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結婚編

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【運営からのお知らせ】

この度は、全サーバーを通じての〝最速〟の結婚カップルと致しまして。

運営からのサービスとして。お二人の挙式の場所を提供させていただきます。

挙式の費用は、全て運営サイトが受け持ちますので御安心を。


場所:運営特設エリア

時間:本日20時~21時


移動手段:イクル様、けい様には、直通の招待アイテムを付属させていただいております。

フレンドの方々にはメールを送り、結婚招待チケットを配布させて頂いておりますので御安心を。

一般のプレイヤーの方々の参加も可能なように、首都からのゲートも開いております。

なお、特設エリアでは。全ての戦闘行為(窃盗スキル含む)が、出来ない仕様に為っております。


時間の都合が悪い時は、運営サイトにメールを送りください。

本日の17時迄は日付と時間の変更は可能になっております。

そして、メールの他に。運営からの贈り物が付属されていた。

イクルには、燕尾服が。

けいには、ウエディングドレスが。

 
この状況に陥って、始めてイクルは慌てて掲示板を開く。

そこには、こう書かれていた。

【本日20時~21時。ツヴァイサーバーにて、運営サイト主催の特設エリアにて結婚式を行います。

なお、この御二人は。

USO全サーバーを通じての、最速での結婚カップルと為ります。

プレイヤーの皆様で祝福を送って挙げてください。

結婚式場への直通エリアのゲートは、首都ツヴァイと、自由都市サグムンストンの中央に開かれます。

特設エリアでは、全ての戦闘行為と窃盗のスキルは使えなくなります。】


(やばい・・・・・逃げ道を塞がれた・・・・)

最悪、運営に問い合わせて誤認で通す予定だったが。

先に運営に騒ぎを大きくさせられてしまった。

引くに、引けない状況に立たされてしまったのだ。

恐らく、既にフレンドの何人かは、運営から送られたメールを見ているだろうし。

他のプレイヤーも掲示板を見ているだろう。


けいどうす・・・・・」

る、と聞きかけて。言葉を止めるイクル。

けいは、既に送られてきたウェディングドレスに着替えて、姿見を見ながら嬉しそうな顔をしていた。

「似合いますか?」

笑顔で、けいがイクルに向かって聞く。
 
どうやら、ドレスに着替えた(装備)ことによって。

自動的に化粧(メイク)もしてくれるらしい。

うっすらと、化粧をした桂は、普段の時よりも可愛く見える。

「可愛いよ。 似合ってる。」

俺は素直な感想を述べた。

「むぅぅ、可愛いですか・・・・」

どうやらけいは、俺の答えに不服のようだ。

「背伸びしたい年頃なのはわかるが。 将来に期待だな。」

クスリと笑いながら、言葉を付け足す。

プイッ。 っと、そっぽを向く桂。

「で、それを開けると。 返品が効かないのだけど。結婚するの?」

拗ねる仕草のけいが可愛くて、つい意地悪心が起きてしまう。

「あ・・・・」

どうやら、ドレスを着てみたい一心で、結婚の事は忘れていたみたいだ。

「まぁ、俺が1億払えば良いだけだけだし。 離婚したい時は言ってくれ。」

「あうぅぅ・・・・・」

落ち込むけい


「気にするな。

お互いにペナルティーが発生するだけだ。

嫌じゃなければ、このままでも良いからな。」

「はい・・・・・」

小さな声で、項垂れながらけいが返事を返す。

「ところで、結婚式の時間は大丈夫なのか?」

「はい。大丈夫です。」

「そっか。なら、俺は1度ログアウトするが。また、後でな。」

「はい、お疲れ様です」

「お疲れさん。」

そう言って、俺はログアウトする。



 
***********
*         *
* 結婚式1時間前 *
*         *
***********


再びUSOにインすると。


「イクル!どう言う事なの!?」

インして、第一声目が、亜里亜のコレだった。

いや、予想はしていたが・・・・。

顔が怖すぎる・・・・。

既に、俺以外のメンバーは揃っているらしく。

全員がイン仕立ての俺を見ている。


「どうもこうも〝USOゲーム内〟で、けいと結婚するんだが。 なにか問題でもあるか?」

〝ゲーム内〟と言う所を、敢えて強調して皆に聞こえるように言う。
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