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イベント
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************
* イベント 初日 *
************
「あっ!生来さん。」
USOにログインすれば、其処には既に早々とログインしている蒼夜達5人が。
運営から配布された、浴衣を着て客間で寛いでいた。
「どうですか?」
圭が、俺に向かって浴衣の感想を聞いてくる。
「ん、似合ってるな。」
俺の言葉に、圭の顔が緩む。
「皆も、似合ってるぞ。」
蒼夜、カナタ、沙那、シャナを見渡してイクルが言う。
「でも、柄無しなんだよなぁ~。」
カナタが少し不服そうな表情で言う。
「不服なら、課金して買いなさいよ。」
沙耶が、カナタを睨みながら言う。
「今月ピンチ。」
「あんたの場合、毎月ピンチでしょうが。」
カナタの言葉に、沙耶がツッコミを入れて返す。
「まぁまぁ、柄無しでも。それはそれで、情緒があるし。」
シャナが、宥めるように言う。
男性は紺色の、女性は白色の 浴衣。
確かに、柄はないが。 それはそれで、情緒が在るのは確かだ。
「でも、やっぱし。柄付きが着たいのも確かですね。」
圭が、ボソッと言葉を漏らす。
「確かにね・・・・・。」
シャナも同意する。
「まぁね。でも、課金してまで欲しいって訳でもないし・・・・・。」
女性陣が、何やら真剣に考え込んでいる。
「あぁ~。なら、丁度いい。〝コレ〟使ってくれ。」
そう言って、俺はステータスウィンドウを開いて。
5人にトレードを申請する。
「これって!」
俺から、トレードされたアイテムを見て。
5人が驚きの表情を見せる。
「ん? 浴衣交換チケットだが?」
そう、俺が5人にトレードしたのは。
柄付き浴衣の交換用チケットだった。
「こんなの、貰えません!」
圭が慌てて言う。
「そうよ!何考えてんのアンタっ!」
沙耶も突っ込んでくる。
「そうですよ!いくら何でも、現金を受け取るのと同じなんですから!」
シャナも言ってくる。
「そうですよ。イクルさん。いくら何でも、コレは受け取れませんから。」
蒼夜も遠慮がちに言ってくる。
カナタも皆に同意して、首を縦に振っている。
「んぁ~。ん。 何か誤解してるようだから言っておくけどな。
それ、全員分購入してるからな。
ギルドメンバー全員分のを。」
「「「「「はっ!?」」」」」
「しかも、購入して、チケットに交換すれば。 返金は不可能だ。
俺に、お前らの分の浴衣5着分をどうしろってんだ?
って、事で。
おとなしく観念して貰っておけ。 以上。」
「えっと・・・・」
「うぅぅ~・・・・」
「「「・・・・・・」」」
蒼夜は迷いながら、チケットを見つめ。
沙耶は、唸り声を上げながら俺を睨んでいる。
他の3人は、どうしたら良いのか判らずに無言。
「弄られ料だと思って、貰っておけ。」
迷う5人に声を掛けたのは、俺ではなくキョウだった。
「キョウさん。」
蒼夜がキョウの名を呼ぶ。
「どうせ、コイツの事だ。
無理に突っ返しても、ゴミ箱に捨てるだけだ。
なら、貰っておけ。
その方が、コイツの顔も立つってもんだ。」
さすがキョウ。伊達に長年付き合っていない。
俺の行動パターンを読んでくれている。
「それじゃ、遠慮なく貰って置きますっ!」
カナタが、もの凄く嬉しそうな笑顔で言う。
「ちょっ!カナタ!」
沙耶が大声でカナタの名を呼ぶ。
「だって、生来さんの事だから本当にゴミ箱に捨てる可能性の方が大きいぜ。」
そう言って、ステータスウィンドウを開いて、イクルからプレゼントされたユニーク武器防具を装備する。
「これ、俺にくれるくらいだぜ・・・・・・・。」
そう言った、カナタの表情は苦笑いだった。
カナタにプレゼントしたユニーク武器防具一式。
USO内通貨での価格、約10億ゴールド。
RMT換算で、約10万円相当。
「うっ・・・・・」
カナタの言葉を聞いて、沙耶が言葉を詰まらせる。
「生来さん。」
圭が、俺の名前を呼ぶ。
圭に呼ばれて視線をやると。
「有り難う御座います。」
そう言って、深々と頭を下げて、お辞儀する圭。
「有り難う御座います。」
シャナも頭を下げてお辞儀をする。
俺は満足な表情を浮かべると。
「どう致しまして。」
カナタ、シャナ、桂に笑顔を向ける。
「あり・・・が・・とう・・・」
「有り難う御座います。」
沙耶と、蒼夜が返事を返す。
「蒼夜の声は聞こえたが。なんだ? 要らないんなら、ゴミ箱に捨ててくれても構わないぞ。」
「有り難うって言っってんのよ!」
沙耶が大きな声で言う。
「どう致しまして。」
沙耶の大声の礼に、イクルはにこやかに返事を返す。
「っつ!」
顔を赤くして、沙耶がそっぽを向く。
「キョウ。 お前らの分だ。渡しておいてくれ。」
そう言って、イクルはトレード申請をキョウに飛ばす。
「ん? お前から渡さないのか?」
トレードを承諾しながらキョウが聞き返す。
「んっ。 あぁ、ちょっとな。
ティファ達にも、渡しておきたいからな。」
「マメだねぇ。」
「まぁ、色々世話になってるしな。お中元代わりだ。」
「はは。 んじゃ、冬のお歳暮代わりは、俺が出すとしますか。」
「あぁ、頼む。 それじゃ、行ってくる。」
「おう、逝ってら。」
「絶対に、違う意味で言ってるだろ?」
「バレた?」
「バレてる。」
笑いながら、イクルは帰還を発動して、その場から居なくなった。
「ほれほれ。遠慮せずに使え。」
キョウが、蒼夜達5人に言葉をかけて促す。
「それでは遠慮なく。」
圭が言って、チケットを使用する。
圭が使うのを見て、シャナとカナタもチケットを使う。
最後まで躊躇っていた、蒼夜と沙耶もチケットを使い。
5人が、はしゃぎながら、どの浴衣の柄が誰に似合うとかで会話に花が咲いた。
* イベント 初日 *
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「あっ!生来さん。」
USOにログインすれば、其処には既に早々とログインしている蒼夜達5人が。
運営から配布された、浴衣を着て客間で寛いでいた。
「どうですか?」
圭が、俺に向かって浴衣の感想を聞いてくる。
「ん、似合ってるな。」
俺の言葉に、圭の顔が緩む。
「皆も、似合ってるぞ。」
蒼夜、カナタ、沙那、シャナを見渡してイクルが言う。
「でも、柄無しなんだよなぁ~。」
カナタが少し不服そうな表情で言う。
「不服なら、課金して買いなさいよ。」
沙耶が、カナタを睨みながら言う。
「今月ピンチ。」
「あんたの場合、毎月ピンチでしょうが。」
カナタの言葉に、沙耶がツッコミを入れて返す。
「まぁまぁ、柄無しでも。それはそれで、情緒があるし。」
シャナが、宥めるように言う。
男性は紺色の、女性は白色の 浴衣。
確かに、柄はないが。 それはそれで、情緒が在るのは確かだ。
「でも、やっぱし。柄付きが着たいのも確かですね。」
圭が、ボソッと言葉を漏らす。
「確かにね・・・・・。」
シャナも同意する。
「まぁね。でも、課金してまで欲しいって訳でもないし・・・・・。」
女性陣が、何やら真剣に考え込んでいる。
「あぁ~。なら、丁度いい。〝コレ〟使ってくれ。」
そう言って、俺はステータスウィンドウを開いて。
5人にトレードを申請する。
「これって!」
俺から、トレードされたアイテムを見て。
5人が驚きの表情を見せる。
「ん? 浴衣交換チケットだが?」
そう、俺が5人にトレードしたのは。
柄付き浴衣の交換用チケットだった。
「こんなの、貰えません!」
圭が慌てて言う。
「そうよ!何考えてんのアンタっ!」
沙耶も突っ込んでくる。
「そうですよ!いくら何でも、現金を受け取るのと同じなんですから!」
シャナも言ってくる。
「そうですよ。イクルさん。いくら何でも、コレは受け取れませんから。」
蒼夜も遠慮がちに言ってくる。
カナタも皆に同意して、首を縦に振っている。
「んぁ~。ん。 何か誤解してるようだから言っておくけどな。
それ、全員分購入してるからな。
ギルドメンバー全員分のを。」
「「「「「はっ!?」」」」」
「しかも、購入して、チケットに交換すれば。 返金は不可能だ。
俺に、お前らの分の浴衣5着分をどうしろってんだ?
って、事で。
おとなしく観念して貰っておけ。 以上。」
「えっと・・・・」
「うぅぅ~・・・・」
「「「・・・・・・」」」
蒼夜は迷いながら、チケットを見つめ。
沙耶は、唸り声を上げながら俺を睨んでいる。
他の3人は、どうしたら良いのか判らずに無言。
「弄られ料だと思って、貰っておけ。」
迷う5人に声を掛けたのは、俺ではなくキョウだった。
「キョウさん。」
蒼夜がキョウの名を呼ぶ。
「どうせ、コイツの事だ。
無理に突っ返しても、ゴミ箱に捨てるだけだ。
なら、貰っておけ。
その方が、コイツの顔も立つってもんだ。」
さすがキョウ。伊達に長年付き合っていない。
俺の行動パターンを読んでくれている。
「それじゃ、遠慮なく貰って置きますっ!」
カナタが、もの凄く嬉しそうな笑顔で言う。
「ちょっ!カナタ!」
沙耶が大声でカナタの名を呼ぶ。
「だって、生来さんの事だから本当にゴミ箱に捨てる可能性の方が大きいぜ。」
そう言って、ステータスウィンドウを開いて、イクルからプレゼントされたユニーク武器防具を装備する。
「これ、俺にくれるくらいだぜ・・・・・・・。」
そう言った、カナタの表情は苦笑いだった。
カナタにプレゼントしたユニーク武器防具一式。
USO内通貨での価格、約10億ゴールド。
RMT換算で、約10万円相当。
「うっ・・・・・」
カナタの言葉を聞いて、沙耶が言葉を詰まらせる。
「生来さん。」
圭が、俺の名前を呼ぶ。
圭に呼ばれて視線をやると。
「有り難う御座います。」
そう言って、深々と頭を下げて、お辞儀する圭。
「有り難う御座います。」
シャナも頭を下げてお辞儀をする。
俺は満足な表情を浮かべると。
「どう致しまして。」
カナタ、シャナ、桂に笑顔を向ける。
「あり・・・が・・とう・・・」
「有り難う御座います。」
沙耶と、蒼夜が返事を返す。
「蒼夜の声は聞こえたが。なんだ? 要らないんなら、ゴミ箱に捨ててくれても構わないぞ。」
「有り難うって言っってんのよ!」
沙耶が大きな声で言う。
「どう致しまして。」
沙耶の大声の礼に、イクルはにこやかに返事を返す。
「っつ!」
顔を赤くして、沙耶がそっぽを向く。
「キョウ。 お前らの分だ。渡しておいてくれ。」
そう言って、イクルはトレード申請をキョウに飛ばす。
「ん? お前から渡さないのか?」
トレードを承諾しながらキョウが聞き返す。
「んっ。 あぁ、ちょっとな。
ティファ達にも、渡しておきたいからな。」
「マメだねぇ。」
「まぁ、色々世話になってるしな。お中元代わりだ。」
「はは。 んじゃ、冬のお歳暮代わりは、俺が出すとしますか。」
「あぁ、頼む。 それじゃ、行ってくる。」
「おう、逝ってら。」
「絶対に、違う意味で言ってるだろ?」
「バレた?」
「バレてる。」
笑いながら、イクルは帰還を発動して、その場から居なくなった。
「ほれほれ。遠慮せずに使え。」
キョウが、蒼夜達5人に言葉をかけて促す。
「それでは遠慮なく。」
圭が言って、チケットを使用する。
圭が使うのを見て、シャナとカナタもチケットを使う。
最後まで躊躇っていた、蒼夜と沙耶もチケットを使い。
5人が、はしゃぎながら、どの浴衣の柄が誰に似合うとかで会話に花が咲いた。
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