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第2章
15:秘密の会話で盛り上がる?
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(何をコソコソと秘密の会話してるのよ。)
今度は、母さんから精神感応で話しかけられる。
(ん、まぁ。シノンの事で。)
(ま、あの子の資質を考慮するとね。 さすがに、強力すぎだわ。)
(そうなの?)
(アンタ。気が付いてないでしょうけど。 アンタにも効果が出てるわよ。)
(えっ? 俺にも?)
(そうよ。 明彦。 あんた、今までに女性に興味あった?)
そう言えば、結構長い事生きてるけど、女性に興味を抱いた事はなかったな……。
確かに、やることはやってるけど。
それは単に、性処理として処理しているって感じで。
風俗に行っても、可愛いとか、美人だとは思っても。
好きになった事は、一度もない。
恋もした事がない。
テイルとシャナを見れば、やはり同じ様に念話で話しているのだろう。
4人とも、何も話していないのに、全員真剣な顔付で。と、言う謎空間に為っている。
(明彦。 あんたは。 私や父さんみたいに、純粋な神と言う存在じゃないからね。
確かに、生命と言う枠組からは外れた存在だけど。
どっちかと言えば、人に近しい存在だからね。
もっとも。 父さんと、母さんも。 長い事、生命に関わり合ったせいか。 だいぶ生き物臭くなっちゃって来てるけど。)
(感情に揺さぶりを掛けている。)
(そうよ。 綺麗な物を見て綺麗。 可愛い物を見て可愛い。
美味しい物を食べて美味しい。 嫌いな物には嫌い。
そういった感情に直接働きかけるのが資質。
彼女の場合は、自分に好意を抱かせる魅力。)
(確かに、それじゃ、俺の全状態異常完全無効化も役に立たないよな。)
(それでも、好きって感情に留める辺りは、さすがは私たちの息子って感じだけど。
明彦も、生命臭いって事の証明だよ。)
確かに。 純粋な神でもなく、生命体でもない。
それでも、生命体に近いって母さんに言われて。 少しだけ、俺は気持ちが楽になった。
* * * *
(と、言う事は。 テイル兄様も、明彦さんには、姉さまの魅力の効果は出ているとお思いなのですか?)
(ああ。間違いなく出ていると思う。 でも、彼の凄いところは、シノンの魅力にも抗えることだ。)
(確かに……。 話し合おうとしたり。 身を守る行動はとっても。
姉さまに反撃したのは、明彦さんが初めてです。
しかも、片足を折る程には。)
シャナの言葉に、一瞬だが表情を崩すが。 即座に平常の表情に戻すテイル。
(これは、シノンにとっても僥倖だ。 何せ、今まで対等に立ち並んで歩む事が出来ないでいたんだ。)
(そうですね。)
(なんだ? 不服か? 大好きな姉を取られて。)
(そう言う訳ではありません! まぁ、多少の嫉妬の感情はあると思いますが…。)
(ははは。 なんなら、シャナも一緒に娶って貰え。)
(テイル兄様!)
(嫌いじゃないだろう。 少なくとも、あのボンクラ共よりは良いだろうが。)
(それは、そうですが…。)
(あのボンクラ共の事は、私たちが何とでもしてやる。 お前も、自分の気持ちに正直なると良いさ。
駒として扱われるのは、私たちだけで十分だ。 可愛い弟妹たちを駒にさせたくはない。
それは、他の兄姉たちも同じ気持ちだ。 推しの違いはあるがな。)
その時、居間のドアが開いて、部屋着に着替えたシノンが入ってくる。
同時に。シノンは、ちょっとだけ部屋の中の異様な空気に身構える。
それも、そうだろう。
四人とも、談笑するでもなく。
かと言って、何をしている訳でもなく。
無言で静まり返った部屋の中で、まじめな顔つきで黙ったまま沈黙している状態なのだ。
しかも、4人一斉に、部屋に入った自分に視線を集めている。
「な、なに?」
シノンが尋ねると。
「いえ。テイル兄様と、念話で話をしていたので。」
「ええ。 親族の会話でしたので。 聞かれたくなくてね。」
シャナとテイルが答え。
「ああ、俺も母さんと、精神感応で会話してたんだ。」
「そそ。 こっちも、身内の会話だったんでね。」
そう言って、笑顔を向ける4人。
「そ、そうですか?」
と、答えるしかないシノンだった。
今度は、母さんから精神感応で話しかけられる。
(ん、まぁ。シノンの事で。)
(ま、あの子の資質を考慮するとね。 さすがに、強力すぎだわ。)
(そうなの?)
(アンタ。気が付いてないでしょうけど。 アンタにも効果が出てるわよ。)
(えっ? 俺にも?)
(そうよ。 明彦。 あんた、今までに女性に興味あった?)
そう言えば、結構長い事生きてるけど、女性に興味を抱いた事はなかったな……。
確かに、やることはやってるけど。
それは単に、性処理として処理しているって感じで。
風俗に行っても、可愛いとか、美人だとは思っても。
好きになった事は、一度もない。
恋もした事がない。
テイルとシャナを見れば、やはり同じ様に念話で話しているのだろう。
4人とも、何も話していないのに、全員真剣な顔付で。と、言う謎空間に為っている。
(明彦。 あんたは。 私や父さんみたいに、純粋な神と言う存在じゃないからね。
確かに、生命と言う枠組からは外れた存在だけど。
どっちかと言えば、人に近しい存在だからね。
もっとも。 父さんと、母さんも。 長い事、生命に関わり合ったせいか。 だいぶ生き物臭くなっちゃって来てるけど。)
(感情に揺さぶりを掛けている。)
(そうよ。 綺麗な物を見て綺麗。 可愛い物を見て可愛い。
美味しい物を食べて美味しい。 嫌いな物には嫌い。
そういった感情に直接働きかけるのが資質。
彼女の場合は、自分に好意を抱かせる魅力。)
(確かに、それじゃ、俺の全状態異常完全無効化も役に立たないよな。)
(それでも、好きって感情に留める辺りは、さすがは私たちの息子って感じだけど。
明彦も、生命臭いって事の証明だよ。)
確かに。 純粋な神でもなく、生命体でもない。
それでも、生命体に近いって母さんに言われて。 少しだけ、俺は気持ちが楽になった。
* * * *
(と、言う事は。 テイル兄様も、明彦さんには、姉さまの魅力の効果は出ているとお思いなのですか?)
(ああ。間違いなく出ていると思う。 でも、彼の凄いところは、シノンの魅力にも抗えることだ。)
(確かに……。 話し合おうとしたり。 身を守る行動はとっても。
姉さまに反撃したのは、明彦さんが初めてです。
しかも、片足を折る程には。)
シャナの言葉に、一瞬だが表情を崩すが。 即座に平常の表情に戻すテイル。
(これは、シノンにとっても僥倖だ。 何せ、今まで対等に立ち並んで歩む事が出来ないでいたんだ。)
(そうですね。)
(なんだ? 不服か? 大好きな姉を取られて。)
(そう言う訳ではありません! まぁ、多少の嫉妬の感情はあると思いますが…。)
(ははは。 なんなら、シャナも一緒に娶って貰え。)
(テイル兄様!)
(嫌いじゃないだろう。 少なくとも、あのボンクラ共よりは良いだろうが。)
(それは、そうですが…。)
(あのボンクラ共の事は、私たちが何とでもしてやる。 お前も、自分の気持ちに正直なると良いさ。
駒として扱われるのは、私たちだけで十分だ。 可愛い弟妹たちを駒にさせたくはない。
それは、他の兄姉たちも同じ気持ちだ。 推しの違いはあるがな。)
その時、居間のドアが開いて、部屋着に着替えたシノンが入ってくる。
同時に。シノンは、ちょっとだけ部屋の中の異様な空気に身構える。
それも、そうだろう。
四人とも、談笑するでもなく。
かと言って、何をしている訳でもなく。
無言で静まり返った部屋の中で、まじめな顔つきで黙ったまま沈黙している状態なのだ。
しかも、4人一斉に、部屋に入った自分に視線を集めている。
「な、なに?」
シノンが尋ねると。
「いえ。テイル兄様と、念話で話をしていたので。」
「ええ。 親族の会話でしたので。 聞かれたくなくてね。」
シャナとテイルが答え。
「ああ、俺も母さんと、精神感応で会話してたんだ。」
「そそ。 こっちも、身内の会話だったんでね。」
そう言って、笑顔を向ける4人。
「そ、そうですか?」
と、答えるしかないシノンだった。
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