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第2章
18:勇者たちの奮闘
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「ちょっとっ! 怪獣警報!鳴ってないよっ!?」
モモニンジャーが慌てながら言う。
それは、そうだろう。
なにせ、怪獣キマイラと宇宙超人戦士ジロンが、空でぶつかり落ちてきたのだ。
元々キマイラは、リーリア大陸を横断して、クルメス大陸に移動中だったのだ。
外宇宙対策局も、怪獣対策局も。 まさか宇宙超人戦士ジロンと空中でぶつかり落下するなど予測不可能だ。
「ギィイイギイ!?」
怪獣キマイラが、獅子の頭をフリフリ立ち上がる。
獅子の頭と身体に、翼が生えて、尻尾はサソリの尾。
翼をバサバサと動かしているが、どことなく力強さを感じない。
「ヘアッ!」
宇宙超人戦士ジロンも立ち上がりながら頭を軽く振る。
少し足元が、おぼつかない様子だが。
「ギィヤァァァ!」
怪獣キマイラが、宇宙超人戦士ジロンにに向かって突進していく。
ジロンは、キマイラの突進を両手で受け止める。
キマイラの頭部を掴んだまま、右に傾けて横腹に蹴りを入れる。
「ギャギャッアアア!」
ジロンの蹴りで、キマイラが吹き飛ばされる。
「ヘッア!」
キマイラに向かって、ジロンが構えなおした時だった。
まだ脳震盪が抜けきっていなかったのか、深酒と睡眠不足が祟ったのか。
ジロンがよろけてしまう。
「あっ!」
っと、ジロンが声をあげた。
何かを踏んだ。
「おいっ! 怪人踏んだぞっ!」
ミドニンジャーが叫ぶ。
「いまっ。 あっ! って言ったよなっ!」
アオニンジャーも声をあげる。
今まさに、合体技で怪人ガッハに止めを刺すところを邪魔されて。
さらに、怪人まで踏みつぶされてしまった隠密戦隊ゴニンジャーの面々。
「ちょっと! ジロン! なに踏みつぶしてくれてるのよっ!」
モモニンジャーが言う。
「みんなっ! 文句は後だっ! いまは、この場を離れるぞっ!」
「アカッ!?」
モモニンジャーが驚きの声をあげる。
「気持ちはわかるっ! が! このまま、ここに居たら、俺たちも踏みつぶされるぞっ!
怪人は事故とは言え、殲滅されたんだ! 俺たちの仕事は終わりだっ!
全員! この場から離脱するっ!」
「「「「ラジャー!」」」」
* * * *
(やっと。 逃げてくれたか。 怪人を踏み潰した時は、どうしようかと思ったけど。)
去って行く、ゴニンジャーたちを見てジロンが思う。
(早いとこ決着を着けないと。)
キマイラを見ると、翼をはためかせて飛び立とうとしている。
「ヘアッ!」 訳:させるか!
大きくジャンプして、地上から浮いた瞬間のキマイラに向かって急降下のキックを合わせる。
「ギャアァ!!」
地面に叩き伏せられるキマイラ。
「ヘアッ!」 訳:やばい! 吐きそう!
着地と同時に、片膝を着くジロン。
そこに、体勢を立て直したキマイラのサソリの尻尾が襲い掛かる。
まともに食らえば、如何に宇宙超人戦士ジロンと言えどタダでは済まない。
(あ…。 詰んだ…。)
身体を動かそうとしても、思うようには動かない。
攻撃を避けたいのに、身体が動こうとしない。
(生まれ変わったら。 飲みすぎないようにしないとなぁ。)
などと、死の間際だからか、思考が変な方向に行ってしまっている。
「はあああっ!」
ジロンに向けて、迫りくるサソリの尻尾を受け止めたのは!
宇宙超人戦士ナルシスター!
「ジロン! 大丈夫!?」
「ナルシスター ?」
宇宙超人戦士語でなく、普通に地球共通語を話すナルシスターとジロン。
「500メートル後方に向かって! ココが居るから、送って貰いなさい。」
顎クイ、で方向を示すナルシスター。
「済まない。 感謝する。」
指示された場所に向かい、変身を解くジロン。
「ったく。 体調管理も勇者の仕事内容の一つでしょう。」
「面目ない。」
「まぁ、たまには羽目を外さないと、やってられないもんね。お互い。」
そう言って、変身を解いたジロン。 ギム・レッカの肩に手を置く。
「自宅前で良いわね?」
「頼む。」
次の瞬間、2人の姿が消えた。
ココが瞬間移動で、ギムを家に運んだ。
* * * *
「さて。 ちゃっちゃっと片づけますか。」
おもむろに、掴んでいる尻尾を持ったまま、強引に背負い投げの要領でキマイラの身体を反対側の地面に叩きつける。
そして、叩きつけたキマイラめがけて、尻尾を掴んだまま、キマイラの腹部に突き刺す。
「ギャギャッアアア!」
「どう。自分の尻尾で刺された感想は?」
暴れるキマイラの腹部を踏みつけながら、さらに尻尾を腹部にグリグリ食い込ませるナルシスター。
そして、キマイラの喉めがけて、体重を乗せた膝を食い込ます。
「ギッ!」
声をあげようにも、喉に膝が食い込んでいるので叫びすら上げさせて貰えない。
「それじゃ、止め。」
倒れるキマイラの背中に、足の甲を入れて。
「セイッ!」
キマイラを空中に蹴り上げる。
その時に、キマイラの翼を踏んずけていたので、キマイラの片翼がちぎれる。
「シャッ!」
腕を交差させて、必殺のスペリウム光線を撃ちだす。
ドガーン!
キマイラは、跡形もなく消し飛ぶ。
空を見上げて「デュワッ!」の掛け声と共に、空に消えていくナルシスター。
そして、地上には、鳴海の姿が。
「んじゃ、帰ろうか。」
鳴海の横には、瞬間移動で現れたココが居た。
「うん。ジロンは?」
「深酒と寝不足だね。 あと、多少のストレス性胃炎かな。
一応、処置として。 解毒魔法を掛けて。 精神安定剤を渡しておいた。」
「市販の?」
「そだよ。」
「なら安心だ。」
「おい…。」
「ウソ、ウソ。 ありがとね。」
「おk。んじゃ。 飛ぶよ。」
次の瞬間には、鳴海とココの姿が消えていた。
モモニンジャーが慌てながら言う。
それは、そうだろう。
なにせ、怪獣キマイラと宇宙超人戦士ジロンが、空でぶつかり落ちてきたのだ。
元々キマイラは、リーリア大陸を横断して、クルメス大陸に移動中だったのだ。
外宇宙対策局も、怪獣対策局も。 まさか宇宙超人戦士ジロンと空中でぶつかり落下するなど予測不可能だ。
「ギィイイギイ!?」
怪獣キマイラが、獅子の頭をフリフリ立ち上がる。
獅子の頭と身体に、翼が生えて、尻尾はサソリの尾。
翼をバサバサと動かしているが、どことなく力強さを感じない。
「ヘアッ!」
宇宙超人戦士ジロンも立ち上がりながら頭を軽く振る。
少し足元が、おぼつかない様子だが。
「ギィヤァァァ!」
怪獣キマイラが、宇宙超人戦士ジロンにに向かって突進していく。
ジロンは、キマイラの突進を両手で受け止める。
キマイラの頭部を掴んだまま、右に傾けて横腹に蹴りを入れる。
「ギャギャッアアア!」
ジロンの蹴りで、キマイラが吹き飛ばされる。
「ヘッア!」
キマイラに向かって、ジロンが構えなおした時だった。
まだ脳震盪が抜けきっていなかったのか、深酒と睡眠不足が祟ったのか。
ジロンがよろけてしまう。
「あっ!」
っと、ジロンが声をあげた。
何かを踏んだ。
「おいっ! 怪人踏んだぞっ!」
ミドニンジャーが叫ぶ。
「いまっ。 あっ! って言ったよなっ!」
アオニンジャーも声をあげる。
今まさに、合体技で怪人ガッハに止めを刺すところを邪魔されて。
さらに、怪人まで踏みつぶされてしまった隠密戦隊ゴニンジャーの面々。
「ちょっと! ジロン! なに踏みつぶしてくれてるのよっ!」
モモニンジャーが言う。
「みんなっ! 文句は後だっ! いまは、この場を離れるぞっ!」
「アカッ!?」
モモニンジャーが驚きの声をあげる。
「気持ちはわかるっ! が! このまま、ここに居たら、俺たちも踏みつぶされるぞっ!
怪人は事故とは言え、殲滅されたんだ! 俺たちの仕事は終わりだっ!
全員! この場から離脱するっ!」
「「「「ラジャー!」」」」
* * * *
(やっと。 逃げてくれたか。 怪人を踏み潰した時は、どうしようかと思ったけど。)
去って行く、ゴニンジャーたちを見てジロンが思う。
(早いとこ決着を着けないと。)
キマイラを見ると、翼をはためかせて飛び立とうとしている。
「ヘアッ!」 訳:させるか!
大きくジャンプして、地上から浮いた瞬間のキマイラに向かって急降下のキックを合わせる。
「ギャアァ!!」
地面に叩き伏せられるキマイラ。
「ヘアッ!」 訳:やばい! 吐きそう!
着地と同時に、片膝を着くジロン。
そこに、体勢を立て直したキマイラのサソリの尻尾が襲い掛かる。
まともに食らえば、如何に宇宙超人戦士ジロンと言えどタダでは済まない。
(あ…。 詰んだ…。)
身体を動かそうとしても、思うようには動かない。
攻撃を避けたいのに、身体が動こうとしない。
(生まれ変わったら。 飲みすぎないようにしないとなぁ。)
などと、死の間際だからか、思考が変な方向に行ってしまっている。
「はあああっ!」
ジロンに向けて、迫りくるサソリの尻尾を受け止めたのは!
宇宙超人戦士ナルシスター!
「ジロン! 大丈夫!?」
「ナルシスター ?」
宇宙超人戦士語でなく、普通に地球共通語を話すナルシスターとジロン。
「500メートル後方に向かって! ココが居るから、送って貰いなさい。」
顎クイ、で方向を示すナルシスター。
「済まない。 感謝する。」
指示された場所に向かい、変身を解くジロン。
「ったく。 体調管理も勇者の仕事内容の一つでしょう。」
「面目ない。」
「まぁ、たまには羽目を外さないと、やってられないもんね。お互い。」
そう言って、変身を解いたジロン。 ギム・レッカの肩に手を置く。
「自宅前で良いわね?」
「頼む。」
次の瞬間、2人の姿が消えた。
ココが瞬間移動で、ギムを家に運んだ。
* * * *
「さて。 ちゃっちゃっと片づけますか。」
おもむろに、掴んでいる尻尾を持ったまま、強引に背負い投げの要領でキマイラの身体を反対側の地面に叩きつける。
そして、叩きつけたキマイラめがけて、尻尾を掴んだまま、キマイラの腹部に突き刺す。
「ギャギャッアアア!」
「どう。自分の尻尾で刺された感想は?」
暴れるキマイラの腹部を踏みつけながら、さらに尻尾を腹部にグリグリ食い込ませるナルシスター。
そして、キマイラの喉めがけて、体重を乗せた膝を食い込ます。
「ギッ!」
声をあげようにも、喉に膝が食い込んでいるので叫びすら上げさせて貰えない。
「それじゃ、止め。」
倒れるキマイラの背中に、足の甲を入れて。
「セイッ!」
キマイラを空中に蹴り上げる。
その時に、キマイラの翼を踏んずけていたので、キマイラの片翼がちぎれる。
「シャッ!」
腕を交差させて、必殺のスペリウム光線を撃ちだす。
ドガーン!
キマイラは、跡形もなく消し飛ぶ。
空を見上げて「デュワッ!」の掛け声と共に、空に消えていくナルシスター。
そして、地上には、鳴海の姿が。
「んじゃ、帰ろうか。」
鳴海の横には、瞬間移動で現れたココが居た。
「うん。ジロンは?」
「深酒と寝不足だね。 あと、多少のストレス性胃炎かな。
一応、処置として。 解毒魔法を掛けて。 精神安定剤を渡しておいた。」
「市販の?」
「そだよ。」
「なら安心だ。」
「おい…。」
「ウソ、ウソ。 ありがとね。」
「おk。んじゃ。 飛ぶよ。」
次の瞬間には、鳴海とココの姿が消えていた。
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