ＤＲＡＧＯＮ ＢＯＷＬ【完結：短編・１万文字ちょっと】 ： アルティメット・スキル・オンライン ☆ イベント編

６

　＊　＊　＊　＊　＊　＊　

時間にすれば２秒ほどの時間。

プレイヤー達と、超仙闘人スーパーせんとうじんへと進化した悟空とが睨み合う。

『こねえなら。　こっちから行くぞ。』

そう言った悟空が、正面の前衛プレイヤーにむかって距離を詰めると、『フッ！』短い掛け声ともに右の正拳突きを繰り出す。

プレイヤーの方も、咄嗟に盾で悟空の攻撃を盾で受け止めるが。

「あうぅっ！」

一撃。

悟空の通常攻撃で在ろう、右の正拳突き一発で、死亡デフォルトを発しながら、地面に死体と為って幽霊になる。

いちおう、いま集まっているプレイヤー達は。

全員が戦闘職ではないが。　　少なくとも、偶数連合で〝そこそこ名前の知れたギルド〟のプレイヤー達が過半数を占めている。

ついでに言えば、ＰＳプレイヤースキルも平均以上の腕の持ち主で、装備もレジェンダリー以上のプレイヤーが多い。



★レジェンダリー：ゲーム用語：アイテムの珍しい度を指す★
＊ノーマル　→レア　→レジェンダリー　→ユニーク　→ヒーロー


その平均以上のプレイヤーが一撃で沈む。

「「「｜神格変化《しんかくへんげ」！！」」」


その状況を、一瞬で理解した上級プレイヤー達が、こぞって｜神格変化(しんかくへんげ)を使用する。


★　神格変化しんかくへんげ　★
＊対人ポイント１００万を消費して、神格変化ができる。
＊神格変化しんかくへんげすると、見た目が変わり、ＨＰとＭＰが３倍になる。
＊１度死亡して、幽霊状態に為るまでは、神格変化しんかくへんげの状態を維持。


悪魔の翼を持つ者は、頭に角が生えて背中のコウモリの様な翼は大きさを増し、翼の先端には鉤爪が現れる。

天使の翼を持つ者は、頭上に天使の輪が現れて、背中には２枚から４枚に増えた白い翼があった。

鷲の翼を持つ者は、頭部が鷲の頭に為る。

妖精の羽を持つ者は、頭部に触覚が生える。

「対人ポイントの、余裕がないプレイヤーは無理に変化しなくてもいいっ！

自身で、変化しても良いと言うプレイヤーだけは変化しての応戦っ！」

ギルド：ヒーロー戦隊のギンガブルーが、連合チャットで叫ぶように言う。

「「敵対値増加ヘイト！　敵対値増：範囲ヘイトオーラ！」」

壁役の盾持ちプレイヤー達が、変化を終えて、それぞれがタゲを引き付けようと敵対値ヘイトを稼ぐ。


「「強斬撃スラッシュ！　二連斬撃ダブルスラッシュ！」」

「「頭部打ち抜きヘッドショット！　二連続撃ちダブルアロー！　」」

「「魔力の矢マジック・アロー！　魔力の弾丸エネルギーボルト！」」

「「剣霊召喚ブレードスピリッツ！　魔力の奔流マジック・ボルテックス」」

物理アタッカーのプレイヤー達も、魔法職のプレイヤーも、各自で敵対値増加ヘイト！を取らない程度の攻撃を繰り出す。

戦闘職なら、いざ知らず。

純生産職の、ダンやキョウに沙耶さやにキラ。

支援職である、吟遊詩人バードの生来いくる、ラクス達は変化しようにも対人ポイントが足りるはずも無く。

戦闘の邪魔に為らない様に、生産職のプレイヤー達は後方からの、回復アイテムや、固定ダメージを与える事の出来る爆弾などを投げての支援を。


吟遊詩人バードプレイヤー達は、歌い手シンガースキルと、踊り子ダンススキルでの支援。


特に後方からのアタッカーのプレイヤー達の多くは、神格変化しんかくへんげ状態で、地上から少しだけ浮かした状態での飛行状態での攻撃をメインとしている。

飛行状態での、防御を捨ててでも、悟空にダメージを与えようと言う思惑だ。

そして、それを見たターゲットを取っていない前衛職のプレイヤー達も真似て、飛行状態での攻撃を繰り出す。

通常状態のダメージ力＋飛行状態での攻撃力倍増＋各支援効果バフでの攻撃力は、超仙闘人スーパーせんとうじんと為った悟空のＨＰ生命力を確実に減らしていく。

『噛め！　噛め！』

超仙闘人スーパーせんとうじんの悟空のＨＰ生命力ゲージを１本奪った所で、スキルモーション短縮での噛め噛め破を悟空が放とうする。

「「「散開っ！！」」」

悟空のスキルモーションを見た、ロムとティファにダンが声をあげて連合チャットで叫ぶ。

悟空の正面に位置どるプレイヤー達の内。　盾職いがいのプレイヤー達は大慌てで、噛め噛め破の射線上から逃げる。

『破あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！』

のセリフと共に、口から特大の噛め噛め破を吐き出す悟空。

神格変化しんかくへんげをしているにも関わらず。　噛め噛め破を受け止めた盾職のプレイヤーのＨＰ生命力がゴッソリと削られる。

中には、一気に危険域レッドゾーンに入り込んだプレイヤーの姿も。

神格変化しんかくへんげをしていないプレイヤー達は、言うまでも無く死亡デフォを発して幽霊状態と為り。

後方の支援部隊フォースの元に駆け寄っていく。

その数、少なく見ても、５０人近くは居るのではないだろうか。