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第2章
23:シーナ
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和真たちが、此方の世界に来て1ヶ月が過ぎた。
その間ずっと、俺はシーナに魔力を搾取され続けた。
このシーナが、何かと規格外だと知ったのは3週間前だ。
意思を持ち、人工生体に魂を固定させたダンジョンコアはシーナの他にも居る。
最初は、和真たちのダンジョン拡張の為に魔力を使っていた。
階層も最深部が100階。
上の階層ほど弱い敵が出てきて、深部に向かうと強敵が出てくる。
5階層ごとに転移陣を設置。 転移陣に登録すれば、そこまでは一瞬で送還と帰還が可能になる。
まぁ、ここ迄は、いま存在するダンジョンと変わらない。
ここからが、シーナの異常とも言える性能が発揮された。
「すいません。 もう少しダンジョンの拡張をしたいので。 魔力を貰っても?」
と言われ。素直に魔力を譲渡。
いま思えば、この時に気が付いておくべきだった。
シーナが、俺から搾取する魔力が尋常ではない事に。
人工生体に固着させたダンジョンコアはシーナを入れれば4体。
うち3体のダンジョンコアにも、魔力は稀に供給に行くが。
3体とも、30秒も経たないうちに満タン状態になる。
ところがシーナ。
彼女は、最初の頃は、他の生態コアと同じだったのだが。
ダンジョン拡張の為に、毎日魔力を搾取され続けるうちに、次第に時間が伸びていき。
今では、3分を過ぎても満タン状態にならない。
さすがに気に為って、どんなダンジョンの拡張をしているのか尋ねてみると。
「いまだと。 250階を超えたあたりです。」
「250?」
「はい。 できれば、350階まで拡張して、300階まではダンジョンとして活動させて。
残りの20階は、避難場所として確保。 残り30階は、完全に出来上がった際。
ダンジョンンの階層を入れ替えて、宿泊町みたいな感じで仕上げてみたいです。」
「シーナ。 お前は何がしたいんだ?」
「最終的には。 私と同じ生体コアのダンジョン型の統合です。」
「統合? 他のダンジョンを吸収するのか?」
「失礼しました。 正確には、統合共存です。
勿論。共存なので、他の生態コアの権利はそのままに。
最終的には、全てのダンジョンを統合共存しようと思ってます。」
「それって、全部のダンジョンが、Sランクダンジョンに為るってことか?」
「可能かと問われれば可能です。 ですが、それはしません。」
「理由は?」
「まず第一に。 各ダンジョンのコアの性能差が違い過ぎて、性能の低いダンジョンへの負荷がかかり過ぎてしまいす。
結果として、コアの寿命そのものが短くなります。
第二に。 Bランクからのダンジョンに、地上とリンクさせて昼夜の機能を着けようと思います。
第三に。 探索組合。勇者協会の方たちの無茶ぶりが酷いので。
同じ種族でも、個体差をつけたいと思います。
他にも問題はありますが。 特に急いで改変しないといけないのは、この3つです。」
「まてまて。1番と3番は理解できた。 2番は、何のためにだ?」
「主な理由としまして。 ダンジョン=狭い空間での戦闘。 と言う認識を崩すためです。
探索組合だけならともかく。 勇者協会の方も利用するのです。
勇者協会の方は、主に地上での戦闘がメインとなるので、地上に近い設定の地形を再現するためです。
なので。 草原タイプの階層。 森林タイプ。 海タイプ。 渓谷タイプ。 山タイプなどの地形を取り入れていく予定です。」
「地上とリンクさせると言ったな?」
「はい。 人工太陽と、人工衛星を創り、昼夜を取り入れようと思います。」
「出来るのか?」
「可能です。 が、その為には、私の性能自体をあげていかないと無理なので。
当分の間は、明彦さんから、魔力の搾取をさせて頂きますが。」
「規格外だな。 初めてだぞ。俺も。」
「ええ。 私自体も驚いています。
和真や、前のダンジョンで魔力供給してた時には、ここまで出来るとは思ってもみませんでした。
明彦さんから、桁違いの魔力供給を感じて、供給限界値が上がっていくの実感したのは3週間前からですので。
正直。 自分でも、ここまで伸びるとは思っていなかったです。
しかも、現在進行形で供給限界値は上がっていきますし。」
「質問。 3週間前から、ほぼ毎日通って、魔力を搾取されてるが。 何か特別な理由があるのか?」
「あれ? ご存知ありませんでしたか?
ココさんに、オリハルコンやアダマンタイト等の鉱石を錬成してくれと頼まれていたのですが?」
「鉱石の錬成できたのか? しかも、オリハルコンとアダマンタイトって……。」
「はい。 知っての通り、オリハルコンやアダマンタイト等の【超貴重なレアメタル】の錬成には大量の魔力を消費してしまうので。
しかも、トン単位での錬成でしたので。 毎日搾取させて貰っている魔力の7割は鉱石錬成に消費していました。
まぁ、それに並行して、私の供給限界値も上がっていくので。
明彦さんに、聞かれるまでは言わない様に言われてはいましたが。
聞かれたら、素直に答えていいよ。とも言ってました。」
計画的犯行だな。
まぁ、俺としても、魔力を搾取されるのは助かってはいるが。
魔力が溜まり過ぎると、結構つらいんだよな。
週一で。 成層圏ギリギリまで飛翔して、近所の惑星に当たらない様に、高威力の魔法を数十発ぶっ放して魔力放出してたくらいだし。
「他の生体コアの方も。 私とのネットワーク提携で、魔力を分けているうちに、供給限界値が上がってきてますので。
明彦さん! もっと、もっと。 魔力を搾取させてくださいね!」
ニッコリと、妖艶に微笑みながら言うシーナだった。
その間ずっと、俺はシーナに魔力を搾取され続けた。
このシーナが、何かと規格外だと知ったのは3週間前だ。
意思を持ち、人工生体に魂を固定させたダンジョンコアはシーナの他にも居る。
最初は、和真たちのダンジョン拡張の為に魔力を使っていた。
階層も最深部が100階。
上の階層ほど弱い敵が出てきて、深部に向かうと強敵が出てくる。
5階層ごとに転移陣を設置。 転移陣に登録すれば、そこまでは一瞬で送還と帰還が可能になる。
まぁ、ここ迄は、いま存在するダンジョンと変わらない。
ここからが、シーナの異常とも言える性能が発揮された。
「すいません。 もう少しダンジョンの拡張をしたいので。 魔力を貰っても?」
と言われ。素直に魔力を譲渡。
いま思えば、この時に気が付いておくべきだった。
シーナが、俺から搾取する魔力が尋常ではない事に。
人工生体に固着させたダンジョンコアはシーナを入れれば4体。
うち3体のダンジョンコアにも、魔力は稀に供給に行くが。
3体とも、30秒も経たないうちに満タン状態になる。
ところがシーナ。
彼女は、最初の頃は、他の生態コアと同じだったのだが。
ダンジョン拡張の為に、毎日魔力を搾取され続けるうちに、次第に時間が伸びていき。
今では、3分を過ぎても満タン状態にならない。
さすがに気に為って、どんなダンジョンの拡張をしているのか尋ねてみると。
「いまだと。 250階を超えたあたりです。」
「250?」
「はい。 できれば、350階まで拡張して、300階まではダンジョンとして活動させて。
残りの20階は、避難場所として確保。 残り30階は、完全に出来上がった際。
ダンジョンンの階層を入れ替えて、宿泊町みたいな感じで仕上げてみたいです。」
「シーナ。 お前は何がしたいんだ?」
「最終的には。 私と同じ生体コアのダンジョン型の統合です。」
「統合? 他のダンジョンを吸収するのか?」
「失礼しました。 正確には、統合共存です。
勿論。共存なので、他の生態コアの権利はそのままに。
最終的には、全てのダンジョンを統合共存しようと思ってます。」
「それって、全部のダンジョンが、Sランクダンジョンに為るってことか?」
「可能かと問われれば可能です。 ですが、それはしません。」
「理由は?」
「まず第一に。 各ダンジョンのコアの性能差が違い過ぎて、性能の低いダンジョンへの負荷がかかり過ぎてしまいす。
結果として、コアの寿命そのものが短くなります。
第二に。 Bランクからのダンジョンに、地上とリンクさせて昼夜の機能を着けようと思います。
第三に。 探索組合。勇者協会の方たちの無茶ぶりが酷いので。
同じ種族でも、個体差をつけたいと思います。
他にも問題はありますが。 特に急いで改変しないといけないのは、この3つです。」
「まてまて。1番と3番は理解できた。 2番は、何のためにだ?」
「主な理由としまして。 ダンジョン=狭い空間での戦闘。 と言う認識を崩すためです。
探索組合だけならともかく。 勇者協会の方も利用するのです。
勇者協会の方は、主に地上での戦闘がメインとなるので、地上に近い設定の地形を再現するためです。
なので。 草原タイプの階層。 森林タイプ。 海タイプ。 渓谷タイプ。 山タイプなどの地形を取り入れていく予定です。」
「地上とリンクさせると言ったな?」
「はい。 人工太陽と、人工衛星を創り、昼夜を取り入れようと思います。」
「出来るのか?」
「可能です。 が、その為には、私の性能自体をあげていかないと無理なので。
当分の間は、明彦さんから、魔力の搾取をさせて頂きますが。」
「規格外だな。 初めてだぞ。俺も。」
「ええ。 私自体も驚いています。
和真や、前のダンジョンで魔力供給してた時には、ここまで出来るとは思ってもみませんでした。
明彦さんから、桁違いの魔力供給を感じて、供給限界値が上がっていくの実感したのは3週間前からですので。
正直。 自分でも、ここまで伸びるとは思っていなかったです。
しかも、現在進行形で供給限界値は上がっていきますし。」
「質問。 3週間前から、ほぼ毎日通って、魔力を搾取されてるが。 何か特別な理由があるのか?」
「あれ? ご存知ありませんでしたか?
ココさんに、オリハルコンやアダマンタイト等の鉱石を錬成してくれと頼まれていたのですが?」
「鉱石の錬成できたのか? しかも、オリハルコンとアダマンタイトって……。」
「はい。 知っての通り、オリハルコンやアダマンタイト等の【超貴重なレアメタル】の錬成には大量の魔力を消費してしまうので。
しかも、トン単位での錬成でしたので。 毎日搾取させて貰っている魔力の7割は鉱石錬成に消費していました。
まぁ、それに並行して、私の供給限界値も上がっていくので。
明彦さんに、聞かれるまでは言わない様に言われてはいましたが。
聞かれたら、素直に答えていいよ。とも言ってました。」
計画的犯行だな。
まぁ、俺としても、魔力を搾取されるのは助かってはいるが。
魔力が溜まり過ぎると、結構つらいんだよな。
週一で。 成層圏ギリギリまで飛翔して、近所の惑星に当たらない様に、高威力の魔法を数十発ぶっ放して魔力放出してたくらいだし。
「他の生体コアの方も。 私とのネットワーク提携で、魔力を分けているうちに、供給限界値が上がってきてますので。
明彦さん! もっと、もっと。 魔力を搾取させてくださいね!」
ニッコリと、妖艶に微笑みながら言うシーナだった。
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