者グループの方へと戻って行った。
「ロバート様は、一体何でこっちにわざわざ来たのかしら。ディー、もしかして知り合いなの?何かディーをあっちに絶対連れて来ちゃダメだって言われたんだけど。まぁ、ディーの可愛いお尻が穴から見えてるから、私もあっちの野獣だらけの所へは連れて行く気はないけどね?」
みんなしてお尻の穴って言うけど、僕下履きくらい履いてるよ。それに言うほど見えないと思うけどね。僕は肩をすくめて、ロバートが初心者は剣ぐらい落とすと言う言葉を慰めにして、もう一度やる気を出した。
結局それから藁のようなもので作った人型に皆で順番に剣を打ち込んだけれど、案外女子達の方が怖いくらい強い打ちおろしだったよ。
僕は思わず初心者の男子達と顔を見合わせて苦笑いした程だ。最後にシンディが美しい剣捌きで、人型を粉々にしたのを黄色い声援と共に、ゾッとしながら眺めていた。シンディってめちゃくちゃ強いじゃん!あんな粉々になる!?
最後に全員で集まって、ロバート達に挨拶して解散になった。今日の授業はこれで終わりだと聞いて、僕は思わずホッとして更衣室へ向かおうと歩き出した。
「ディーク、ちょっと良いかな。聞きたいことがあるんだ。」
そう後ろから声を掛けられて、僕はギクリと振り返った。案の定、ロバートが腕を組んで僕をじっと見ていた。…これは想定外の展開だ。僕、どうしよう!
「今日もこの領内の騎士団からお二人、剣術の指導に助っ人として来てくれた。前回も来て貰ったが良い機会なので、騎士希望者は彼らに色々聞いてみてはどうかね。では、お二人ともよろしく頼みます。」
先生の言葉に、ロバートともう一人の猫科的獣人、ジャンがそれぞれ自己紹介した。領内での騎士の仕事などをざっくり僕らに説明すると、ロバートが僕の方を見つめながら言った。
「今日は軽く打ち合いをしましょう。経験者は私たちが相手をします。未経験者、及び初心者はそちらの人形で型の稽古をして下さい。…後で指導に行きます。」
僕はロバートがすっかり僕をロックオンした事に気がついて、あの夜会の夜にやっぱり見られていたのだと思った。まぁ、パーカスもロバートは気づくかもしれないって言ってたけどね。
とは言え、騒ぎになるのは困るな。そんな事を考えながら、僕はすっかりボディガードの様になってしまったシンディとゲオルグに首を傾げて尋ねた。
「二人は剣術は経験あるの?」
するとゲオルグが腰に刺した剣を叩いて言った。
「ああ、俺は騎士になりたいからな。小さい頃から訓練しているんだ。」
ぽいわ…。剣を持つ姿が様になっているもんね。僕がシンディの方を見ると、シンディはにっこり微笑んで言った。
「私は今日は初心者よ?まさか、お尻に穴の空いたディーを一人放って置けるわけないでしょ!」
僕はシンディの言い草に、恥ずかしさより面白過ぎて、思わず吹き出してしまった。
「ふっ、シンディ、誰でもお尻に穴は空いてるでしょ?ふふふ、あー可笑しい。」
そんな僕にゲオルグとシンディがなぜか困った様に顔を見合わせていた。僕が眉を上げて二人を見つめると、ゲオルグが肩をすくめて言った。
「…確かに、俺も今日は初心者になった方が安心な気がして来たけど、流石に無理だろうな。シンディ、ディーを頼むな。」
何だか保護者の様な事を言って、ゲオルグはロバートの居る、経験者のグループへ歩き去った。そんな彼の後ろ姿を僕とシンディで見送りながら、シンディがボソッと呟いた。
「ゲオルグがこんな風に誰かに干渉するなんて事、あんまり見た事ないんだけど。まぁ、ディーならしょうがないわね?可愛いだけじゃなくて、放っておいたら危なっかしいんだもん。じゃあ、あっちに行きましょ。ほら、皆待ってるわ。」
そう言いながら、僕の手を掴んで歩きだした。イケメン女子のシンディは僕より10cmほど背も高いし、バランスの良い筋肉質の身体は僕より立派だ。しかも腰に剣もぶら下げているから、本当は経験者なんだろう。
僕の面倒を見てくれているシンディに、僕は手をぎゅっと握ってニッコリ笑って言った。
「シンディ、ありがとう。急に見学に来た様な僕の面倒を見てくれて。凄い嬉しいよ。」
すると、シンディは僕をじっと見つめると、大きくため息をついて言った。
「あー、本当食べちゃいたいくらい可愛い!でも何て言うか庇護欲の方が強いのよねぇ。ゲオルグはどうか知らないけどね?」
そう言えばシンディは草食だけど肉食なんだっけ。でも今の言い方からすると、僕にはそっちの食指は湧かないってことかな。はは。…くそ、どうもこの異世界では、マッチョでない僕は可愛い止まり。分かってたけど、何か男として悲しい…。
初心者グループに到着すると、未経験の男子も数人居てホッとした。先生がシンディを見て眉を上げたけど、僕の側に立っているのを見ると何も言わなかった。僕のお世話係として、今回は見逃してくれたっぽい。
「では皆、そこから重過ぎない剣を選んで一列に並びなさい。まず、前回にやった型の復習をしよう。シンディ、見学の彼の面倒を見てくれるか。」
僕はシンディに言われるままに、細身の長い剣を選んで列に並んだ。シンディは面倒見が良いのか、他の初心者にも剣の持ち方を教えてあげてた。本当イケメン女子だ。心なしか、シンディに注がれる女の子達の眼差しが熱い気がして来た。
「ディー、風を切る感じで、身体の重心を移動させて威力を乗せて。そう、その調子。」
すっかりシンディが皆の見本の動きをしていて、先生は任せてしまったみたいだ。イケメン女子かっこよ過ぎだろ。僕は剣を振り回すと言う、正に異世界モードのイベントにすっかりご機嫌だった。
しかしよちよちテディから張りぼてディークになった僕は、鍛錬しているわけでもないので、筋肉なんて最低限しか無かった。あっという間に剣が恐ろしい勢いで重く感じ始めて、僕は何度目かに剣を地面に取り落としてしまった。
地面に転がった剣を見つめながら、僕は情けなさに何だか泣けて来た。結局僕は獣人みたいにマッチョになれない、ヒョロヒョロの人間なんだ。
丁度僕の剣を拾う逞しい手が見えて、僕はハッとして顔を上げた。虎獣人のロバートが何を考えているのか分からない金色の眼差しを向けながら僕に剣を手渡して言った。
「初めて剣を持つと、誰でも慣れなくて力が抜けるんだ。案外剣は重いからね。見学者なんだってね、君の名前は…。」
僕は慌ててお礼を言うと名前を名乗った。
「ディーク ブラック?君は僕の知っている人にとても良く似てるね。…さぁ、お喋りが過ぎたね。シンディ、今日はあっちの組じゃないのかい?ディーのガード?…穴?」
目を見開いたロバートが、みるみる険しい顔をして僕を見た。それからシンディに何か呟くと、経験者グループの方へと戻って行った。
「ロバート様は、一体何でこっちにわざわざ来たのかしら。ディー、もしかして知り合いなの?何かディーをあっちに絶対連れて来ちゃダメだって言われたんだけど。まぁ、ディーの可愛いお尻が穴から見えてるから、私もあっちの野獣だらけの所へは連れて行く気はないけどね?」
みんなしてお尻の穴って言うけど、僕下履きくらい履いてるよ。それに言うほど見えないと思うけどね。僕は肩をすくめて、ロバートが初心者は剣ぐらい落とすと言う言葉を慰めにして、もう一度やる気を出した。
結局それから藁のようなもので作った人型に皆で順番に剣を打ち込んだけれど、案外女子達の方が怖いくらい強い打ちおろしだったよ。
僕は思わず初心者の男子達と顔を見合わせて苦笑いした程だ。最後にシンディが美しい剣捌きで、人型を粉々にしたのを黄色い声援と共に、ゾッとしながら眺めていた。シンディってめちゃくちゃ強いじゃん!あんな粉々になる!?
最後に全員で集まって、ロバート達に挨拶して解散になった。今日の授業はこれで終わりだと聞いて、僕は思わずホッとして更衣室へ向かおうと歩き出した。
「ディーク、ちょっと良いかな。聞きたいことがあるんだ。」
そう後ろから声を掛けられて、僕はギクリと振り返った。案の定、ロバートが腕を組んで僕をじっと見ていた。…これは想定外の展開だ。僕、どうしよう!
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