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イクル 回想編

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* 回想 2 *
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サービス開始から6日目。


音楽センス:70.2%→82.4%
扇動   :72.3%→83.6%
平和   :65.8%→82.3%
魅了   :23.1%→68.1%
解体   :45.6%→73.4%
魔法実技 : 40%→46.3%


HP : 72→ 80 (ロック状態)
MP : 40→ 60 (ロック状態)
STM:110→150

腕力 : 63→110
知識 : 36→ 40
素早さ: 72→136
器用さ: 80→168


そろそろ、記録マークの使用者も増えてきた為に、亜里亜の代理記録マークも希望者が減ってきた。

そうなると、不足してくるのが秘薬だ。

魔法を使うにも、巻き物スクロールを作るにも、秘薬は必要なのだから。

だが、面白い事に。USOでのNPCから売りに出される秘薬には、販売上限数がある。

各街や村のNPCが販売する秘薬の販売上限数は、各種類1000個。

しかも、現実時間で4時間に1回の補充間隔。

これは、勢力戦の拠点でも同じく。

今までは、勢力戦の拠点でガイが仕入れてきてくれたが。

流石に、勢力に加わる人も増えてきて。勢力拠点のNPCから購入するのも困難な状況になってきた。

今日の課題は、キョウから渡された解読済みの宝の図を読む作業。

ひたすら、読む作業を繰り返して、1時間で宝探しスキルが52.2%に。

ここまで上がれば、レベル1~2の地図の宝を探しに行ける。

座標割り出しの作業に使った地図の枚数。30枚。

亜里亜を呼び出して、厩舎で馬を購入。

厩舎で買う馬は、乗馬技能がなくても乗ることはできる。

亜里亜と、俺とで先行して宝の埋まっている場所を記録マークして回る。

首都ツヴァイに戻り。ガイ、キョウと合流する。

「亜里亜、ゲートを頼む。」

「了解!」

首都から少し離れた位置で、亜里亜に記録マークさせた場所にゲートを出して貰う。

「座標は?」

地図を再確認する。2歩前に進む。

「この、真下。」

キョウの言葉に、俺が答える。

「んじゃ、掘りますか。」

腰袋から、シャベルを出して、キョウが掘り出す。

ザク、ザクっと音がして、穴が掘られていく。

「出てきたぞぉ~。」

宝の箱を穴から引きずり出す。

「さってっと。準備は?」

キョウが皆に聞く。

「OK。」

「いつでも。」

俺と亜里亜が答える。

「こっちもOKだ。」

少し離れた位置でガイも返事を返す。

「んじゃ、開けるからな。」

キョウが細工のスキルで作った【開錠ピッキングツール】で開錠を試みる。

カチッ。っと音がして、箱の蓋が開かれた。

その瞬間、周囲にモンスターがPOPする。

骸骨が6体と、オークが6体。

俺は慌てず、平和ピースを発動。

タゲが外れて、動きの止まるオークに向かって、ガイが手にした剣で斬りつける。

亜里亜は魔法で骸骨を処理していく。

俺は、ひたすらに平和ピースを奏でて、タゲを外すのが役目。

キョウは、ただじっと動かずに居る。 僅かでも動けば、タゲが飛ぶ可能性が有るからだ。

それでも、オークの1匹がキョウにターゲットロックしてしまった。

オークの棍棒が振り上げられて、キョウに向かって振り下ろされる。

ガイはウェポンスキルを発動させて、キョウに振り下ろされようとしている、オークの
持つ棍棒を打ち付ける。

オークの持つ棍棒が手から消える。が、振り下ろされた腕の勢いは止まらずに、キョウに向かって当たる。

「ツッ!」

キョウが声を上げる。キョウのHPが減る。

それでも、動かないのは大したものだ。

俺の平和ピースで、キョウからタゲが外れ、ガイが剣でオークを屠る。



 
炎の矢ファイアーアロー!」

炎の壁ファイヤーウォール!」

亜里亜が骸骨に向けて、連続で炎の魔法を放つ。

骸骨は炎の矢ファイアーアローに打ち抜かれ。残りの3体は炎の壁ファイヤーウォールに焼かれて消える。

俺は、平和ピース煽動アジテーションで、少しでも2人にターゲットロックする敵を減ら

している。


「処理完了。箱の中身は?」

「ハズレだな。」

俺の言葉にキョウが返事を返す。

「ハズレでも、秘薬は有難いからね。」

亜里亜の言葉に、ガイは頷く。

宝箱の中身

ゴールド7000
黒真珠:   332個
セージ:   336個
蜘蛛の糸:  224個
コウモリの羽:162個

黒真珠とコウモリの羽は、帰還リコール記録マークで良く使うから、何処のNPCでも売り切れ続出だ。


「次に行くぞ。」

「「「了解。」」」

この、作業を繰り返し。6日目は終了。


収穫

ゴールド:2348万6782ゴールド。

種類      単価    取得数

薬草     : 8  :6368
黒真珠    :25  :5687
光り苔    :13  :7328
セージ    : 8  :6621
蜘蛛の糸   :12  :5369
蛾の鱗粉   :15  :4879
ジンジャー  : 8  :5543
コウモリの羽 :18  :5598



7日目~14日迄は、ひたすらに高レベルの宝箱を開けて回る。

レベル3から、レベル4へ。

レベル5まではクリアできたが。

レベル6で全滅してしまった。

その甲斐あって。キョウは中級寄りのマイハウスを購入。

ガイは、レア武器防具で装備を固める。

亜里亜に、宝探しで得た秘薬を渡し、販売とスキル上げに。

14日目の、俺の所持金額は約33M(約3300万)

後、30M貯めれば。城とは言わないまでも。

そこそこ、大きいを所有できる。


そう、この時までは。

俺も、城などと言う大それたことは考えていなかった。


15日目。

この日に、俺に城を購入させようという事件が起こった。

レイド討伐パーティーが募集されていたので、何気なく入った時だった。

ドロップ分配方式は、PTLパーティーリーダーが管理して、掲示板、またはオークションで販売。

討伐メンバーに、均等に配当と言う方式だった。

討伐レイドは【強欲の騎士】。

10人編成のフォースでのレジェンドレイド狩り。

いつもは、身内か知り合いでの固定パーティーしか入らないのだが。

たまには、野良パーティーも良いかなと思い入ってみた。

まぁ、バードの俺の仕事は。他のメンバーがレイドに集中できるように。

雑魚モンスターを平和ピースでターゲットロックを外し、煽動アジテーションで同士討ち

させておく事くらいだ。

【荒廃した館】と、言うダンジョンにレジェンドレイドボスの【強欲の騎士】はPOPする。

雑魚モンスターを処理しつつ、ボス部屋の前にたどり着く俺たち。

「それじゃ、再確認ね。」

PTLのミリシャの言葉に全員が頷く。

「MTは独楽こまさん。」

★MT:メインタンクの略語★
*ボス戦で、ボスのターゲットを取る役目。
*ボスのタゲをヘイト出来ないと、ボスのタゲが飛びまくり大惨事になる。
*叩かれるのが好きな人にオススメのM職。

 
「サブで私が。回復職ヒーラーの人は吟遊詩人バードの人の側にね。」

頷くメンバー。

平和ピース専門でイクルさん。他のバードは煽動アジテーションで。」

俺たちも頷く。


「ATの人は、タゲが飛ばない様に加減してね。」

*AT:アタッカーの略語*
*攻撃専門の人で、良くMTからタゲを奪っていく。
*攻撃したい、Sな人にオススメの職。


全員が頷いて。確認終了。
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