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災難は突然に:7

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「お聞きしても宜しいでしょうか?」

『何をだ。』

「幻獣の規則か何かで、見知らぬ人間に名前を付けて貰うのが決まりとかであるのでしょうか?」

『無いな。』

「なら、何で俺が?」

『我が子が、お前に名前を付けて欲しいらしい。』

「この子が?」

そう言って、子供竜に目を向ける。

「キュイキュー。 キュキュキュイ。」

『ふむ。どれ。』

子供竜の鳴き声に反応して、母親竜が長い首を俺の方に向けてくると、匂いを嗅ぐ仕草をする。

『ほう・・・。これは、珍しいな。 お主。魔力を持っておらぬのか?』

「はい。 俺は魔力を持っていません。」

母親竜に指摘され。 俺は、この世界に着たいきさつを話した。

とは言っても。 寝てて起きたら異世界違う次元の星だったのだが。

『なるほど・・・。 お主はカルドラの加護を受けておらぬのか。』

「キュイキュウー、キュキュキィキュイ。」

『ほう。 どれ。』

母親竜が、そう言ったかと思うと。 目の前で、母親竜が小さくなってい行くと同時に人の姿に為って居た。

見た目は20代半ばくらいだろうか?

身長は高めで、俺より少し低いくらい。 多分、170ちょっと。

ブルーの瞳に、髪の色は白色で腰の下辺りまで伸びており。

スレンダーボディーなのに、胸はツンっと上を向いており形も大きさも良い。

そして、ふちなしメガネを掛けている。

全裸にメガネだけ! 破壊力抜群だよっ!!

そりゃもう、理性が飛びそうになりそうになるのを必死でこらえる。

一糸纏わぬ姿のままで、母親竜が俺の横に並び、俺の腕に自分の腕を絡めてくる。

お互いの腕を絡めている状態なので、俺の手が母親竜の大事な所に触れている。上も下も。

「・・・幻獣様?」

頭の中で、九九を数えながら母親竜に呼びかける。

「シノン。」

「シノン?」

「私の名前だ。」

「えっと。シノンさん。 できれば、何か着て、離れて欲しいのですが・・・。」

「人が着る服など、持っている訳が無いだろう。」

ええっ!そうでしょうね! 判ってましたともっ!

「なら、俺の上着を貸しますので、少し離れて戴けますか?」

半ば強引に、シノンの身体を離して、俺の上着を彼女に着せる。

その間、子供竜は、俺の頭の上で様子を見ている。

「ふむ。少し短くないか?」

やばい・・・余計にエロくなった・・・。

俺が貸した上着は、ブレザータイプの上着なので。

彼女が着ると、胸は隠せても。 下は隠れるか隠れないかの、キワドイ所なので余計に扇情的に見える。

「ちょっと待ってください。」

俺は、自分の中シャツを脱ぐと、彼女に渡す。

「肌に直接当たってたので申し訳ないですが。」

彼女は、シャツを手に取ると、匂いをスンスンと嗅ぐ。

加齢臭が気になるのか、匂いを嗅ぐシノンさん。

「匂いますか?」

「あぁ、お主の匂いがする。」

「すいません・・・。」

「なぜ謝る? お主の匂いは良い匂いだぞ。」

加齢臭が?

シノンさんがシャツを着て、何とか大事な所が隠れてくれる。

「さて。 我が子の名前を付けてくれ。」

シノンが、俺の腕に自分の腕を絡めながら言う。

子供竜は、頭の上から降りて、俺の左肩から右肩に掛けて身体を伸ばしてリラックスだれてしている。

「キュ~~。」

小さな口を、大きく開けて欠伸を。

「名前を付けろと言われても。 この子が、男の子なのか女の子なのかも分かりませんから。」

「なら安心して良いぞ。 お主が、男子か女子か、どちらに付ける名前をつけると、その子は名前の通りの性別になる。」

「すいません・・・。意味が理解できません・・・。」

「ふむ。 簡単に言うと。 お主が、男に付ける名前か、女に付ける名前かを想いながら名前を付けると。

その子は名前の通りの性別になる。

と、言えば判るかの?」

「俺が、女の子に付けたい名前を付けると女の子になって。 男の子に付けたい名前だと男の子になる?」

「そうだ。」

何その不思議特性っ! 幻獣って皆そうなの!?

「あれっ? シノンさん?」

「ん?」

「シノンさんも、誰かに名前を?」

「あぁ、勿論だ。 私は、1000年前の勇者に名前を付けて貰った。」

思わぬ所で、1000年前の生き証人に出会ってしまった。
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