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魅了の本当の意味※
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夢中で腰を突き上げると、マモルは敏感に反応して私を搾り上げる。さっき出したばかりなのに、この切羽詰まった射精感に追いたてられた。マモルの身体の震えを感じながらも、ドクドクとマモルの奥へと擦り付けるようにするのは止められなかった。
決して孕ませる事が出来るはずもないのに、そうしたいと私の本能が叫んで収まらない。顔から滴り落ちる汗がマモルの身体を濡らすのを、ある意味自分のモノで汚して、独占出来る気がして知らずに微笑んでいた。
ぐったりとして気を飛ばしてしまったのか、マモルの瞼が閉じられたままなのを、私は口づけすれば開けてもらえるのではないかと、そんな気持ちで優しく顔中を唇で触れていった。
少し開いた唇から微かに私の名前を呼ばれた気がして、私は誘われるままマモルの少し腫れた赤い唇に吸い付いた。私は柔らかなそれに触れながら、半年前に業を煮やした私が、無理矢理奪ったあの口づけを思い出した。
マモルへの思いが届かなくて、ある種自暴自棄になって強引に奪った口づけは甘美だったけれど、同じくらい切なくて、私はマモルの悲しげな顔を見ていられなくて逃げるように離れたのだった。
マモルに受け入られた今は、あの時の口づけを思い出すと、その時の自分に慰めの言葉を掛けたくなる。お前の思いはいつか届くのだと。ふいに唇の下でマモルが甘やかに舌を伸ばしてきて、私は締め付けられる思いと共にその甘い舌先をゆっくりとなぞった。
「…マモル、愛してる。半年前に私がした口づけを覚えてる?…あの時マモルは悲しそうな顔をしていたよね。私は間違ってしまったのかな。」
どうしても聞いてみたくて、私はマモルの黒い睫毛を見つめながら尋ねた。するとマモルは瞼をぴったりとくっ付けたまま口を開いた。
そこから覗く柔らかな美味しそうな舌を貪りたくなる気持ちを抑えながら、私はマモルの言葉を待った。マモルはやっぱり睫毛を微かに震わせながら囁いた。
「…あの時、僕はデービスが男として僕を欲しがっているんだって、身を持って解らせられたんだ。それはうやむやにして来た僕に対する挑戦だったし、懇願のように思えた。
…それに僕はその口づけでデービスを、今までの様に弟としてはもう見られなくなってしまった。だから先日赤い薔薇の手彫りを貰った時に、その感情が刺激されて溢れてしまったのかもしれない。
知ってる?ロクシーはあの薔薇に嫉妬していたよ。それくらいデービスの真っ直ぐな気持ちは僕を串刺しにしたんだ。まぁ、根負けしたって言うのかもしれないけどね。」
そう言い終わってぱっちりと開いた眼差しからは、溢れる愛情が感じられて、マモルは幼い頃から私を愛してくれていたけれど、また焼け付くような気持ちでも愛してくれるのだと分かった。
私は幸せすぎて、熱い感情に揺さぶられて鼻の奥がツンとして、きっとマモルを映す瞳は揺れたに違いない。そんな私にマモルは見たことのない眼差しで囁いた。
「…デービス、僕を好きになる事はいい事ばかりじゃないんだ。僕は唯一の相手にはなれないし、きっと僕を好きになった事でしなくて良い苦しみも覚えるだろう。僕は少しばかりの幸せと、それ以上の苦しみを皆に与えているんだってよく分かってるんだ。
だから辛くなったらいつでも、今までの関係に戻ろう。僕はデービスの恋人でなくても、溢れるばかりの愛情を持っているからね?」
私はこれ以上、もし、だとか、仮定の話は聞きたくなかった。目の前のこの美しい時間だけを今は見つめていたかった。だからマモルの唇を塞いでしまった。
そしてベッドに長い黒髪を拡げている、しどけないマモルを見下ろして言った。
「マモル、私の愛を受け取って。長い間溜め込んできたこの思いは、受け取るには時間がいくらあっても足りないかもしれないけど。」
するとマモルは何を考えているのか分からない表情で僕を見上げて、滑らかな指先を僕の頬に伸ばして言った。
「いいよ。…後でデービスの可愛いお耳と尻尾を触らせてくれるならね?」
決して孕ませる事が出来るはずもないのに、そうしたいと私の本能が叫んで収まらない。顔から滴り落ちる汗がマモルの身体を濡らすのを、ある意味自分のモノで汚して、独占出来る気がして知らずに微笑んでいた。
ぐったりとして気を飛ばしてしまったのか、マモルの瞼が閉じられたままなのを、私は口づけすれば開けてもらえるのではないかと、そんな気持ちで優しく顔中を唇で触れていった。
少し開いた唇から微かに私の名前を呼ばれた気がして、私は誘われるままマモルの少し腫れた赤い唇に吸い付いた。私は柔らかなそれに触れながら、半年前に業を煮やした私が、無理矢理奪ったあの口づけを思い出した。
マモルへの思いが届かなくて、ある種自暴自棄になって強引に奪った口づけは甘美だったけれど、同じくらい切なくて、私はマモルの悲しげな顔を見ていられなくて逃げるように離れたのだった。
マモルに受け入られた今は、あの時の口づけを思い出すと、その時の自分に慰めの言葉を掛けたくなる。お前の思いはいつか届くのだと。ふいに唇の下でマモルが甘やかに舌を伸ばしてきて、私は締め付けられる思いと共にその甘い舌先をゆっくりとなぞった。
「…マモル、愛してる。半年前に私がした口づけを覚えてる?…あの時マモルは悲しそうな顔をしていたよね。私は間違ってしまったのかな。」
どうしても聞いてみたくて、私はマモルの黒い睫毛を見つめながら尋ねた。するとマモルは瞼をぴったりとくっ付けたまま口を開いた。
そこから覗く柔らかな美味しそうな舌を貪りたくなる気持ちを抑えながら、私はマモルの言葉を待った。マモルはやっぱり睫毛を微かに震わせながら囁いた。
「…あの時、僕はデービスが男として僕を欲しがっているんだって、身を持って解らせられたんだ。それはうやむやにして来た僕に対する挑戦だったし、懇願のように思えた。
…それに僕はその口づけでデービスを、今までの様に弟としてはもう見られなくなってしまった。だから先日赤い薔薇の手彫りを貰った時に、その感情が刺激されて溢れてしまったのかもしれない。
知ってる?ロクシーはあの薔薇に嫉妬していたよ。それくらいデービスの真っ直ぐな気持ちは僕を串刺しにしたんだ。まぁ、根負けしたって言うのかもしれないけどね。」
そう言い終わってぱっちりと開いた眼差しからは、溢れる愛情が感じられて、マモルは幼い頃から私を愛してくれていたけれど、また焼け付くような気持ちでも愛してくれるのだと分かった。
私は幸せすぎて、熱い感情に揺さぶられて鼻の奥がツンとして、きっとマモルを映す瞳は揺れたに違いない。そんな私にマモルは見たことのない眼差しで囁いた。
「…デービス、僕を好きになる事はいい事ばかりじゃないんだ。僕は唯一の相手にはなれないし、きっと僕を好きになった事でしなくて良い苦しみも覚えるだろう。僕は少しばかりの幸せと、それ以上の苦しみを皆に与えているんだってよく分かってるんだ。
だから辛くなったらいつでも、今までの関係に戻ろう。僕はデービスの恋人でなくても、溢れるばかりの愛情を持っているからね?」
私はこれ以上、もし、だとか、仮定の話は聞きたくなかった。目の前のこの美しい時間だけを今は見つめていたかった。だからマモルの唇を塞いでしまった。
そしてベッドに長い黒髪を拡げている、しどけないマモルを見下ろして言った。
「マモル、私の愛を受け取って。長い間溜め込んできたこの思いは、受け取るには時間がいくらあっても足りないかもしれないけど。」
するとマモルは何を考えているのか分からない表情で僕を見上げて、滑らかな指先を僕の頬に伸ばして言った。
「いいよ。…後でデービスの可愛いお耳と尻尾を触らせてくれるならね?」
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