13 / 127
新しい生活
現実の感覚※
しおりを挟む
僕の射った矢が敵を射殺す現実に、僕は真正面から向かい合わなくてはならなくなった。フォーカス様は僕の矢はあるじを守るための矢だと言ってくれた。
けれども、自分が殺されそうになった時、フォーカス様が殺されそうになった時、僕は自分が生き残るために正に敵である人間に射かけるだろう。そんな未来の自分をまざまざと見せつけられた気がして、僕は自分の中のドロドロとした感情を癒してくれるフォーカス様の唇に縋った。
まとわりつく気怠い夢心地の快楽ではない、生々しい今ここに自分が存在する現実の感触を感じたかった。僕の願いにフォーカス様は黙って答えてくれた。いつになく時間をかけた愛撫に僕は神経が張り詰め昂っていった。
後ろから覆い被さるフォーカス様の指先が僕の胸の尖りを緩く捻る時、僕の鋭くなった感覚は鳴きだして貪欲になった。フォーカス様の逞しすぎる赤黒い昂りが僕の物欲しそうな蕾をヌルヌルと擦りあげると、焦れて悲鳴をあげている身体は大きく震え出した。
「…フォーカス様、お願い…。僕を貴方で満たしてください…。」
「…シン、お前は私のものだ。この世界でずっと私の側に居るんだ。」
そう言うとフォーカス様は僕の身体を逃さぬようにグッと抱きしめてズブズブと入ってきた。香油で淫らな音を響かせながらも、僕はフォーカス様の圧迫感に息が詰まった。
「シン、息をしなさい。これではお互い苦しい。」
そう言うとフォーカス様は僕のささやかな昂りに手を伸ばして、大きな手で柔らかく動かし始めた。僕は甘やかな快感にふと緊張を緩ませた。
その瞬間、フォーカス様の大きな昂りは僕の鋭く感じる場所に向かって突き進んで、小刻みに揺らし続けた。僕は高まりきれない快感に燻されながら、馬鹿みたいに鳴き続けた。いつ逝ったのか僕のお腹に感じるシーツはぐっしょりと濡れそぼっていた。
「ああっ、あああっ!もう、死にそうっ…フォーカス様、もっと、もっと奥に、お願いっ!」
僕は自分が何を言ってるかなんてもはやどうでも良かった。只々この終わりのない快感を昇り詰めたかった。
「シンはっ、容赦がないっ!これ以上私を煽るなっ!」
そう言うとフォーカス様は僕の中で昂りを更に大きくしてグッと奥まで腰を押し付けると激しく動きだした。
僕はフォーカス様が奥まで来た途端、頭の中が痺れて真っ白になってしまった。そこから降りる事のない息が止まるような強烈な快感に投げ出されて、身体の全てが脈打ち、震え続けた。
気がつくと僕はゆったりとフォーカス様の腕の中に居て、魔法で綺麗にしたのかあれほど濡れていたシーツもさらりと感じた。僕は気怠い身体を起こして、僕を見つめるフォーカス様の暗い金色の瞳を見つめると、片手でゴツゴツした頬を撫で包んで言った。
「フォーカス様、ありがとう…。僕の命を貴方に捧げます…。」
けれども、自分が殺されそうになった時、フォーカス様が殺されそうになった時、僕は自分が生き残るために正に敵である人間に射かけるだろう。そんな未来の自分をまざまざと見せつけられた気がして、僕は自分の中のドロドロとした感情を癒してくれるフォーカス様の唇に縋った。
まとわりつく気怠い夢心地の快楽ではない、生々しい今ここに自分が存在する現実の感触を感じたかった。僕の願いにフォーカス様は黙って答えてくれた。いつになく時間をかけた愛撫に僕は神経が張り詰め昂っていった。
後ろから覆い被さるフォーカス様の指先が僕の胸の尖りを緩く捻る時、僕の鋭くなった感覚は鳴きだして貪欲になった。フォーカス様の逞しすぎる赤黒い昂りが僕の物欲しそうな蕾をヌルヌルと擦りあげると、焦れて悲鳴をあげている身体は大きく震え出した。
「…フォーカス様、お願い…。僕を貴方で満たしてください…。」
「…シン、お前は私のものだ。この世界でずっと私の側に居るんだ。」
そう言うとフォーカス様は僕の身体を逃さぬようにグッと抱きしめてズブズブと入ってきた。香油で淫らな音を響かせながらも、僕はフォーカス様の圧迫感に息が詰まった。
「シン、息をしなさい。これではお互い苦しい。」
そう言うとフォーカス様は僕のささやかな昂りに手を伸ばして、大きな手で柔らかく動かし始めた。僕は甘やかな快感にふと緊張を緩ませた。
その瞬間、フォーカス様の大きな昂りは僕の鋭く感じる場所に向かって突き進んで、小刻みに揺らし続けた。僕は高まりきれない快感に燻されながら、馬鹿みたいに鳴き続けた。いつ逝ったのか僕のお腹に感じるシーツはぐっしょりと濡れそぼっていた。
「ああっ、あああっ!もう、死にそうっ…フォーカス様、もっと、もっと奥に、お願いっ!」
僕は自分が何を言ってるかなんてもはやどうでも良かった。只々この終わりのない快感を昇り詰めたかった。
「シンはっ、容赦がないっ!これ以上私を煽るなっ!」
そう言うとフォーカス様は僕の中で昂りを更に大きくしてグッと奥まで腰を押し付けると激しく動きだした。
僕はフォーカス様が奥まで来た途端、頭の中が痺れて真っ白になってしまった。そこから降りる事のない息が止まるような強烈な快感に投げ出されて、身体の全てが脈打ち、震え続けた。
気がつくと僕はゆったりとフォーカス様の腕の中に居て、魔法で綺麗にしたのかあれほど濡れていたシーツもさらりと感じた。僕は気怠い身体を起こして、僕を見つめるフォーカス様の暗い金色の瞳を見つめると、片手でゴツゴツした頬を撫で包んで言った。
「フォーカス様、ありがとう…。僕の命を貴方に捧げます…。」
125
お気に入りに追加
2,702
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる