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第14話 クエストに連れて行かれちゃいました

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アイアンゴーレムの攻撃を躱して剣を振るう。

まるで、バターでも切るかのように、アイアンゴーレムの左足が切断されて、アイアンゴーレムがバランスを崩して倒れる。

倒れた状態でも、残された手足でアベルを攻撃するも。

アベルは、全ての攻撃を余裕をもって躱して、アイアンゴーレムの頭部に在るコアを破壊する。

「ふう。これで終了っと。」

アイアンゴーレムのコアを、マジックポーチに入れると、今度はアイアンゴーレムの身体を剣で切り分ける。

アイアンゴーレムの身体は、全身が鉄なので、ルナが鉄のインゴットを作るための材料になる。

★アイアンゴーレム★

全身が鉄でできたゴーレム。
 全長は2メートルほどで動きは遅い。
鈍重だが、鉄で出来ている為に、物理攻撃は通りにくい。


「しっかし、その剣。本当に、よく切れるなあ。」

刃渡り90センチの、飾り気のない直剣を見て言葉を漏らすミリア。

【鋼の剣】品質:極上。
     追加効果:斬鉄(鉄を切断可能)

ルナが、アベルの為にと、思いを込めて作った会心の一品。

追加効果を見て。ルナが、アベルの為なのか、自分の為なのか悩んでしまったのは内緒だ。


「アタシ。何もしていないんだけど……。」

アベルと、ミリアを見て、恨めしそうに言うアントワネリー。

「楽が出来て良いじゃないか。なっ。」

アベルを見て言うミリア。

苦笑で返すアベル。

「ぶ~~~。」

ぶ~垂れるアントワネリー。

いま、アベル達が居るのは、シグルートの街から半日ほどの所に存在する廃棄鉱山。

廃棄された理由は、鉄の採掘量が落ちたのと。魔物モンスターが徘徊する様に為った事が原因。

徘徊する魔物モンスターは、主にロックゴーレムと、アイアンゴーレム。

その他には、ワーム種と昆虫種。

ミリアは、アントワネリーの血盟クラン剣美に所属するメンバー。

職業ジョブスキルは【斧戦士】。

所持してる武器は、ルナ制作の斧。

【鋼の斧】品質:高
     付属効果:斬岩(岩を切断可能)

コーウェル神父と、アントワネリーの錫杖を作った後に、色々試した事で分った事が。

まず、ルナの錬金術師アルケミストで製作可能な武器は、ほぼ全部製作可能だと言う事。

更に、知識が無い武器は作るのも難しいが。

見本である武器現物を錬金釜に一緒に入れる事で、ルナの足りない知識分を補い、

結果、高品質のアイテムが出来上がる確率が高いと分かった。

そりゃ、見た事も無い物だと。 どんな物なのか判らないし、想像も出来ないわな。

因みに今は、布の錬金制作に躍起になっている。

俺もそうだけど、ルナのスキルボードも、未開放なのが多すぎて、何を指針にすれば良いのかすら分からないのが現状。

さて、横道にそれたが。

なぜ、俺たちが、廃鉱山に来ているのかと問われれば。

大陸商業組合プラントからの依頼だから。

最近、この廃鉱山を徘徊する魔物モンスターの数が増えているので。

その原因の調査と、原因を排除できそうなら排除。

俺と、アントワネリーさんに、ミリアさん。

それと、斥候の職業ジョブスキルを持っているカナンさん。

回復職ヒーラーのシャリアさん。

の、5人で来ている。

なんせ、坑道なので狭い。

大人数で来ても、動きに規制が掛かるので少人数での調査。

因みに、俺はアントワネリーさんに、首根っこ掴まれて連行されてきた。

良い経験に為るだろうと。

確かに、アントワネリーさん達みたいな、上級ライセンス持ちと一緒にクエスト出来るなんて光栄なんでろうけど。

何と言うか……。肩身が狭い。

女性4人に、アベルが1人。

それこそ、良いネタ弄りにされてしまっている。

キャッキャ。ウフフフ。と、弄られながら進んでいくと。

突然、カナンが立ち止まり、後ろ手に合図を送ってくる。

ハンドサインで、静かにしろと。

皆が、戦闘態勢を取る。
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