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第81話 血盟 英華の剣 潰える
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(アイツの所為だっ!)
アベルの顔を思い出しながら思考の中で思うディスト。
(少しばかり、便利道具を作れるアイツの嫁の所為だっ!)
更に、八つ当たりの対象はルナへと向けられる。
(アイツと、アイツの嫁の所為だ!)
自分の無能差を棚に上げて、憎しみの対象はアベルとルナに向けられる。
(殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す)
『そんなに憎いか?』
自分しか居ない筈の部屋に、誰かの声が聞こえた。
一瞬。幻聴かとも考えたが
『そんなに憎いのか? 復讐をしたいのか?』
「誰だっ!」
幻聴ではない。明らかに姿は見えないが誰かが居る。
思わず、ディストは大声をあげた。
『殺したいほど憎いのなら。手を貸そう。』
「だから!誰だっつってんだろうがっ!」
『我はデオリス。』
「デオリス?」
『そうだ。悪魔族のデオリス。
お前の憎しみに誘われて顕現せし者なり。』
「手を貸すって言ったな! どう手を貸すっつんだ!」
『強き力を、お前に与えてやる事が出来る。』
「代価は何だっ!」
『代価は、お主の憎しみを我に与える事。』
「俺の憎しみ?」
『そうだ。お前の憎しみを我に捧げろ。
さすれば、お主に強さを授ける。』
「そんな物で良いなら!いくらでも持っていけ!
だから!俺に力をよこせっ!」
次の瞬間。身体の中に何かが入って来る感覚がして。
物凄い全能感が湧いてくる。
「ふはっ!ははははっはっはははは!
殺れる! 殺れるぞっ!」
狂気の表情で醜く笑うディスト。
こうして、ディストは上級悪魔のデオリスに憑依された。
時間と共に身体も記憶もデオリスに奪われると言う事も知らずに。
この日から、ディストの姿を見た物は無く。
数日後に、血盟英華の剣は潰えた。
アベルの顔を思い出しながら思考の中で思うディスト。
(少しばかり、便利道具を作れるアイツの嫁の所為だっ!)
更に、八つ当たりの対象はルナへと向けられる。
(アイツと、アイツの嫁の所為だ!)
自分の無能差を棚に上げて、憎しみの対象はアベルとルナに向けられる。
(殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す)
『そんなに憎いか?』
自分しか居ない筈の部屋に、誰かの声が聞こえた。
一瞬。幻聴かとも考えたが
『そんなに憎いのか? 復讐をしたいのか?』
「誰だっ!」
幻聴ではない。明らかに姿は見えないが誰かが居る。
思わず、ディストは大声をあげた。
『殺したいほど憎いのなら。手を貸そう。』
「だから!誰だっつってんだろうがっ!」
『我はデオリス。』
「デオリス?」
『そうだ。悪魔族のデオリス。
お前の憎しみに誘われて顕現せし者なり。』
「手を貸すって言ったな! どう手を貸すっつんだ!」
『強き力を、お前に与えてやる事が出来る。』
「代価は何だっ!」
『代価は、お主の憎しみを我に与える事。』
「俺の憎しみ?」
『そうだ。お前の憎しみを我に捧げろ。
さすれば、お主に強さを授ける。』
「そんな物で良いなら!いくらでも持っていけ!
だから!俺に力をよこせっ!」
次の瞬間。身体の中に何かが入って来る感覚がして。
物凄い全能感が湧いてくる。
「ふはっ!ははははっはっはははは!
殺れる! 殺れるぞっ!」
狂気の表情で醜く笑うディスト。
こうして、ディストは上級悪魔のデオリスに憑依された。
時間と共に身体も記憶もデオリスに奪われると言う事も知らずに。
この日から、ディストの姿を見た物は無く。
数日後に、血盟英華の剣は潰えた。
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