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ツヴァイ編

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【会いたい。すぐに来て欲しい。】

これだけ書いて、メールを送る。

と、10秒後に。部屋の中にイキナリ人影が現れたかと思うと。

物凄い勢いで、イクルに向かって迫る。

「やっと、その気になったのね!イクル!」

「んな、訳あるか!」

自分に向かって来る人物の前に、イクルは右脚を上げて向かえ打つ。

イクルに向かって、突進していた人物は、見事に顔面をイクルの右足にのめり込ませた。

「ちょっとぉ~。酷いじゃないの!」

「文句を言う前に、周囲を見ろ!客が居るのが分からんのか!お前は!」

突然現れた人物の行動に、唖然とするしか反応できずに固まる5人。

現れた人物の容姿は。

髪は金髪でセミロング。

全体的に軽くウェーブが掛かっている。

瞳は黒。

スタイルは・・・モデル並みの、ボン!キュッ!ボン!

服装はと言うと。

ライトグリーンで纏めた、レザーメイル系。

最後に、白いマントを羽織っている。

ただし、露出は結構多い。


「あら?どこで取ってきたの?可愛い子達ね。」

「人をテイムしたみたいに言うな!最近、知り合った子だよ。」

若干、引きつり顔で頭を下げて挨拶する5人。

 
「こいつは、亜里亜アリア。これでも、USO内では〝ソレナリ〟に有名な魔法使いのプレイヤーだ。」

「亜里亜よ。宜しくね。」

5人の方を見ながら、ウィンクして名前を述べる。

そんな中、けいが亜里亜を見ながら、声を震わせて聞いてくる。

「あの・・・亜里亜さんって。〝あの〟亜里亜さんですよね?」

「あの亜里亜が、どの亜里亜か解らないけど。この文字の亜里亜は私だけの筈よ?」

ニッコリと微笑みながら、けいに向かって答える亜里亜。

それを聞くと、けいはソファーから立ち上がり。アリアの元に向かう。

「感激です!〝あの〟亜里亜さんに、お会いできるなんて!握手して貰ってもいいですか!?」

目をキラキラ輝かせながら、けいが亜里亜に握手を求める。

「いいわよぉ~。握手くらいなら、いくらでもしてあげるわよぉ~。」

差し出されたけいの手を、亜里亜は握り返す。

「有名人?」

小声で、蒼夜に尋ねるカナタ。

「俺が知る訳ないだろう。」

「亜里亜はね。OSオリジナルスキル所有者ホルダーなんだ。」

カナタと、蒼夜の会話に。イクルが答える。

 
【オリジナルスキル】


USOのウェポンスキルには、数種類の組み合わせのコンボが在る。

この、ウェポンスキルの組み合わせを使っていると。

数万分の1の確率で、コンボではなく。進化する事がある。

更に進化したスキル同士を連続で使用すれば。

これまた、数十万分の1の確率で進化する時がある。

これが【OSオリジナルスキル】と呼ばれて。

最初に、発動させた人にしか使いこなせない特殊なスキルとなる。

亜里亜はUSO内で、一番最初にオリジナルスキルを発動して獲得した人物だ。


けい。よく知ってたな?スキルの事も知らなかったのに?」

カナタがけいに聞くと。


「んっとね。知り合いの人に聞いたんだ。とにかく凄く有名な人が〝亜里亜〟と言う魔法職で居るって。

USOでも、とにかく有名で。会えたら自慢できるって。」

けいの言葉に、イクルが苦笑を浮かべる。

「だってさ、亜里亜。」

ケラケラと笑いながら、イクルが亜里亜に言うと。

「う~~む・・・。そこまで持ち上げられているのか・・・。道理で、最近ギルド勧誘が急激に増えたと思っていたけど・・・。」

実際の所。亜里亜がオリジナルスキルを取得できたのは、運が良かったの一言だからだ。

進化したスキルのディレイを調べる為に、進化したスキル同士を使っていたら。

偶然にも、4回目の発動でオリジナルスキルに進化して。オリジナルスキルのホルダーになってしまったのだから。


亜里亜の取得したOSオリジナルスキルは。

亜里亜が視認できる範囲全てに置いての。

全ステータスの半減。


これは、パーティーメンバー&フォース。

もしくは、同盟及び、連合に属していないプレイヤー全てに有効とされる。
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