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第5話 結婚しちゃいました
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宿から出て、教会に向かう。
そうそう、泊まった宿は、そういう行為をする宿だったのが救いだった。
安宿で、イチャコラ行為をしてると、出入り禁止になっちゃうからね。
教会に向かう途中の細工店で、安物の銀の指輪を2つ購入。
収入が安定したら、もっと良いのに買い替えよう。
なにせ、今は二人揃って失業中。
しかも、俺たち2人は孤児のため。
この街での市民権すら持っていない。
大陸商業組合ライセンスを登録しているので。
辛うじて、シグルートに出稼ぎに来ている地方出身者。と言う扱いなのだ。
大抵の市民権の無い人は、血盟に入る。
血盟は、市民権の持っている血盟主が保護者になり。
血盟の名の元に、仕事に就く事が出来る。
なので、血盟所属者が悪さをすると。
血盟の評判が一気に落ちて、街の中で暮らしにくくなる。
もちろん、その逆も然り。
血盟の評判が上がれば、街の人や大陸商業組合からの仕事が回りやすくなってくる。
* * *
現代で言えば、血盟=会社と考えて。
血盟メンバー=社員
血盟ハウス=社宅
人材派遣と受け取ってもらえれば。
* * *
なので、今の俺たちには後ろ盾が何もないっ!
街中の店で、雇って貰う事も出来ない方が普通だ。
罪を犯したら、重い軽いに問わず、一発で犯罪奴隷落ち。
大陸商業組合ライセンスだけでも取って置いて本気で良かったと思える。
昼前の教会に入ると、中には中年の神父さんが1人。
この教会。割と小さい教会で、孤児院は併設していない。
「どの様な、ご用件でしょうか?」
朝の礼拝も終わり、昼前の中途半端な時間に来訪した俺たちを見て言う。
「結婚の祝辞をしていただけたらと思いまして。」
礼をして言うアベル。
「ご結婚ですか。それは、おめでとうございます。
式を挙げる予定ですか?」
「いえ。 予算も無いし、家族も居ないので。祝辞だけを、お願いしたいのですが宜しいでしょうか?」
「ええ。ええ。 構いませんよ。」
嫌な表情も見せず、笑顔で答えてくれる中年神父。
「今からでも?」
「もちろん。どうぞ、こちらに。」
そう言って、壇上の魔に手招きする。
「このまま、祝辞を始めますが。宜しいですか?」
「「お願いします。」」
アベルと、ルナの声が重なる。
「それでは。お二人のお名前を伺っても。」
「アベルです。」
「ルナです。」
「それでは。 敬愛なる神の御許で。 汝アベルは、隣人ルナを妻とする事を認めますか?」
「はい。認めます。」
「汝ルナは、隣人アベルを夫とする事を認めますか?」
「はい。認めます。」
「夫アベルは、妻ルナを生涯護ると誓いますか?」
「はい。誓います。」
「妻ルナは、夫アベルに生涯寄り添い支えると誓えますか?」
「はい。誓います。」
「では。指輪を、お互いの薬指に。」
アベルとルナ。 お互いに、相手の左手の薬指に指輪を嵌める。
「愛の神に、夫婦だと誓いますか?」
「「誓います。」」
「愛の神の元に。
私、コーウェルが、アベルとルナの2人に神からの祝辞を代弁します。
お二人とも。 末永くお幸せに。」
そう言って、アベルとルナの額に、人差し指と中指を揃えてあてる。
「これで、2人は夫婦に為りました。」
ニコリと優しい笑顔で言うコーウェル神父。
「「有難う御座います。」」
そうそう、泊まった宿は、そういう行為をする宿だったのが救いだった。
安宿で、イチャコラ行為をしてると、出入り禁止になっちゃうからね。
教会に向かう途中の細工店で、安物の銀の指輪を2つ購入。
収入が安定したら、もっと良いのに買い替えよう。
なにせ、今は二人揃って失業中。
しかも、俺たち2人は孤児のため。
この街での市民権すら持っていない。
大陸商業組合ライセンスを登録しているので。
辛うじて、シグルートに出稼ぎに来ている地方出身者。と言う扱いなのだ。
大抵の市民権の無い人は、血盟に入る。
血盟は、市民権の持っている血盟主が保護者になり。
血盟の名の元に、仕事に就く事が出来る。
なので、血盟所属者が悪さをすると。
血盟の評判が一気に落ちて、街の中で暮らしにくくなる。
もちろん、その逆も然り。
血盟の評判が上がれば、街の人や大陸商業組合からの仕事が回りやすくなってくる。
* * *
現代で言えば、血盟=会社と考えて。
血盟メンバー=社員
血盟ハウス=社宅
人材派遣と受け取ってもらえれば。
* * *
なので、今の俺たちには後ろ盾が何もないっ!
街中の店で、雇って貰う事も出来ない方が普通だ。
罪を犯したら、重い軽いに問わず、一発で犯罪奴隷落ち。
大陸商業組合ライセンスだけでも取って置いて本気で良かったと思える。
昼前の教会に入ると、中には中年の神父さんが1人。
この教会。割と小さい教会で、孤児院は併設していない。
「どの様な、ご用件でしょうか?」
朝の礼拝も終わり、昼前の中途半端な時間に来訪した俺たちを見て言う。
「結婚の祝辞をしていただけたらと思いまして。」
礼をして言うアベル。
「ご結婚ですか。それは、おめでとうございます。
式を挙げる予定ですか?」
「いえ。 予算も無いし、家族も居ないので。祝辞だけを、お願いしたいのですが宜しいでしょうか?」
「ええ。ええ。 構いませんよ。」
嫌な表情も見せず、笑顔で答えてくれる中年神父。
「今からでも?」
「もちろん。どうぞ、こちらに。」
そう言って、壇上の魔に手招きする。
「このまま、祝辞を始めますが。宜しいですか?」
「「お願いします。」」
アベルと、ルナの声が重なる。
「それでは。お二人のお名前を伺っても。」
「アベルです。」
「ルナです。」
「それでは。 敬愛なる神の御許で。 汝アベルは、隣人ルナを妻とする事を認めますか?」
「はい。認めます。」
「汝ルナは、隣人アベルを夫とする事を認めますか?」
「はい。認めます。」
「夫アベルは、妻ルナを生涯護ると誓いますか?」
「はい。誓います。」
「妻ルナは、夫アベルに生涯寄り添い支えると誓えますか?」
「はい。誓います。」
「では。指輪を、お互いの薬指に。」
アベルとルナ。 お互いに、相手の左手の薬指に指輪を嵌める。
「愛の神に、夫婦だと誓いますか?」
「「誓います。」」
「愛の神の元に。
私、コーウェルが、アベルとルナの2人に神からの祝辞を代弁します。
お二人とも。 末永くお幸せに。」
そう言って、アベルとルナの額に、人差し指と中指を揃えてあてる。
「これで、2人は夫婦に為りました。」
ニコリと優しい笑顔で言うコーウェル神父。
「「有難う御座います。」」
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