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僕の居場所
あくやくれいちょう
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「ふん、ふん、ふーん♪ふーん、ふんふん、ふん…。」
僕は機嫌良くパーカスと王都から辺境のお家へ帰る道中だった。せっかくだから街道の平坦な場所は、相乗り鳥車でのんびり帰ることにしたんだ。六人乗りのこの鳥車には、僕らの他には中年の耳の尖った獣人の男が二人、ジェシーのお兄ちゃんと同じくらいの年頃の丸い耳の獣人の女の子と、獣人の女の人が乗っていた。
さっきから僕がご機嫌で鼻歌を歌っていると、その女の子が僕をじっと睨みつけてくる。そして何やらヒソヒソと隣の若い女性獣人に耳打ちしている。
何だか嫌な感じだと思ったけれど、ご機嫌な僕はそれしきの事では怯まないんだ。ははは。
「ぱーかちゅ、もうちゅぐちゅく?」
僕がキラキラ日差しを受けて煌めく湖を眺めて尋ねると、パーカスは疲れたように肩を回して言った。
「ああ、もう到着じゃ。今日は湖に張り出した洒落た宿に泊まろうかの。」
僕は思わずにっこり笑って、窓に顔を近づけた。
「ろばーちょ、もう、かえっちぇる?」
僕がそうパーカスに尋ねた時、ガタンと端っこに座っていた女の子が立ち上がって、怖い顔で僕を指差した。
「やっぱり、あなたね!?ロバート様に付きまとうのはやめてくれない!?」
僕は目をぱちくりして、いきなり捲し立てる女の子を見つめ返した。ロバートって、あのロバート?この女の子は誰なんだろう。僕の疑問が顔に出ていたのか、女の子は腰に手を当てて顔を少し逸らして言った。
「私?私はロバート様の許嫁になる予定のリリアンよ。最近ロバート様が可愛い男の子と仲良しだとか噂が立って、どう言うことかと思ってたけど、本当、あなたって思いの外おチビちゃんなのね?あーあ、心配して損したわ。ロバート様があなたの事本気なわけ無かったわね?」
僕は何だか正直カチンと来た。一方的に完全にディスられてる。ロバートが僕に本気とか何言ってるのか分からないけど、少なくとも、僕とロバートは仲良しなんじゃないかな。
だから僕はイライラさせられたこともあって、その可愛いけどいかにも性格のキツそうな生意気な女の子に言ったんだ。
「ろばーちょとぼく、なかよちよ!おーとでも、いっちょらった!」
まさかこの言葉が宣戦布告になるなんて、僕知らなかったんだよ。目の前の女の子が牙を剥き出しにした様に見えたのは目の錯覚かもしれない。でも、一緒に相乗りしていたおじさん達がギョッとしたから、実際牙が出たのかもしれない。
「リリアン様、はしたないですわ。…あの、いきなり申し訳ありませんでした。お嬢様、もう到着しますわ。降りる準備をしませんと。」
一緒にいた侍女みたいな人はオロオロと僕に謝って、女の子を嗜めた。と言う事は、あの生意気な女の子は良いところのお嬢様なのかな。僕が呆然と見ていると、その女の子は僕をジロリと見て言った。
「じろじろ見ないで下さる?ああ、もしかしてロバート様はお優しいから、この赤ちゃんに纏わりつかれて嫌って言えないだけなのかもしれなくてね?お可哀想だわ。あなた、ロバート様に金輪際付きまとうのは、おやめになって?分かったわね!」
そう言いたい事だけ言うと、降りようとしたおじさん達を押し退けて降りていってしまった。僕はパーカスの方を向いて訴えた。
「‥にゃにあれ!こわいち、でも、むかちゅくぅ!」
そう言うとパーカスがなんとも言えない表情でボソリと言った。
「テディの顔も結構怖いぞ…。」
僕はパーカスの言葉にハッとして、顔を両手でモミモミして解すと、でもやっぱりイライラが収まらなくて口を尖らせた。
「じぇったい、わるぐち、いわれちゃよ、ねーぇ?」
「リリアン様は気性が激しいからな。何もこんな可愛いおチビちゃんに絡まなくても良いのになぁ。大丈夫だったか?」
そう二人のおじさん達は僕に声を掛けて頭をひと撫で、いや、さん撫でして降りていった。僕は眉を顰めながら呟いた。
「あのこ、ゆぅーめい?あくやくれいちょう?」
パーカスが先に降りて鳥車のステップに立った僕を抱き上げて、歩き出した。
「悪役霊長?…あの子はぱっと見、獅子族じゃの。獅子族は基本貴族が多いからの、良いところのお嬢さんなんじゃろう。この街の子ならば、きっとブレート殿が存じてるじゃろう。
実はこれからブレート殿の所へ寄って、王からの伝言を伝えに行かねばならないのじゃ。テディは付き合ってくれるかの?きっと美味しいお菓子を出してくれるじゃろう。」
僕はまだ悪役令嬢に悪口を言われてムカムカしていたけれど、お菓子と聞いて一気に気分が上がった。イライラしてしまったのは甘いものが足りなかったのかもしれないな。僕がニマニマしていると、パーカスがクスクス笑いながら頬にキスした。
「まったくテディは可愛いのう。」
あれ、パーカス。そんな分かりきった事言われてもね?でも僕は褒められたら褒め返す主義だよ。僕もパーカスにキスして言った。
「ぱーかちゅも、かこいいねー?」
僕たちは顔を見合わせて笑いながら、領主であるブレートさんの屋敷へ向かった。ま、いつもの様に歩いたのはパーカスだけどね。
「いやあ、お待ちしてましたよ。晩餐会ではお会いできて嬉しかったですよ。王都の暇人どもに格好のネタを提供してしまったのは否めませんけどね。パーカス殿の武勇伝を広められて私としては大満足ですよ、ハハハ。」
そう竜人であるブレートさんに迎えられて僕たちは応接室へと案内された。流石に大きなソファに座らせられるとどっと旅の疲れが出る。…眠くなってきた。でもお菓子を食べるまでは起きていなくちゃ。
執事と侍女がお茶のセットを運んで来て、僕は良い子で目の前に美味しそうなものが並ぶのを眺めていた。パーカスにおしぼりの様なもので手を拭いてもらうと、早速焼き菓子に手を伸ばした。
「んー!おいちい、でちゅ!」
前回も思ったけど、この屋敷で出されるお菓子は王都の店にも劣らないんだ。以前僕がそんな事を言ったのをパーカスが覚えていたのか、僕の様子を微笑みながら見つめるブレートさんに言った。
「テディはブレート殿のところの菓子が好物での。王都のお菓子と変わらない美味しさだと喜んでるのじゃよ。」
するとブレートさんは嬉しそうに笑って言った。
「王都の菓子と変わらない?それは料理人に言ったら喜びますな。王都で修行した者で、私も良い料理人を手に入れたと喜んでますよ。」
僕はパーカスがブレートさんと王様からの話をしている横で、無心になって口を動かしていた。ん、流石にもうお腹がいっぱいだ。静かなのでハッと顔を上げると、二人と執事が僕をじっと見てニマニマしている。
「こんなに美味しそうに食べてくれたら、本当に供した甲斐がありますな。ははは。」
ちょっと恥ずかしくなった僕は、仕事の話の終わったブレートさんに尋ねた。
「ろばーちょ、きょう、いない?」
するとブレートさんは片眉をあげて、ついでにパーカスをチラッと見て言った。
「‥ロバートですか?今日は騎士の仕事で訓練場に居ますよ。そうだ、パーカス殿。今後のこともありますから是非見て行って下さい。今から一緒に行きませんか。」
訓練場?ロバートが剣を振り回してるのかな?リアル異世界キターぁ!僕はパーカスを見上げた。パーカスはやれやれと言う表情で僕と目を合わせるとブレートさんに言った。
「…テディがこんなに期待してるのに、行かないわけにも行かないのう。」
僕は機嫌良くパーカスと王都から辺境のお家へ帰る道中だった。せっかくだから街道の平坦な場所は、相乗り鳥車でのんびり帰ることにしたんだ。六人乗りのこの鳥車には、僕らの他には中年の耳の尖った獣人の男が二人、ジェシーのお兄ちゃんと同じくらいの年頃の丸い耳の獣人の女の子と、獣人の女の人が乗っていた。
さっきから僕がご機嫌で鼻歌を歌っていると、その女の子が僕をじっと睨みつけてくる。そして何やらヒソヒソと隣の若い女性獣人に耳打ちしている。
何だか嫌な感じだと思ったけれど、ご機嫌な僕はそれしきの事では怯まないんだ。ははは。
「ぱーかちゅ、もうちゅぐちゅく?」
僕がキラキラ日差しを受けて煌めく湖を眺めて尋ねると、パーカスは疲れたように肩を回して言った。
「ああ、もう到着じゃ。今日は湖に張り出した洒落た宿に泊まろうかの。」
僕は思わずにっこり笑って、窓に顔を近づけた。
「ろばーちょ、もう、かえっちぇる?」
僕がそうパーカスに尋ねた時、ガタンと端っこに座っていた女の子が立ち上がって、怖い顔で僕を指差した。
「やっぱり、あなたね!?ロバート様に付きまとうのはやめてくれない!?」
僕は目をぱちくりして、いきなり捲し立てる女の子を見つめ返した。ロバートって、あのロバート?この女の子は誰なんだろう。僕の疑問が顔に出ていたのか、女の子は腰に手を当てて顔を少し逸らして言った。
「私?私はロバート様の許嫁になる予定のリリアンよ。最近ロバート様が可愛い男の子と仲良しだとか噂が立って、どう言うことかと思ってたけど、本当、あなたって思いの外おチビちゃんなのね?あーあ、心配して損したわ。ロバート様があなたの事本気なわけ無かったわね?」
僕は何だか正直カチンと来た。一方的に完全にディスられてる。ロバートが僕に本気とか何言ってるのか分からないけど、少なくとも、僕とロバートは仲良しなんじゃないかな。
だから僕はイライラさせられたこともあって、その可愛いけどいかにも性格のキツそうな生意気な女の子に言ったんだ。
「ろばーちょとぼく、なかよちよ!おーとでも、いっちょらった!」
まさかこの言葉が宣戦布告になるなんて、僕知らなかったんだよ。目の前の女の子が牙を剥き出しにした様に見えたのは目の錯覚かもしれない。でも、一緒に相乗りしていたおじさん達がギョッとしたから、実際牙が出たのかもしれない。
「リリアン様、はしたないですわ。…あの、いきなり申し訳ありませんでした。お嬢様、もう到着しますわ。降りる準備をしませんと。」
一緒にいた侍女みたいな人はオロオロと僕に謝って、女の子を嗜めた。と言う事は、あの生意気な女の子は良いところのお嬢様なのかな。僕が呆然と見ていると、その女の子は僕をジロリと見て言った。
「じろじろ見ないで下さる?ああ、もしかしてロバート様はお優しいから、この赤ちゃんに纏わりつかれて嫌って言えないだけなのかもしれなくてね?お可哀想だわ。あなた、ロバート様に金輪際付きまとうのは、おやめになって?分かったわね!」
そう言いたい事だけ言うと、降りようとしたおじさん達を押し退けて降りていってしまった。僕はパーカスの方を向いて訴えた。
「‥にゃにあれ!こわいち、でも、むかちゅくぅ!」
そう言うとパーカスがなんとも言えない表情でボソリと言った。
「テディの顔も結構怖いぞ…。」
僕はパーカスの言葉にハッとして、顔を両手でモミモミして解すと、でもやっぱりイライラが収まらなくて口を尖らせた。
「じぇったい、わるぐち、いわれちゃよ、ねーぇ?」
「リリアン様は気性が激しいからな。何もこんな可愛いおチビちゃんに絡まなくても良いのになぁ。大丈夫だったか?」
そう二人のおじさん達は僕に声を掛けて頭をひと撫で、いや、さん撫でして降りていった。僕は眉を顰めながら呟いた。
「あのこ、ゆぅーめい?あくやくれいちょう?」
パーカスが先に降りて鳥車のステップに立った僕を抱き上げて、歩き出した。
「悪役霊長?…あの子はぱっと見、獅子族じゃの。獅子族は基本貴族が多いからの、良いところのお嬢さんなんじゃろう。この街の子ならば、きっとブレート殿が存じてるじゃろう。
実はこれからブレート殿の所へ寄って、王からの伝言を伝えに行かねばならないのじゃ。テディは付き合ってくれるかの?きっと美味しいお菓子を出してくれるじゃろう。」
僕はまだ悪役令嬢に悪口を言われてムカムカしていたけれど、お菓子と聞いて一気に気分が上がった。イライラしてしまったのは甘いものが足りなかったのかもしれないな。僕がニマニマしていると、パーカスがクスクス笑いながら頬にキスした。
「まったくテディは可愛いのう。」
あれ、パーカス。そんな分かりきった事言われてもね?でも僕は褒められたら褒め返す主義だよ。僕もパーカスにキスして言った。
「ぱーかちゅも、かこいいねー?」
僕たちは顔を見合わせて笑いながら、領主であるブレートさんの屋敷へ向かった。ま、いつもの様に歩いたのはパーカスだけどね。
「いやあ、お待ちしてましたよ。晩餐会ではお会いできて嬉しかったですよ。王都の暇人どもに格好のネタを提供してしまったのは否めませんけどね。パーカス殿の武勇伝を広められて私としては大満足ですよ、ハハハ。」
そう竜人であるブレートさんに迎えられて僕たちは応接室へと案内された。流石に大きなソファに座らせられるとどっと旅の疲れが出る。…眠くなってきた。でもお菓子を食べるまでは起きていなくちゃ。
執事と侍女がお茶のセットを運んで来て、僕は良い子で目の前に美味しそうなものが並ぶのを眺めていた。パーカスにおしぼりの様なもので手を拭いてもらうと、早速焼き菓子に手を伸ばした。
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前回も思ったけど、この屋敷で出されるお菓子は王都の店にも劣らないんだ。以前僕がそんな事を言ったのをパーカスが覚えていたのか、僕の様子を微笑みながら見つめるブレートさんに言った。
「テディはブレート殿のところの菓子が好物での。王都のお菓子と変わらない美味しさだと喜んでるのじゃよ。」
するとブレートさんは嬉しそうに笑って言った。
「王都の菓子と変わらない?それは料理人に言ったら喜びますな。王都で修行した者で、私も良い料理人を手に入れたと喜んでますよ。」
僕はパーカスがブレートさんと王様からの話をしている横で、無心になって口を動かしていた。ん、流石にもうお腹がいっぱいだ。静かなのでハッと顔を上げると、二人と執事が僕をじっと見てニマニマしている。
「こんなに美味しそうに食べてくれたら、本当に供した甲斐がありますな。ははは。」
ちょっと恥ずかしくなった僕は、仕事の話の終わったブレートさんに尋ねた。
「ろばーちょ、きょう、いない?」
するとブレートさんは片眉をあげて、ついでにパーカスをチラッと見て言った。
「‥ロバートですか?今日は騎士の仕事で訓練場に居ますよ。そうだ、パーカス殿。今後のこともありますから是非見て行って下さい。今から一緒に行きませんか。」
訓練場?ロバートが剣を振り回してるのかな?リアル異世界キターぁ!僕はパーカスを見上げた。パーカスはやれやれと言う表情で僕と目を合わせるとブレートさんに言った。
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