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第75話 師の苦労
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さて、セツナとタイガが、|学院(アカデミー)で教師的な事をしている時。
ルナとエリスの師匠コンビと言えば。
ひたすらに魔道街灯を生産していた。
その魔道街灯も、普通の魔道街灯ではなく。
悪魔族を見分ける為の工夫も付け加えていた。
幾度もの失敗を繰り返し、最近になって漸く悪魔族だけを見分ける仕組みが完成しつつあった。
そして今日。
「やっと……。やっとだね……。」
ルナが完成した、悪魔族識別魔道街灯を見ながら言葉を漏らす。
「うん……。やっと出来たね。」
エリスも出来上がった、悪魔族識別魔道街灯を見ながら言う。
2人が、此処まで感慨深くなるのは仕方の無い事だった。
悪魔族を識別する魔道具を作ろう。
そう思ったまでは良かったのだが。
最初に出来上がった魔道具がヤバ過ぎた。
最初に作った魔道具。【真実の結界石】と言う結界石。
出来上がって、喜んで起動させたまでは良かった。
が。この結界魔道具。性能が良すぎた。
偽りの姿を暴くまでは良かったのだが。
名前の通り、真実しか出なかったのだ。
どういうことだ?と思うだろう。
人と言う生き物は、建前と本音が同居している生き物である。
例え、気に入らない事でも、近所付き合いや、他人との円滑を求める為に言葉に衣を被せて話す。
そうする事で、他人との衝突を出来るだけ減らすようにしている。
言葉だけではなく、表情とか態度も交えて。
それが、真実の結界の中では、本心しか言えなくなり。
態度や表情も繕えなくなる。
さて、後は想像に容易いだろう。
建前を言えなくなった人は衝突しあうしかなくなる。
相手が貴族だろうが、仕事の上司だろうが、国王様だろうが取り繕えなくなる。
この時に、仲の良いルナとエリスの2人でさえ。
本心を曝露し合って、かなりのダメージを受けて、お互いに気まずくなり、3日ほど顔を見るのが辛くなったほどだ。
2人とも。
穴が在ったら、速攻で穴に潜って蓋をしていただろうと断言できる。
4日目に、お互いに頭を下げ合って事無きを得たのだが。
あの気まずさは半端なかったとだけ言って置こう。
この結果。結界案はボツになった。
そりゃそうだろう。いくら悪魔族を見分けられても、街中で住民たちが抗争する図しか浮かんでこない。
次に作ったのは【真実の鏡】。
これは、メルの真眼の上位互換版と思ってくれたらいい。
確かに結界みたいに本心を曝露しないだけましなのだが。
やはり、表情と態度が見えてしまうのは良くない。
その上に、映し出す範囲も狭いと言う事でボツ。
そして、最終的に出来上がったのが。
【擬態暴きの明光】。
これは、悪魔族の擬態にだけ反応するように改良して。
魔道街灯の光源を守るためのガラスに反映させた。
これにより、魔道街灯の明かりが、擬態を暴く光となり、光の範囲内の悪魔族の擬態を陰にして映し出す。
魔道街灯自体は、シグルートの街の暗闇を照らす為に等間隔で、かなりの数が街中に設置されている。
昼間でも、魔道街灯の光は発せられている。
しかも、魔道街灯本体ではなく。光源を守るガラスに反映させているので、太陽の光でもガラスを通せば擬態暴きの明光に為る。
これにより、シグルートの街に潜んでいる悪魔族を識別可能になる。
ルナとエリスの師匠コンビと言えば。
ひたすらに魔道街灯を生産していた。
その魔道街灯も、普通の魔道街灯ではなく。
悪魔族を見分ける為の工夫も付け加えていた。
幾度もの失敗を繰り返し、最近になって漸く悪魔族だけを見分ける仕組みが完成しつつあった。
そして今日。
「やっと……。やっとだね……。」
ルナが完成した、悪魔族識別魔道街灯を見ながら言葉を漏らす。
「うん……。やっと出来たね。」
エリスも出来上がった、悪魔族識別魔道街灯を見ながら言う。
2人が、此処まで感慨深くなるのは仕方の無い事だった。
悪魔族を識別する魔道具を作ろう。
そう思ったまでは良かったのだが。
最初に出来上がった魔道具がヤバ過ぎた。
最初に作った魔道具。【真実の結界石】と言う結界石。
出来上がって、喜んで起動させたまでは良かった。
が。この結界魔道具。性能が良すぎた。
偽りの姿を暴くまでは良かったのだが。
名前の通り、真実しか出なかったのだ。
どういうことだ?と思うだろう。
人と言う生き物は、建前と本音が同居している生き物である。
例え、気に入らない事でも、近所付き合いや、他人との円滑を求める為に言葉に衣を被せて話す。
そうする事で、他人との衝突を出来るだけ減らすようにしている。
言葉だけではなく、表情とか態度も交えて。
それが、真実の結界の中では、本心しか言えなくなり。
態度や表情も繕えなくなる。
さて、後は想像に容易いだろう。
建前を言えなくなった人は衝突しあうしかなくなる。
相手が貴族だろうが、仕事の上司だろうが、国王様だろうが取り繕えなくなる。
この時に、仲の良いルナとエリスの2人でさえ。
本心を曝露し合って、かなりのダメージを受けて、お互いに気まずくなり、3日ほど顔を見るのが辛くなったほどだ。
2人とも。
穴が在ったら、速攻で穴に潜って蓋をしていただろうと断言できる。
4日目に、お互いに頭を下げ合って事無きを得たのだが。
あの気まずさは半端なかったとだけ言って置こう。
この結果。結界案はボツになった。
そりゃそうだろう。いくら悪魔族を見分けられても、街中で住民たちが抗争する図しか浮かんでこない。
次に作ったのは【真実の鏡】。
これは、メルの真眼の上位互換版と思ってくれたらいい。
確かに結界みたいに本心を曝露しないだけましなのだが。
やはり、表情と態度が見えてしまうのは良くない。
その上に、映し出す範囲も狭いと言う事でボツ。
そして、最終的に出来上がったのが。
【擬態暴きの明光】。
これは、悪魔族の擬態にだけ反応するように改良して。
魔道街灯の光源を守るためのガラスに反映させた。
これにより、魔道街灯の明かりが、擬態を暴く光となり、光の範囲内の悪魔族の擬態を陰にして映し出す。
魔道街灯自体は、シグルートの街の暗闇を照らす為に等間隔で、かなりの数が街中に設置されている。
昼間でも、魔道街灯の光は発せられている。
しかも、魔道街灯本体ではなく。光源を守るガラスに反映させているので、太陽の光でもガラスを通せば擬態暴きの明光に為る。
これにより、シグルートの街に潜んでいる悪魔族を識別可能になる。
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