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第1章

3:落下物に気を付けろって言うけど。 上から降ってくるのに注意しようがないよね?

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制服に着替えて玄関で靴を履き玄関を開けて家を出る。

その時に、明彦あきひこは足を止める。

結界に衝撃吸収を上書きしようと。

いくら家が結界で守られていて被害が無いといっても。

家に宇宙怪獣や宇宙超人戦士スーパーマンファイターの身体が当たるたびに大きく揺れるのだ。

家はともかく、家の中身の備品が壊れてしまう。

下手をすれば、家の地盤にも影響が出て、地盤沈下で家が倒壊なんて洒落にならない。

「ちっ。 ナルかよ。」

宇宙怪獣と戦っている、宇宙超人戦士スーパーマンファイターを見て舌打ちをする。

「範囲指定。 魔力充填。」

頭の中に、家の敷地を思い浮かべ、その地下にも結界を張るイメージを描く。

「魔力解放。 発動。」

明彦あきひこの言葉で、明彦あきひこに集まった魔力が解放されて、イメージ通りに結界を造る。

明彦あきひこの家は神社。

街中の小高い位置に建っている。

まぁ、神社とは言っても。 そこまで大きくはなく。

せいぜい、野球グランド半分くらいの面積だ。

そこに、本殿と家が隣り合って経っている。

母さんは、巫女さんで宮司だ。

父さんは、異次元勇者ディメイション:ヒーロー課に所属していて。 結構頻繁に異世界に出張転移している。


百数段ある階段を降りて道に出る。

道沿いに下っていくと大通りに出る。

「七五三くっ~~ん! おっはよおぉ~~!」

さて、問題です。 【七五三】 と書いて何て読む? 初見でウィキも開かずに言い当てれたら凄いぞ。漢検1級いくんじゃないか?

「おはよう。 遠坂とおさか。」

俺に元気よく声を掛けてきたのは、遠坂とおさか コヨミ。

俺と同じく、勇者学校ヒーローアカデミーに通うクラスメイト。

種族は猫の獣人種と人間種のハーフで。 頭の上には猫耳がある。

顔は人間種で、スレンダーなスタイルながらも、出る所は貧相に見えない程度には出ている! そこに!頭の上の猫耳。 萌えない訳がない! 

そう。普通ならば萌えない訳が無いのだが。

残念な事に、遠坂とおさかコヨミは。

ドッゴッーン! っと盛大な音と共に。 遠坂とおさかが立っていた場所に、宇宙怪獣の尻尾が叩き込まれる。

「見事に、クリティカルヒットしたな・・・。」

端から見れば、遠坂とおさかが宇宙怪獣の尻尾に叩き潰されて死亡した。

そう思うだろう。 遠坂とおさかの事を知らない奴は。

だが、お生憎様。 あの程度では遠坂とおさかはくたばらない。

何せアイツは脳筋筋肉馬鹿だ。 あの程度でくたばるなら苦労はしない。と言うか、あの程度でくたばるなら、俺がとっくに墓の中に埋めている。

「あぁ~! びっくりした! ナルちゃん! ちゃちゃっと倒しちゃってよ!」

もうもうと、土煙の立ち上る中。 鞄を持っていない左手で、宇宙怪獣の尻尾を受け止めながら笑顔で言う遠坂とおさか

そして、そのまま宇宙怪獣の尻尾をペイッと投げ捨てる。

「おい。遠坂とおさか。 いくら結界で囲ってるとは言え適当に投げ捨てるな。

それに、ナルなんだから仕方ない。 諦めろ。」

そう。 いま戦っている宇宙超人戦士スーパーマンファイターナルシスターと言って。 勇者学校ヒーローアカデミーの同期だ。

「見せ場を作らない勇者ヒーローなんて勇者ヒーローじゃないっ!」

などと言って、戦闘を長引かせてくれる宇宙超人戦士スーパーマンファイターナルシスター。

あれさえ無ければ、実力も性格も見た目も悪くないのだが。 世の中うまくはいかないものだ。

「大丈夫だよ。 ちゃんと気配察知で確認して、誰も居ない結界強度の高いほうに投げてるから。

まったく。 ナルちゃんは、実力は有るのに時間かけすぎぃ~!」

遠坂とおさかに投げられた尻尾の慣性に釣られて宇宙怪獣の身体が大きく傾く。

何やら、ナルの胸の部分の半球系の物体が、赤色と青色とに交互に変わりながら色を変えている。

あんなの前は無かったよな? カラータイマー的な何かか?

時間制限など無かったような気がしたが?

「ヘアッ!」

宇宙超人戦士スーパーマンファイターナルシスターが、宇宙怪獣の体制が崩れたのを見逃さずに腕を十字に交差させて。

止めの必殺技のスペリオル光線を宇宙怪獣に放つ。

宇宙怪獣は、スペリオル光線を受けて身体が爆散して四散する。

俺は咄嗟に、遠坂とおさかと自分に、宇宙怪獣の肉片と血が掛からないように結界を張る。

びっちゃびちゃと音を立てて、宇宙怪獣の肉片と血が、そこら中に降り注ぎ見るも無残な惨状を作り出す。

「後片付け。 大変だね・・・。」

「だな。 ほんと、宇宙怪獣を倒すのは良いけど。 もうちょっと、何とかならないもんかね。

いくら清掃課の人たちが、広範囲の浄化清掃の魔法で奇麗にすると分かっちゃいてもなぁ~。」

「ナルちゃんだから。って言ったのは七五三しのしめくんだよ。」

そう言いながら、コヨミが腕時計に目をやる。

「へいへい。そうでした。」

七五三しのしめくん! 急がないとヤバいっ!? 電車に間に合わないよっ!」

「いやっ! 多分、今の怪獣騒ぎで電車は止まっているはずだ!」

只でさえ、学校までの距離が遠くて時間に余裕がないのに。 怪獣騒動で更に時間をとってしまった。

「時間がない! 電車は諦めて走るぞっ!」

「風紀委員に見つかると、後が煩いよっ!?」

「大丈夫だ! 怪獣騒動で、今なら有耶無耶になるっ!」

「分かった!」

「「せーのっ!」」

こうして。 俺と遠坂とおさかは、街中のビルとビルの屋上を飛び跳ねながら、勇者学校ヒーローアカデミー目指して爆走するのだった。

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