26 / 89
第24話 妖精と仲良くなりました
しおりを挟む
あれから、1時間以上かけて。中層の奥まで辿り着こうとする所まで来た。
さすがに、これ以上はベースキャンプに戻る時間を考えると、引き返すのが妥当だと言う距離だ。
「そろそろ、引き返すか?」
「そうだな。安全性を考慮するなら。」
ベルンの言葉に、ビートも賛同する。
「まだ、明日1日は探索できる。
最悪、クエスト失敗でも仕方がない。
エルダートレント何て、そうそう出会えるわけでもないし。」
ビートが言う。
「そうですね。依頼内容も、クエスト失敗でもペナルティーは無しと書かれていましたし。」
ヒルトが言う。
意見も、一致したし。 今日の所は、ベースキャンプに戻る事になった。
* * * *
ベースキャンプに戻ると、アベルは早速晩御飯の支度にとりかかる。
適当な石で作った焼き場に網を載せて。 キノコ類を焼く。
ちゃんと、マジックポーチで持ってきた、食用のキノコだけを焼いているので大丈夫。
野山で取れるキノコなんて、鑑定スキルを持っているか。余程の知識が無いと危なくて仕方がない。
卵を溶いて、炊きあがった御飯に混ぜ合わせてフライパンで炒める。
塩と胡椒を入れて、最後に醤油で味を調える。
焼いたキノコにも、醤油を掛けると。
醤油の焦げる良い匂いが、暴力的なまでに鼻腔をくすぐる。
「その、ショウユだっけ? 食欲をそそられるなぁ~。」
「ほんと。 匂いだけで、お腹の虫が鳴っちゃうよ。」
「東方大陸の調味料です。 東方大陸では、一般的な調味料らしいですよ。」
ベルンと、シャノンの言葉に答えるアベル。
「こっちでは、売ってないのか?」
「これ、ルナとエリスが錬金で作ったんですよ。」
(深夜テンションの入った状態でとは言わない。)
「どんだけ、万能なんだよ。錬金術って。」
ベルンが言うと。
「言うほど万能でもありませんよ。
色々、作ってますけど。 失敗してる方が多いですので。
成功しても、微妙過ぎるのが多いのも問題の一つですね。
どうぞ。出来上がりました。
味噌汁は、苦手でしたら。 普通のスープもありますので言ってくださいね。」
「「「「食材に感謝を。 いただきます。」」」」
焼いたキノコを皿に乗せて、少し離れた場所の岩の上に置くアベル。
「アベル?」
シャノンが、アベルの行動に問うと。
「森の中から着いて来てましたので。」
一瞬考えるシャノンだが。何の事だか判らないが、害意は無いとの事なので食事に専念する。
岩の上に置かれた皿の場所には、いつの間にか、手の平サイズの小さな妖精たちが集まって焼けたキノコを食べていた。
「これ!おいしい!」
「うん!おいしい!」
「もっと欲しい!」
妖精たちが騒ぎ出す。
3人とも、見た目も声質も、全く一緒。
違うのは被っている帽子の色だけ。
「お代わりを出そうか?」
大きくなり過ぎない程度の声で、アベルが妖精たちに問う。
「「「ほしい!」」」
「そっちに持って行こうか? それとも、こっちに来るかい?」
「どうする?」
「行く?」
「嫌な感じはしない。」
3人の妖精たちは、何やら相談をしていたが。
3人で、皿を持って、アベルの横に飛んでいく。
「お皿を持ってきてくれて有難うね。
はい。お代わりのキノコ。と焼き御飯だよ。
良かったら食べてね。」
にこりと笑顔で言うアベル。
「有り難う。」
「美味しい!」
「美味しい!」
「ずるい!ぼくも!」
ハグハグと小さな手を動かして、焼き御飯とキノコを頬張る妖精たち。
その姿を見て、ビート達4人も頬を緩ませていた。
「いつから気づいてた?」
「昼食の時のサンドイッチを食べた頃からです。
ずっと、凝視されてたので、視線に気が付きました。
専門職ほどではないけど、斥候スキルは持ってますので。」
「成る程な。それで、魔物との遭遇率が高かったのか。」
ビートの言葉に、視線を外すアベル。
「別に攻めてはいない。が。一言くらいは欲しかったがな。」
「明日からは、そうします。」
そう言いながら、別の皿に水を入れて、妖精たちの方に差し出す。
妖精たちは、水を手ですくい口に入れて行く。
「ありがとう!」
「おいしかった!」
「ごちそうさま!」
妖精たちが礼を述べる。
「どう致しまして。 満足した?」
「うん!」
「君たちに、聞きたいことが或るんだけど。いいかな?」
「いいよぉ~。」
「妖精の粉ってのを探しているんだけど。知ってるかい?」
三人は顔を合わせると、アベル達から少し離れてゴニョゴニョ話し出す。
暫くして戻ってくる妖精たち。
「妖精の粉。知ってるよ。」
「出来たら、少し分けてくれると嬉しいんだけど。ダメかな?」
「条件がある!」
「僕に、出来る事なら。」
「お兄さんについていく!」
「着いて行く!」
「美味しいもの、もっと沢山食べたい!」
「そう。じゃあ、自己紹介だね。
僕の名前はアベル。 君たちの名前は?」
「ミト!」
赤の帽子の妖精が言う。
「コト!」
青の帽子の妖精。
「リト!」
黄の帽子の妖精。
「ミト。コト。リト。だね。 宜しくね。」
人差し指を差し出して言うアベル。
「「「アベル!よろしく~!」」」
三人の妖精たちが、差し出されたアベルの人差し指を握り返しながら言う。
さすがに、これ以上はベースキャンプに戻る時間を考えると、引き返すのが妥当だと言う距離だ。
「そろそろ、引き返すか?」
「そうだな。安全性を考慮するなら。」
ベルンの言葉に、ビートも賛同する。
「まだ、明日1日は探索できる。
最悪、クエスト失敗でも仕方がない。
エルダートレント何て、そうそう出会えるわけでもないし。」
ビートが言う。
「そうですね。依頼内容も、クエスト失敗でもペナルティーは無しと書かれていましたし。」
ヒルトが言う。
意見も、一致したし。 今日の所は、ベースキャンプに戻る事になった。
* * * *
ベースキャンプに戻ると、アベルは早速晩御飯の支度にとりかかる。
適当な石で作った焼き場に網を載せて。 キノコ類を焼く。
ちゃんと、マジックポーチで持ってきた、食用のキノコだけを焼いているので大丈夫。
野山で取れるキノコなんて、鑑定スキルを持っているか。余程の知識が無いと危なくて仕方がない。
卵を溶いて、炊きあがった御飯に混ぜ合わせてフライパンで炒める。
塩と胡椒を入れて、最後に醤油で味を調える。
焼いたキノコにも、醤油を掛けると。
醤油の焦げる良い匂いが、暴力的なまでに鼻腔をくすぐる。
「その、ショウユだっけ? 食欲をそそられるなぁ~。」
「ほんと。 匂いだけで、お腹の虫が鳴っちゃうよ。」
「東方大陸の調味料です。 東方大陸では、一般的な調味料らしいですよ。」
ベルンと、シャノンの言葉に答えるアベル。
「こっちでは、売ってないのか?」
「これ、ルナとエリスが錬金で作ったんですよ。」
(深夜テンションの入った状態でとは言わない。)
「どんだけ、万能なんだよ。錬金術って。」
ベルンが言うと。
「言うほど万能でもありませんよ。
色々、作ってますけど。 失敗してる方が多いですので。
成功しても、微妙過ぎるのが多いのも問題の一つですね。
どうぞ。出来上がりました。
味噌汁は、苦手でしたら。 普通のスープもありますので言ってくださいね。」
「「「「食材に感謝を。 いただきます。」」」」
焼いたキノコを皿に乗せて、少し離れた場所の岩の上に置くアベル。
「アベル?」
シャノンが、アベルの行動に問うと。
「森の中から着いて来てましたので。」
一瞬考えるシャノンだが。何の事だか判らないが、害意は無いとの事なので食事に専念する。
岩の上に置かれた皿の場所には、いつの間にか、手の平サイズの小さな妖精たちが集まって焼けたキノコを食べていた。
「これ!おいしい!」
「うん!おいしい!」
「もっと欲しい!」
妖精たちが騒ぎ出す。
3人とも、見た目も声質も、全く一緒。
違うのは被っている帽子の色だけ。
「お代わりを出そうか?」
大きくなり過ぎない程度の声で、アベルが妖精たちに問う。
「「「ほしい!」」」
「そっちに持って行こうか? それとも、こっちに来るかい?」
「どうする?」
「行く?」
「嫌な感じはしない。」
3人の妖精たちは、何やら相談をしていたが。
3人で、皿を持って、アベルの横に飛んでいく。
「お皿を持ってきてくれて有難うね。
はい。お代わりのキノコ。と焼き御飯だよ。
良かったら食べてね。」
にこりと笑顔で言うアベル。
「有り難う。」
「美味しい!」
「美味しい!」
「ずるい!ぼくも!」
ハグハグと小さな手を動かして、焼き御飯とキノコを頬張る妖精たち。
その姿を見て、ビート達4人も頬を緩ませていた。
「いつから気づいてた?」
「昼食の時のサンドイッチを食べた頃からです。
ずっと、凝視されてたので、視線に気が付きました。
専門職ほどではないけど、斥候スキルは持ってますので。」
「成る程な。それで、魔物との遭遇率が高かったのか。」
ビートの言葉に、視線を外すアベル。
「別に攻めてはいない。が。一言くらいは欲しかったがな。」
「明日からは、そうします。」
そう言いながら、別の皿に水を入れて、妖精たちの方に差し出す。
妖精たちは、水を手ですくい口に入れて行く。
「ありがとう!」
「おいしかった!」
「ごちそうさま!」
妖精たちが礼を述べる。
「どう致しまして。 満足した?」
「うん!」
「君たちに、聞きたいことが或るんだけど。いいかな?」
「いいよぉ~。」
「妖精の粉ってのを探しているんだけど。知ってるかい?」
三人は顔を合わせると、アベル達から少し離れてゴニョゴニョ話し出す。
暫くして戻ってくる妖精たち。
「妖精の粉。知ってるよ。」
「出来たら、少し分けてくれると嬉しいんだけど。ダメかな?」
「条件がある!」
「僕に、出来る事なら。」
「お兄さんについていく!」
「着いて行く!」
「美味しいもの、もっと沢山食べたい!」
「そう。じゃあ、自己紹介だね。
僕の名前はアベル。 君たちの名前は?」
「ミト!」
赤の帽子の妖精が言う。
「コト!」
青の帽子の妖精。
「リト!」
黄の帽子の妖精。
「ミト。コト。リト。だね。 宜しくね。」
人差し指を差し出して言うアベル。
「「「アベル!よろしく~!」」」
三人の妖精たちが、差し出されたアベルの人差し指を握り返しながら言う。
1,108
お気に入りに追加
2,184
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
辺境の街で雑貨店を営む錬金術士少女ノヴァ ~魔力0の捨てられ少女はかわいいモフモフ聖獣とともにこの地では珍しい錬金術で幸せをつかみ取ります~
あきさけ
ファンタジー
とある平民の少女は四歳のときに受けた魔力検査で魔力なしと判定されてしまう。
その結果、森の奥深くに捨てられてしまった少女だが、獣に襲われる寸前、聖獣フラッシュリンクスに助けられ一命を取り留める。
その後、フラッシュリンクスに引き取られた少女はノヴァと名付けられた。
さらに、幼いフラッシュリンクスの子と従魔契約を果たし、その眠っていた才能を開花させた。
様々な属性の魔法が使えるようになったノヴァだったが、その中でもとりわけ珍しかったのが、素材の声を聞き取り、それに応えて別のものに作り替える〝錬金術〟の素養。
ノヴァを助けたフラッシュリンクスは母となり、その才能を育て上げ、人の社会でも一人前になれるようノヴァを導きともに暮らしていく。
そして、旅立ちの日。
母フラッシュリンクスから一人前と見なされたノヴァは、姉妹のように育った末っ子のフラッシュリンクス『シシ』とともに新米錬金術士として辺境の街へと足を踏み入れることとなる。
まだ六歳という幼さで。
※この小説はカクヨム様、アルファポリス様で連載中です。
上記サイト以外では連載しておりません。
【短編】追放した仲間が行方不明!?
mimiaizu
ファンタジー
Aランク冒険者パーティー『強欲の翼』。そこで支援術師として仲間たちを支援し続けていたアリクは、リーダーのウーバの悪意で追補された。だが、その追放は間違っていた。これをきっかけとしてウーバと『強欲の翼』は失敗が続き、落ちぶれていくのであった。
※「行方不明」の「追放系」を思いついて投稿しました。短編で終わらせるつもりなのでよろしくお願いします。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
追放された宮廷錬金術師、彼女が抜けた穴は誰にも埋められない~今更戻ってくれと言われても、隣国の王子様と婚約決まってたのでもう遅い~
まいめろ
ファンタジー
錬金術師のウィンリー・トレートは宮廷錬金術師として仕えていたが、王子の婚約者が錬金術師として大成したので、必要ないとして解雇されてしまった。孤児出身であるウィンリーとしては悲しい結末である。
しかし、隣国の王太子殿下によりウィンリーは救済されることになる。以前からウィンリーの実力を知っていた
王太子殿下の計らいで隣国へと招かれ、彼女はその能力を存分に振るうのだった。
そして、その成果はやがて王太子殿下との婚約話にまで発展することに。
さて、ウィンリーを解雇した王国はどうなったかというと……彼女の抜けた穴はとても補填出来ていなかった。
だからといって、戻って来てくれと言われてももう遅い……覆水盆にかえらず。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
愛され妻と嫌われ夫 〜「君を愛することはない」をサクッとお断りした件について〜
榊どら
恋愛
長年片思いしていた幼馴染のレイモンドに大失恋したアデレード・バルモア。
自暴自棄になった末、自分が不幸な結婚をすればレイモンドが罪悪感を抱くかもしれない、と非常に歪んだ認識のもと、女嫌いで有名なペイトン・フォワードと白い結婚をする。
しかし、初顔合わせにて「君を愛することはない」と言われてしまい、イラッときたアデレードは「嫌です。私は愛されて大切にされたい」と返した。
あまりにナチュラルに自分の宣言を否定されたペイトンが「え?」と呆けている間に、アデレードは「この結婚は政略結婚で私達は対等な関係なのだから、私だけが我慢するのはおかしい」と説き伏せ「私は貴方を愛さないので、貴方は私を愛することでお互い妥協することにしましょう」と提案する。ペイトンは、断ればよいのに何故かこの申し出を承諾してしまう。
かくして、愛され妻と嫌われ夫契約が締結された。
出鼻を挫かれたことでアデレードが気になって気になって仕方ないペイトンと、ペイトンに全く興味がないアデレード。温度差の激しい二人だったが、その関係は少しずつ変化していく。
そんな中アデレードを散々蔑ろにして傷つけたレイモンドが復縁を要請してきて……!?
*小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる