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逆指南の罠?※

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 ビクトリアは焼け付くような快感に攻め立てられていた。横たわりながら後ろから抱えられて、優しくロレンソの指や手のひらで身体の疼く場所を永遠に攻められて、脚を閉じようとしてもロレンソの重い脚に絡まれて動かす事も出来ない。

 部屋に響く水っぽい音が自分から発せられるのも何だか羞恥心を煽られるし、でもそんな事よりもロレンソの表面を撫でる指の動きがゆっくり過ぎて、生殺しにされている気分でイライラが募った。


 「ビクトリア、君の可愛いここがこんなに腫れて、舌で転がしたら随分楽しいだろうね。君の中は狭いだろうから、まずは十分にここから快感を得て欲しいんだ。」

「ロレンソ、あ、ああんっ。私、どうにか、なりそうなの…!」

 ビクトリアを抱えるロレンソの方に顔を向けて懇願すると、ロレンソはビクトリアの耳を甘くなぞりながら一気に指の動きを早めた。その畳み掛ける指遣いに、飢えた欲望はあっという間に弾けて上り詰めた。

 自分でするのとはまるで違うその絶頂に、ビクトリアは仰け反って小さく叫んだ。


 ぐったりとしたビクトリアをベッドに横たえたロレンソは、膝立ちになってじっとその姿を見下ろした。体温が上がってほんのりと蒸気した身体は、艶めいて美しい。どこに触れても張り詰めた弾力と柔らかさに、手を離すのが惜しい気持ちになる。

 長い黒髪と真珠色の肌とのコントラストに、まるで女神の様な姿だとため息をついた。その時ビクトリアが長い睫毛を動かして、その意思的な光の灯る濃い青い瞳を見せた。


 その瞳に見つめられると、いつでもロレンソは吸い寄せられる様に覆い被さって口づけしたくなる。実際気づけばその甘い舌を絡めながら身体の中心を重ねてゆっくりと動かしていた。

 今夜は挿れる事が叶わないのだから、こうして自身を慰めて、この湧き上がる欲望を散らすしかなかった。

 一度絶頂して敏感になったビクトリアは、甘い声を立てながらロレンソの逞しいそれを受け入れようと脚の間を無意識に開いていく。ロレンソは額から汗を垂らしながら、深呼吸して嫌々自分の身体を引き剥がした。


 「…さあ、次はこれの代わりに私の口や指でビクトリアの中まで可愛がるからね。」

 ロレンソの言葉に、ビクトリアは分かりやすく瞳の瞳孔を大きくして、期待と不安に唇を何度か動かした。時々見える赤い舌がロレンソの理性を震わせる。

 ロレンソは咳払いをすると、ビクトリアの内腿にそっと唇を押し付けて、女の発する甘い匂いを吸い込んだ。良い匂いだ。ビクトリアの興奮した脚の間の香りは、思いっきり吸い込んで味わいたくなる今までになく惹きつけられる匂いだった。


 ビクトリアはロレンソの唇が、腿からさっき弾けた場所に移動したのを感じた。直ぐにそれが舌に変わって、さっき言った様に敏感なそれを文字通り舌で転がされているのだろう。じわじわとまた高められて、逃げ出したくなる。

 けれどもガッチリとロレンソに押さえ込まれて、ビクトリアはその疼きがもっと奥の場所に広がっているのを感じた。

 だからその場所にロレンソの指が優しく押し込まれた時、ビクトリアは何処かホッとして自分からもっと奥へ欲しがって脚を広げてしまっていた。 


 ロレンソの舌と指がまるでワルツのダンスの様にビクトリアを柔らかく、時々激しく撫でて抉るので、ビクトリアはまたもや息を詰めて飛び立とうと準備した。

 けれどもロレンソはそんなビクトリアを落ち着かせる様に指を止めて鎮まらせると、身体中を愛撫した。口づけを受けても、胸の先端を吸われても、ビクトリアの中のロレンソの指の小さな動きに翻弄されたビクトリアは、困惑してロレンソに訴えた。


 「ロレンソ、お願い。もっとして…欲しいの…!」

 するとビクトリアの顔を苦しげに見つめたロレンソは、もう一度舌でビクトリアの弱い場所をなぞりながら、指を増やして優しく抉った。その圧迫感に、ビクトリアは息を呑んで身体を強張らせた。

「君は狭過ぎる…!壊れてしまいそうだ。ああ、だけど君の感触が私を喜ばせて苦しめる。」

 ロレンソの呟きはビクトリアを喜ばせた。少なくとも彼は自分に夢中になっている。


 けれどそんな余裕も、ロレンソが水音を激しく部屋に響かせてしまったらビクトリアにはなす術がなかった。ビクトリアはさっきよりも狭い場所に押し込められる様な息苦しさと、瞼の裏が白くなる様な気持ち良さに弾き出されてガクガクと身体を痙攣させていた。

「ああ、凄い…!」

 ロレンソのうっとりした掠れ声の後、優しく撫でる様にしてビクトリアの中からロレンソの指は出て行った。

 力の抜けたビクトリアは、ロレンソに抱き寄せられて汗ばんだ身体がぴたりとくっついているのを感じながら、それも悪くないと思った。ただロレンソの硬い身体の一部も押し付けられているのを感じて、ぼんやりと目を開けた。


 そっと手を伸ばしたビクトリアはロレンソのそれを優しく握って呟いた。

「…これ、一度大きくなったら白いのを出さなくちゃ収まらないのではなかったかしら。」

 するとロレンソはビクトリアの手の上から自分の手を覆ってゆっくり動かし始めた。

「…すまないがこうして手伝ってくれないか。君に翻弄されて、そう時間は要らないから。」

 ビクトリアは素直にロレンソの方に向き直ると、唇を合わせて荒々しい息を感じながら、一緒にリズムを取った。自分の手の中でロレンソのそれが一気に怒張を増すと、次の瞬間ドクドクと温かなぬめりが溢れるのを感じた。


 「…本当に時間が要らなかったな。」

 少し照れた様子のロレンソが何だか可愛くて、そしてもっと彼を味わいたくなったビクトリアは、手の中のつるりとしたロレンソを撫でて囁いた。

「これ、私のペットにしたいわ。ダメかしら。」

 するとロレンソは一瞬黙り込んだ後、ビクトリアに悪戯っぽい眼差しを向けて微笑んだ。

「これのご主人様になりたいのかい?だったら私の求婚を受けてくれなくちゃ無理だよ?」






 


 
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