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三大陸連合会談:1
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フォーリアに来て4年が経った。
昨年、魔人族の王。 つまり、魔王が死んで世代交代が行われた。
前魔王の死因は、恐らく心筋梗塞だろうと俺は思う。
地球に居た頃に、知り合いが目の前で胸の痛みを訴えて、突然苦しみだして倒れてしまった。
側近に聞いた話だと、その症状に似ている。
まぁ、こっちだと。 魔法があるので、呪いだとも、毒殺だとも言われているが。
魔王の世代交代は知っていたので。
スタン達が内密に、城の人たちと協力して、暗殺などには目を光らせていたので、その線は薄いと思う。
そして、世代交代した現魔王様。
神の言ったとおりに、魔人族至上主義者。
世代交代が行われる前から、軍備増強の準備はしてたらしいので。
恐らく1年以内には、戦争が起きるだろう。
* * * * * * *
「アキト!」
「衝撃波! 駄目ですっ! これ以上は押さえきれません!」
アレスの声に、スキルを放ちながら大声で答える。
上空からは矢と槍が見境なく降って来る。
田畑と家々は燃え盛り、辺りには死んだ人々の死体。
燃え盛る炎が煙をまき散らし、息をするのも儘ならない状況。
「撤退するっ!」
ハンジの声が戦場に響く。 風魔法を応用した拡散魔法で声を広げて届けている。
撤退を始めるアキト達に、容赦なく襲い掛かる矢の嵐。
幾人かは、矢の直撃を受けて絶命してゆく。
身体強化の魔法を全力で行使して、アキト達は魔人族の攻撃から逃れた。
アキト達が逃げた先は、標高1800メートル級の山を利用した天然の砦。
山の中腹を刳り貫いて、魔人族の上空からの攻撃に対処している。
「助けられたのは、これだけですか・・・・。」
アキトが、砦の中に居る住人たちを見ながら言う。
山の中を刳り貫いて作った広間には、先ほどの町から逃げてきた住人たちが、憔悴しきった表情で身を寄せ合っていた。
その数、48人。
総人口500人以上の町から救えた命は、僅か50にも満たなかった。
「クソッ!」
アレスが右手で、左の手の平を叩く。
「力が余ってんなら、奥から寸胴を持ってきてくれ。」
寸胴を運びながらイクルが言う。
「あ、手伝います。」
「奥に新しい寸胴が有りますので。それを、お願いします。」
ルカが答える。
「わかりました。」
「ふんっ!」
のっしのっしと、奥に向かって歩いて行くゴリラとアキト。
「飯だぞ~。 腹が減ってなくても食っておけよぉ~。」
逃げてきた住人たちに聞こえるように言う。
(次に、飯に有り付けるとは限らないからな。 食える時に食っておけ。)
お椀に入れて配っているのは〝豚汁〟。
それと、おにぎりが配られる。
そんな中、トテトテと、俺の方に小さな女の子が寄って来る。
「おじちゃん。ありがとう。」
おにぎりを片手に、俺に向かって頭を下げる少女。
「沢山食べろよ。」
俺も笑顔で少女に言う。
「うん!」
そう言って、親元に帰っていく少女。
魔王の世代交代が行われて、僅か三か月後。 突如、魔人族が各大陸に侵攻し始めた。
これには、各大陸の王家も自治領も慌てふためいた。
普通、戦争と言うものは。
兵士たちの兵糧や、武器などの資材。
それに、それらを動かす金が必要に為る。
だから、普通に考えると。 半年から1年は準備期間が必要に為る。
また、その準備期間で。 動きが解かるので対策は可能なのだが。
今回は、対策をする前に攻め込まれてしまい。
各大陸で被害が相次いでいる。
今回、救助に向かった町は、ホーデン王国と、隣国レクサス王国との国境沿い。
この山の避難施設から割と近い位置に存在した。
僅か二カ月で、避難施設を作ったのかと言えば、そうではない。
フォーリアに来て、最初の年に、イライザとソニア経由で王様に伝えて貰った。
獣人族の大陸は、平原の多い地方なので、山ではなく地下に避難施設を作り。
亜人族の大陸は、元が鉱山地方としての役割が高かったので、鉱山道を避難施設に改造するだけで事足りた。
本当は、もっと避難施設を作って欲しかったのだが。
大々的にやると、避難施設の場所が露見してしまうし。
何より各大陸の、王家や領主が、ホーデン王国と転移者であるアキトの言葉を信じ切れなかったと言うのが一番大きかった。
その為に、各大陸に在る避難施設は、かなり少なくなってしまっている。
せめてもの救いは、ホーデン王国領内だけでも、各町村の住人が収納できる避難施設の数を作れたことだろうか。
この星で、空を移動する手段を持っているのは魔人族だけ。
魔人族以外では唯一、幻獣種と呼ばれる魔獣だけ。
先の戦闘の様に、魔人族が上空から弓矢や槍を地上に向かって放つだけでも、空を移動する術を持たない種族には脅威になる。
魔法で対抗しようにも、魔法にも射程がある。
現状、魔人族優勢の状況は覆せていない。
昨年、魔人族の王。 つまり、魔王が死んで世代交代が行われた。
前魔王の死因は、恐らく心筋梗塞だろうと俺は思う。
地球に居た頃に、知り合いが目の前で胸の痛みを訴えて、突然苦しみだして倒れてしまった。
側近に聞いた話だと、その症状に似ている。
まぁ、こっちだと。 魔法があるので、呪いだとも、毒殺だとも言われているが。
魔王の世代交代は知っていたので。
スタン達が内密に、城の人たちと協力して、暗殺などには目を光らせていたので、その線は薄いと思う。
そして、世代交代した現魔王様。
神の言ったとおりに、魔人族至上主義者。
世代交代が行われる前から、軍備増強の準備はしてたらしいので。
恐らく1年以内には、戦争が起きるだろう。
* * * * * * *
「アキト!」
「衝撃波! 駄目ですっ! これ以上は押さえきれません!」
アレスの声に、スキルを放ちながら大声で答える。
上空からは矢と槍が見境なく降って来る。
田畑と家々は燃え盛り、辺りには死んだ人々の死体。
燃え盛る炎が煙をまき散らし、息をするのも儘ならない状況。
「撤退するっ!」
ハンジの声が戦場に響く。 風魔法を応用した拡散魔法で声を広げて届けている。
撤退を始めるアキト達に、容赦なく襲い掛かる矢の嵐。
幾人かは、矢の直撃を受けて絶命してゆく。
身体強化の魔法を全力で行使して、アキト達は魔人族の攻撃から逃れた。
アキト達が逃げた先は、標高1800メートル級の山を利用した天然の砦。
山の中腹を刳り貫いて、魔人族の上空からの攻撃に対処している。
「助けられたのは、これだけですか・・・・。」
アキトが、砦の中に居る住人たちを見ながら言う。
山の中を刳り貫いて作った広間には、先ほどの町から逃げてきた住人たちが、憔悴しきった表情で身を寄せ合っていた。
その数、48人。
総人口500人以上の町から救えた命は、僅か50にも満たなかった。
「クソッ!」
アレスが右手で、左の手の平を叩く。
「力が余ってんなら、奥から寸胴を持ってきてくれ。」
寸胴を運びながらイクルが言う。
「あ、手伝います。」
「奥に新しい寸胴が有りますので。それを、お願いします。」
ルカが答える。
「わかりました。」
「ふんっ!」
のっしのっしと、奥に向かって歩いて行くゴリラとアキト。
「飯だぞ~。 腹が減ってなくても食っておけよぉ~。」
逃げてきた住人たちに聞こえるように言う。
(次に、飯に有り付けるとは限らないからな。 食える時に食っておけ。)
お椀に入れて配っているのは〝豚汁〟。
それと、おにぎりが配られる。
そんな中、トテトテと、俺の方に小さな女の子が寄って来る。
「おじちゃん。ありがとう。」
おにぎりを片手に、俺に向かって頭を下げる少女。
「沢山食べろよ。」
俺も笑顔で少女に言う。
「うん!」
そう言って、親元に帰っていく少女。
魔王の世代交代が行われて、僅か三か月後。 突如、魔人族が各大陸に侵攻し始めた。
これには、各大陸の王家も自治領も慌てふためいた。
普通、戦争と言うものは。
兵士たちの兵糧や、武器などの資材。
それに、それらを動かす金が必要に為る。
だから、普通に考えると。 半年から1年は準備期間が必要に為る。
また、その準備期間で。 動きが解かるので対策は可能なのだが。
今回は、対策をする前に攻め込まれてしまい。
各大陸で被害が相次いでいる。
今回、救助に向かった町は、ホーデン王国と、隣国レクサス王国との国境沿い。
この山の避難施設から割と近い位置に存在した。
僅か二カ月で、避難施設を作ったのかと言えば、そうではない。
フォーリアに来て、最初の年に、イライザとソニア経由で王様に伝えて貰った。
獣人族の大陸は、平原の多い地方なので、山ではなく地下に避難施設を作り。
亜人族の大陸は、元が鉱山地方としての役割が高かったので、鉱山道を避難施設に改造するだけで事足りた。
本当は、もっと避難施設を作って欲しかったのだが。
大々的にやると、避難施設の場所が露見してしまうし。
何より各大陸の、王家や領主が、ホーデン王国と転移者であるアキトの言葉を信じ切れなかったと言うのが一番大きかった。
その為に、各大陸に在る避難施設は、かなり少なくなってしまっている。
せめてもの救いは、ホーデン王国領内だけでも、各町村の住人が収納できる避難施設の数を作れたことだろうか。
この星で、空を移動する手段を持っているのは魔人族だけ。
魔人族以外では唯一、幻獣種と呼ばれる魔獣だけ。
先の戦闘の様に、魔人族が上空から弓矢や槍を地上に向かって放つだけでも、空を移動する術を持たない種族には脅威になる。
魔法で対抗しようにも、魔法にも射程がある。
現状、魔人族優勢の状況は覆せていない。
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