【前編完結】50のおっさん 精霊の使い魔になったけど 死んで自分の子供に生まれ変わる!?

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです

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激闘 編

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 * * 同時刻:東京 行政区 * *

水の大精霊ローレライの目の前に次元の亀裂が開かれた。

「水の気配に誘われて来てみれば。 これは何とも。 其方も水の精霊とな。」

次元の亀裂から出てきた、透明感のある女性がローレライに尋ねる。

「別次元の大精霊ですか。」

「うむ。何やら、奇妙な空間に吸い込まれてしまってな。

して。 ここは?」

「地球と呼ばれる星ですよ。 他の次元の私。」

「ふむ。 私と同じ存在為れば、自分と呼んでも間違いはないだろうが。 いささか不愉快ではあるな。」

「それは失礼。 私は、この星の側の水の大精霊ローレライ。 名前を聞いても?」

「私はリヴァイアサン。 水の守護をつかさどる大精霊為り。」

「出来れば、このまま自分の星に御帰り頂ければ揉めないで済むのですが。」

「それは、些か難しいであろうな。」

「理由を?」

「うむ。 先ほども言ったように。 私の意志で、この次元に来た訳ではない。

なので、帰りたくても、帰れない。と、言った所で。」

「なら。 貴方は、この星で暮らすと?」

「向こうの星では、揉め事に巻き込まれまくってな。 のんびりさせてくれるなら。 無茶な要件以外は聞き入れるよ。」

「それは良かった。 無駄な争いをしないで済みます。」

その時だった。

「そりゃ困るな。 もうちっと揉めて貰わんとな。」

唐突に、1人の男が、リヴァイアサンとローレライの目の前に現れた。

「誰ですか?」

最大限の警戒心を持って、ローレライが目の前の男に尋ねる。

身構えているのは、リヴァイアサンも同じだ。

仮にも、大精霊の張った結界内部に侵入してきたのだ。

只者ではないのは明白だった。

「生憎と、名前なんてものは、産まれた時から無くてなあ。 いて言うなら。ソウヤとでも呼んでくれるかあ。」

「それでは、ソウヤさん。 貴方は私たちの敵ですか?」

ソウヤから、発せられる明確なまでの敵対心を受けながらローレライが聞く。

「そやで。 出来たら、アンタらで潰し合って対消滅して貰うんが理想やったんやけどな。

なんや、意気投合してもうたさかい。 自分が出てくる羽目になったんや。

って事で。 あんまし時間をかけると。 あの怖い兄ちゃんが出てくるさかいな。

手短に済ませてトンズラさせて貰うわ。」

と言い終わると同時に、ローレライの右側に姿を現すソウヤ。

「クッ!」

ソウヤから放たれる蹴りを右腕でブロックするローレライ。

「くおっ!」

蹴り飛ばされたローレライに巻き込まれながら、リヴァイアサンもローレライと一緒に100メートル近く吹き飛ばさせる。

「無茶苦茶だぞ! あの男!」

ようやく、蹴り飛ばされた勢いを殺して。 言葉を吐き出すリヴァイアサン。

「気を付けてくださいっ! 精霊力を遮断されています!」

ソウヤの蹴りを受けただけで、ローレライの右腕は消し飛んでいた。

本来。純粋な精神体アストラルである精霊には物理攻撃は通じない。

精神体アストラルへの有効打と為り得るのは、魔力や精神力などを攻撃に乗せないと有効打にはならない。

そして、仮に現世うつしよに構成している肉体が破損しても、瞬時にして再構成されて修復される。

それが、ローレライの右腕は修復されていない。

つまり。 ソウヤは、精霊を殺せると言う事。

そして、またしてもソウヤの姿が消えた。

咄嗟に、ローレライとリヴァイアサンは別方向に向かって空中に向かい飛びのいた。

が。

「いっ!」

「ローレライ!」

ローレライの腹部を、緑の刀身が貫いていた。

僅か一瞬。 リヴァイアサンがローレライに気を取られたのは本当に一瞬だった。

「あぐっ!」

今度は、リヴァイアサンの腹部を緑の刀身が貫いていた。

「おわっとっ!」

ソウヤの背後から、赤い色の刀身が振り下ろされ。

ソウヤは間一髪で、その攻撃を躱す。

「10分は持つんやないんかいっ!」

「ちっ!」

「悪いけど。 トンズラさせて貰うで。 あんたとり合う気は無いんでね。」

そう言って、姿を消すソウヤ。

「逃がす!・・・・」

かよ。 と言いかけて。言葉を止めた生來いくる

生来いくる。」

「くそっ! 別次元に逃げ込みやがったっ! 今の俺じゃ追跡できねえぇ!」

苛立ちを隠さず言葉を吐き捨てる生来いくる

り人様・・・』

テレパシーで、ローレライの声が聞こえる。

『悪い。間に合わなかった。』

『お気に為さらないでください。 これも、また運命さだめ。』

『・・・・』

『生憎ながら。 私の方は完全に急所コアを貫かれております。

ですが。 

もう一人の私の方は、急所から僅かに逸れております。

破損個所は、私がおぎないますので。

彼女を宜しく、お願いします。』

『判った。』

『ありが・・・とう・・ござ・・・』

最後まで言い切る事は出来ずに、ローレライの身体が霧散していく。

そこに残ったのは、欠けた灰色の球。

「くそっ!」

空を睨みながら言う生来いくる

生来いくる・・・。」

セリアが、心配そうな表情で生来いくるを見つめる。

「あと1割・・・。あと1割。 封印が解けていればっ!」

そう。生来いくるの封印は、未だに1割しか解けていない。

「セリア。 彼女を頼む。」

そう言って、灰色の球をセリに手渡す。

「貴方は?」

セリアが問いかけた時には、既に生来いくるの姿はなかった。

神人かみびとと言っても。 万能じゃないのよ・・・。 生来いくる。 背負いこみ過ぎないで・・・。」

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