上 下
100 / 226
ツヴァイ編

95

しおりを挟む
「それと、CHUさん。」

「はい?」

「赤ちゃんの内は、夜泣きが多いので。 ちゃんと奥さんの、サポートをしてあげるんですよ。」

「はい。」

「ちゃんと、交代で見てあげてね。」

「はい。」

「よろしい、では。次。」

そう言って、ミリアは後ろに下がった。

 
ミリアの後ろから出てきたのは、キョウだった。

「出産おめでとう。」

「あぁ。俺じゃないがな。」

「わぁってるよ。アンタが産んだら逆に怖いだろ。」

「はは、言えてるな。」

「本腰入れて、戻ってきたら連絡入れろよ。 新しい武器防具を新調してやっから。」

「おう、そん時は頼む。」

それだけ言うと、キョウは後ろに下がる。

次はガイだ。


「俺以外で、その鎧をイクルが貸すのは、お前が初めてだ。」

「おう。」

「まぁ、色々と頑張れ。」

それだけ言うと、ガイは下がる。

その様子を見て、CHUはクスリと笑う。


お次は、亜里亜。

「この前は、有り難う。」

「おう。今更だな。」

「ちゃんと言ってなかったし。」

「おう、今度は殺りすぎるなよ。」

「何か、言い方が気になるんだけど?」

「気のせいだ。」

「ん。良いパパに為りなよ。」

「勿論だ。お前も良い加減、違うの見つけたらどうだ?」

「それが出来てれば苦労しないわよ・・・・・」

「だな。まぁ、頑張れ。」

「うん。」

亜里亜が後ろに下がる。


次に出てきたのは、【ギルド】ゾディアックのギルマスのティファ。

「CHUさん、おめでとうございます。」

「有り難う。」

「落ち着いたら、また遊ぼうね。」

「あぁ、その時は頼む。」

CHUと握手して、ティファが下がる。


次は、シャッフル同盟のギルマスのカーマイン。

「出産おめでとう。」

「有り難う。」

「勝ち逃げは許さないぞ。」

「ちゃんと、戻ってくるさ。」

「おう。」

「そんときゃ、頼む。多分腕が鈍ってると思うから。」

「おう、存分に虐めてやる。」

「手加減しろよ?」

「い・や・だ!」

それだけ言って、カーマインは握手して後ろに下がった。

ゆるふわ同盟のギルマスの ねぎトロ。

黒薔薇十字軍のギルマスの 黒姫

筋肉愛好家ギルマスの   アドン

それぞれが、祝いの言葉と、挨拶をして。イベント開始時間まで残り5分を切っていた。



    * * * * * * * * * *



「はーい、世界ワールドチャットで少し失礼します。」

世界ワールドチャト:チャット方式:ゲーム用語★
*ツヴァイ鯖内の全プレイヤーに聞こえるチャット。
*60秒の世界ワールドチャット使用で、100万ゴールドが必要。


「この度のイベントの主催者のイクルと言います。

そして、今日の主役。

  知ってる人も多いと思いますが、マーダーのCHUさんです。

まぁ、言いたい事は、後で聞くので、今は喋らせてくださいね。」

ここで、イクルは一息溜める。


「CHUさんの、奥さんがリアルで、ご出産なされ。

 子育ての為に、CHUさんのイン率も低下します。

今日は、CHUさんの、出産祝いも兼ねてのイベントです。

 日頃の恨みをブツケルも良し。

出産祝いで倒されるも良し。

 CHUさんと、絡んであげてください。

では、今日の主役から一言。」

イクルのハウスの屋上に立ち、イクルから振られたCHU。


「今更だが、CHUだ。

 イクルが言ったとおり。

妻が出産したので、育児の手伝いで、USOのイン率が落ちる。」

 ここまで言った時に、各プレイヤーがワールドチャットでCHUに、お祝いの言葉を投げかける。


「おめでとう!CHUさん!」

「おめでとう!」

「このまま、引退してくれ!」

「引退するなら、アイテムくれ!」

などと、様々な言葉が飛び交う。


「はいはーい! CHUさんが話せないだろ。 そこまでにしてくれ!」

イクルがワールドチャットで、プレイヤー達の言葉を遮る。


「まぁ、なんだ・・・。 引退はしないからな!

子育てに見切りが付いたら、嫁と一緒に戻ってくるからな!

今日は、弄られてやるから。 掛かってこいや!」
しおりを挟む

処理中です...